↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/79

テンタ・モードン2-1

 目を覚まして思い出す。俺様は今、カイデン領の領都カイデンにいる。

 安宿の硬いベッドとはいえ、久しぶりのベッドだ。よく眠れた。

 いつもは森の中を魔獣達と移動しながら野宿しているが、街に近付いた時は、その街に寄ることにしている。

 あまり多くは入らないが、魔物共を倒して得た素材などをアイテムボックスに貯めているので、ハンターギルドでそれらを売って金に換えるのが一つ。

 普段から水魔法で濡らしたタオルで身体は拭いているが、汚れは落ち切らないし、今は8の月の半ばの暑い盛りなのでよく汗も掻くことから、公衆浴場で身体を洗うのが一つ。

 森の移動中は、倒した魔獣の肉に火を通して食っているが、たまにはちゃんとした料理を食うのが一つ。

 そして何より、森の中では売っていない酒を飲むのが一つ。

 当然、魔獣達には街の近くの森の中で待機させ、街に入るのは俺1人だ。

 この領都カイデンは、人や物が王都ダフトへ向かうための要衝だ。これまでも何度か来ている。この街にいる大勢の人を殺したら、王国中を混乱に陥れることが出来るだろう。

 他の町や村でもやっているが、ここカイデンでも、城壁の監視の緩い場所を探し、土ネズミ等土魔法の使える魔獣達に命じて、城壁に穴を空けている。

 街を襲う時に、俺様や大きめの魔獣達は町の外から、小さめの魔獣達には穴を潜って街の中に入り街の中から、同時に責めればさぞや混乱するだろうと考えてやっている。

 ここ、カイデンでもやっているが、他の町のような土を固めた壁と違い、ここの城壁はコンクリートで出来ているため、何年か掛けて、何度にも分けて、ゆっくりと穴を空けさせた。

 なので、ハンターギルドに寄る前に、穴が塞がれていないか確認しに行った。

 いくら監視が緩い場所とはいえ、城壁に穴が開いているのを見つければ、当然それを塞ぐだろう。他の町でも、穴を塞がれていたことはあった。

 穴が塞がれた町は攻めにくくなるので、滅ぼすのは後回しにしなければならない。そのための確認だった。


 穴は見事に塞がれていた!

 厳重に、コンクリートで穴を埋められていた。苦労したのに・・・・・

 しかたがないので、カイデンでの内外同時攻撃は諦めた。

 穴が塞がれているということは、穴が開いていたのを町の者が見つけ、その報告が領主まで上がり、穴を塞ぐとともに他に穴が無いか調べられ、その後も定期的に調査されているはず。何度開けても、すぐに塞がれるだろうし、その分、監視も強化されるだろう。

 腹は立つが、どうしようもない。

 そして、昨夜はヤケ酒を飲んで、宿で寝た。

 とは言え、昔と違い、次の日に残るような飲み方はしない。これからまた森の中を移動するのだ。強い魔物と遭遇することもある。その時に的確な対処が出来なければ、自分が死ぬことになる。

 目が覚めた時には、身体に酒は一切残っていなかった。

 さあ、昨日寄れなかったハンターギルドに寄って、次に調味料やポーション等の必要な物を店で買って、街を出よう。


 魔獣達と合流し、森の中をしばらく進んでいると、小高い丘の麓の傾斜の急な斜面に、洞窟のような穴が開いているのが見えた。

 森の中で、木の葉の影が多いとはいえ、真夏なのでやはり昼は暑い。

 この洞窟に魔物とかが棲み付いてなければ、1週間程この洞窟を拠点にして、魔獣達に狩りをさせれば良いだろう。

 俺様の使役する魔獣達は50匹を超えているので、もし何か住んでいたとしても、それが弱い魔獣なら、そいつらも狩ってしまえば良いだろう。

 そう考えて、魔獣達を洞窟に入らせ、その後から俺様も洞窟に入った。

 100M(メタ)以上進んだだろうか。まだ何も見つからない。

 魔獣達の中には夜目の利くものが多いが、ここまで中に入って来ると俺様は何も見えないので、「照明魔法1」を使って辺りを照らす。

 僅かな明かりだが、無いよりはマシだ。

 それにしても、これだけ進んで終わりが見えないのは、余程深い洞窟なんだろうか?

 これ以上進むより、少し戻って、洞窟の入り口側と奥側の双方に魔獣達の見張りを置いて、交代で休憩するか、と考えた時だった。

 最古参で、今では使役している魔獣達のリーター格になっている犬が、急に一声吠えた後、俺様のすぐ近くに寄って来て、奥に向かって唸りだした。

 すると周りの魔獣達も周囲の警戒を始め、中には敵に気付いたのか、犬と同じように唸りだすものが現れた。

 俺様には何も見えないし、感じない。

 「照明魔法」はレベル2まで取っているが、レベル2は単一方向の狭い範囲は明るく照らせるが、その周囲は全く見えなくなるので、レベル1のままにしておく。

 しばらくは何も起こらず、緊張の時間が過ぎて行った。

「こいつらの気の所為じゃないのか?驚かせやがって!」と悪態をつく。

 俺様の言葉は魔獣達に正確に届いているようなので、俺が怒っているのが魔獣達にも理解できているだろう。

 そんなことを考えていると、奥の方で何かが動くのが見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。