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テンタ・モードン1-2

 入隊後、俺様は魔法部隊に配属になった。

 当然だろう。15歳で攻撃魔法を、しかも2種類も使える奴などいないだろう。

 先輩でも魔法を習得中の者が多く、隊長クラスでも実用的なレベルで1種類の魔法のみ使える者がほとんどだった。

 周りの者は皆俺様を羨むとともに、天才と称賛した。

 俺様もそれに応えるべく、自ら志願してでも隊の出征に付いていった。

 5,000年前の反省から、人族同士の戦争は起こらない。余程の馬鹿がいない限りは。

 では、軍は何を相手にするか。

 魔獣であり、魔物だ。

 魔物共が異常発生してハンター達の手に負えなくなった時、単体でもハンター達では敵わない強力な魔物等が現れた時、王国軍が派遣されて戦うのだ。

 元々ハンターとは儲けもデカいが、その分死亡率も高い職業だ。

 儲けがデカい分、過分な夢を見てハンターになる人間が多く、その分死ぬ人間も多い。その多くが男だ。

 そのため、この国に限らず、女に比べて男が少ないため、重婚が認められている。

 別に男に限って認められているわけではないが、生活を支えるだけの力や金を持つ男が複数の女を娶っていることが多い。

 それでも、少しでもハンターを減らすまいと、ハンターギルドから救援を求められた場合に、王国軍はすぐに対応できるように常に訓練している。

 そして訓練のために、軍はハンターたちが近寄らない(お金になる魔物共が少ない)場所で魔物共を相手に訓練を行う。

 他の部隊との合同訓練では、魔法部隊の者は後衛として前衛・中衛の補助や支援を行ったり、前衛が魔物共に攻撃を仕掛ける前の攻撃の第一波を放ち、敵を浮足立たせるのが役目だ。

 軍として動く時の役割分担なので、この時は俺様も勝手な行動はしない。力もなく、役にもたたず、怒鳴るしか能のない上官が怒って来るからな。

 しかし、魔法部隊だけの訓練の時は進んで前に出て、魔法で魔物共を狩りまくった。

 俺様にとってはS(スキル)P(ポイント)の宝庫だった。

 他の同期の奴らは、俺様のように攻撃魔法を放てない。

 いくら魔法に才能がある者を集めたと言っても、1種類の攻撃魔法がレベル2か3の奴ばかりなので、魔物共にダメージを与える術が無いのだ。

 軍からは、魔法部隊の者にも望んだ武器が支給されるので、その武器で魔物共を倒してSPを稼ぎ、それを魔法のスキルに回せば良いのに、腰が引けてなかなか敵を倒すことが出来ない。

 ハンターは、ある程度信用のおける者同士であればパーティを組むことが出来、攻撃に参加していようが、仲間の回復に徹して攻撃に参加してなかろうが、倒した魔物共のSPはパーティに参加しているハンター全員に均等に分割して与えられるらしい。

 しかし、軍と言う指揮系統の中で、たまたま命令によって集まった同じ隊の者を、命を預けるまで信用することはできない。

 よって、軍ではパーティは成立しない。

 なので、個々の力で魔獣共に止めを刺して倒さなければSPは獲得できないのに、それが出来ない。

 本当に役立たずの馬鹿ばかりだった。


 魔法部隊の中でも天才だ、エリートだと言われ続けた俺様は、どんどん力を付けて行くと同時に、周りからもチヤホヤされ続けた。

 18歳の時には、言い寄って来ていた女の内の1人と結婚し、次の年にはガキが生まれた。

 俺様の事を妬む奴もいて、俺様もそんな奴らは口に出して批判し馬鹿にしていたので、周囲との協調性を疑問視されていたのは知っていたが、部隊の中で出世するより自分が強くなる方が重要だったので、態度を改めることは無かった。

 俺様より早く分隊長や小隊長と出世していく者もいたが、魔法で俺様と並ぶことが出来る者は中隊長クラスまではいなかったため、俺様に何か言える奴はいなかった。

 それでも、25歳の時に分隊長に任命された。

 たった9名だが、初めて部下が出来た。

 こいつらを鍛えて強くすれば、軍の俺に対する評価も上がるだろうと思い、他の分隊よりは厳しい訓練を行い鍛えてやった。

 他の部隊より多く森に入り、まずは武器で魔獣共を倒すことによりSPを稼がせる。

 魔法を撃てる回数を増やすために「魔力量」に、少ない回数の魔法で敵を倒せるよう魔法の威力を上げるために「魔力」に、稼いだSPを使わせる。

 そしてまたSPを稼がせた後、使える攻撃魔法をレベル4まで上げさせる。

 ここまで来れば、魔法でどんどん魔獣共を倒せて、ますます強くなっていけるのだ。

 なのに、「もう無理だ。ついていけない」とか言って軍をやめる奴が何人も出てきた。

 根性の無い馬鹿ばかりだと思っていたら、軍は俺様に管理能力が無いと判断したらしく、28歳の俺様を降格にし、たった一人の遊撃隊として、その時その時で人員の足りない部隊の補助をさせられることになった。

 しばらくは我慢して付き合ってやっていたが、周りの馬鹿な奴らが俺様を馬鹿にしているのが分かるので、次第に不満は溜まり、毎日深酒をするようになった。

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