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ファルーサ・カイデン5-2

 さて、「水魔法4」を覚えた俺は、水を勢いよく発射することで魔獣等を倒すことが可能になった。

 イメージしたのは水鉄砲。ただし、水の射出口を1M(ミリ)M(メタ)の1/10程度まで細くし、射出の勢いを思い切り上げるために「魔力」をレベル5まで上げた。

 すると、一瞬だけ水をピュッと発射すれば、あまり距離の離れていない場所にいる大抵の魔獣の身体は貫けるようになり、素早くてそれが当たらない魔獣等には、水を射出し続けたまま左右なり上下なりに振って相手の動きを追いかければ、大抵動きに追いついて追い抜くことにより、相手を切断することができた。

 俺はこれを「ウォーターガン」、「ウォーターカッター」と名付けた。

 「ガン」が何を意味し、どうしてそんな言葉が思い浮かんだのかは解らないが、何となくしっくり来たのでそうした。

 離れた位置から魔獣等を倒せるようになった俺は、「火魔法」と「風魔法」をレベル5まで取って、「土魔法」と「水魔法」もレベル5まで上げた。

 これによって、今まで見つければ逃げていた魔獣等相手でも、見つけ次第、攻撃される前に魔法で倒すことが可能になった。おかげで、森の大分奥の方まで入ることができるようになった、

 もちろん、俺が見つける前に見つかって攻撃してくる魔獣等もいる。

 相変わらず俺は、不意打ちや、もう避けられないと思った敵の攻撃を目にすると、硬直して目を閉じてしまい、相手の攻撃を受けざるを得なくってしまう。

 そこで「生命力量」をレベル6まで上げて生命力総量を5,300程度まで上げると同時に、「物理防御」と「魔法防御」をレベル7まで上げて、この辺りの魔獣等には痛い思いをさせられることは無くなった。

 今日も城壁に着いたので、辺りを見回して誰もいないのを確認した後、「重力魔法3」で城壁の上まで浮かび上がって、城壁の外側に浮かび降りる。

 城壁の穴は、「合成魔法」をレベル4に上げた時にコンクリート(のような物)で埋めておいた。

 2年ほど前に王都の近くの森から、魔獣等によるスタンピードがおきたという話を聞いたから、穴が開いたままなのは不安だった。

 その時は、森全体の大きさがそれ程大きくなかったことから、王都に向かって来た魔獣や魔物は、数はいたが強さは然程でもなく、被害が大きくならないうちに治める事ができたらしい。

 ただし、普段は森の中央部にいるような強い魔獣等が森の外縁部まで移動してきていたために、原因の調査までは出来なかったらしい。

 もし我が領の近くの森でスタンピードがおこったら、城壁の穴から小さめの魔獣や魔物が入って来て、被害が拡大するかもしれない。

 そう考えて、「土魔法4」で石灰や石膏、砂や砂利を周囲の土から抽出し、「水魔法3」で生み出した水と「合成魔法4」で混ぜて、穴に詰めておいた。

 何日かして、乾いたかなと思った頃に、手で触ったり叩いたりして具合を見たが、硬そうだったので良しとした。

 もちろん、本当にコンクリートになっているか「なんちゃって」コンクリートなのかの判断がつかない俺がやるよりは、穴の存在を大人に伝えて対処を任せるという方法もあった。

 しかし、それをした場合、城壁の穴の場所で何をしていたのかを訊かれることになる。 

 その言い訳を考えるよりはさっさとやってしまった方が早いので、自分で穴を埋めた。

 という訳で、今は5M(メタ)程の高さの城壁を、誰にも見られないように「重力魔法3」で超えるしかないのである。

 さて、街の外に出たら森の奥に向かって1K(キロ)M(メタ)程全力で走る。

 途中、大蜘蛛(麻痺毒を持つ)や殺人蜂(風魔法を使う)、大ムカデ(体節のつなぎ目部分を軋ませて不快な音を発し、周囲のものを混乱状態に陥れる精神攻撃を使う)がいた。

 以前なら見つけた時点で逃げていたが、今では「攻撃」魔法一発だ。

 「エア・バッシュ」と名付けた「風魔法4」「圧縮した空気の塊を任意の方向に飛ばすことができる」や、「エア・カッター」と名付けた「風魔法5」「薄く圧縮した空気の刃を作り、任意の方向に飛ばすことができる」は大変有効だ。

 また、「土の槍」のみならず、「土魔法5」「取り出し成型した土、石、金属を、任意の場所に飛ばすことができる」で石を飛ばす「ストーン・バレット」や、圧縮した土を一番太いところでも10M(ミリ)M(メタ)程度の、先のとがった円錐状に加工して飛ばす「アース・バレット」もよく使う。因みに、どちらも回転させながら高速で相手にぶつけている。

 ただ、将来ハンターになった時に、大事な獲物の肉に余計な傷をつけないためには、「ウォーター・カッター」で首を刎ねるのが一番なんだろうと思う。

 だが、今は倒して、すぐに埋めて、先に進むのが優先される。

 そうやって森の中へ1K(キロ)M(メタ)程入ったところで、もう街を守る領軍の見張りからも見えないだろうと、再度「重力魔法3」で木より高いところまで浮いて、「風魔法3」「任意の方向から反対方向に風を吹かせることができる」により、さらに森の奥に向かって飛んでいく。

 普通に考えれば魔力量がすぐに底をつきそうな魔力の浪費だが、俺は「魔力量6」により魔力量総量が5,000を超えているので、こんな無駄遣いのような使い方でも、一日で半分減れば良いほうで、それも「魔力量回復速度向上」をレベル5に上げて、次の日の昼には魔力量総量は満タンに戻っている。

 それと、早くは飛ばない。早く飛べば飛ぶほど強く風を切ることになるが、まだ3の月。温かくなってきたとは言え、風はまだまだ冷たい。

 いや、「低温耐性」があるから実際には寒くはないんだけど、強く風を切って飛んでいると、何となく寒いような気がしてくるのだ。

 空を飛ぶと今度は、鳶や鷹、鷲と言った空を飛ぶ魔物達が、「俺たちの縄張りで勝手に何やっとんじゃあ!」とばかりに襲ってくる。

 動きが速いので普通の魔法では当て難いだろうが、「ウォーター・カッター」で動きの予想範囲をちょっと薙いでやれば、大抵は真っ二つになって落下しているので、落下地点に埋めれば終わり。

 SPがどんどん稼げる。今日も地上を走っている間に、大ムカデを1匹倒して埋めてきた。


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