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12/13

異世界から来たお嬢様たちは、生き抜く術を知らない。

私は間違いを犯した。


とんでもない間違いを。


3人の生徒を連れて行くことを決めてから1時間も経たないうちに、もうその意味が分かってきた。


「レン!」


「どうする?」


私は振り返った。


3人は私たちの数メートル後ろで立ち止まっていた。


エリザベスと私は穏やかに歩いていたが、彼女たちは…


まあ。


彼女たちはできる限りのことをしていた。


「泥だらけ」と金髪の少女が言った。


私は地面を見た。


「ああ」


「かなり」


「森だからね」


「でも、私の靴が…」


私は足元を見た。


彼女は黒い制服の靴を履いていた。


すでに泥だらけだった。


「靴がどうしたんだ?」


「ダメになっちゃう」


「…」


私はエリザベスを見た。


エリザベスは目をそらした。


「笑わないで。」


「何もしてないよ。」


「君のこと知ってる。」


金髪の少女は、まるで溶岩の川でも見るかのように、小さな泥の塊を指差した。


「他に方法はないの?」


「もちろん。」


彼女の目が輝いた。


「本当?」


「引き返して、何時間も歩いて、別の道を見つけるかもしれない。そして、怪物に襲われないことを祈るしかない。」


沈黙。


少女は泥を見た。


それから森を見た。


最後に再び泥を見た。


「私なら大丈夫だと思う。」


「いい判断だ。」


彼女は一歩踏み出した。


ザブン。


「ああああ!」


「何が起きたの?!」


「水しぶきがかかった!」


私は目を閉じた。


今日はとても長い一日になりそうだ。


すぐに、私たち二人の間に大きな違いがあることに気づいた。


私はレグノスに何も持たずにやって来た。


何週間も洞窟で寝泊まりしていた。


火の起こし方を覚えた。


水の探し方を覚えた。


危険を察知する方法を覚えた。


戦う方法を覚えた。


魔法を使う方法を覚えた。


彼女たちは…


裕福な家庭の子弟が通う私立学校の生徒だった。


だからといって、彼女たちが悪い人間だというわけではない。


むしろ正反対だ。


彼女たちはとても感じが良かった。


問題は、彼女たちの困難な状況に対する認識が…


違っていたことだ。


全く違っていた。


「彼女たちに名前をつけなきゃ」と私は言った。


黒髪の少女は眉をひそめた。


「私たちには名前があるわ」


「だからこそ聞いているのよ」


彼女は自分を指差した。


「黒瀬茜」


金髪の少女は微笑んだ。


「西園寺深雪」


茶髪の少女は軽くお辞儀をした。


「橘遥。」


「蓮。」


茜が私を見た。


「それはもう知ってるわ。」


「礼儀として言ってるだけよ。」


エリザベスが頭を下げた。


「エリザベス。」


美雪が微笑んだ。


「制服、すごく素敵!」


エリザベスが瞬きをした。


「私の制服?」


「ええ。デザイナーブランド?」


「…」


私はエリザベスを見た。


彼女は私を見た。


「ええと…」と彼女は答えた。「厳密に言うと、オリジナルデザインなの。」


「やっぱり!」


美雪の目が輝いた。


「いくらしたの?」


「タダ。」


「タダ。」


「タダ?」


「蓮様が作ってくれたの。」


沈黙。


私は凍りついた。


エリザベスも。


茜が私を見た。


遥が私を見た。みゆきが私を見た。


「あなた…作ったの?」


エリザベスは無邪気に微笑んだ。


「私の服よ。」


「服の話してる!」


エリザベスが私を見た。


「もちろん。」


私は目を細めた。


彼女はわざとやったのだ。


私は確信していた。


「じゃあ、服のデザインができるのね」とみゆきが言った。


「まあ、そこまでじゃないけど。」


「制服直してくれる?!」


「え?」


3人は私を見た。


「私の制服、破れてるの!?」


「ブレザーのボタンが取れてるの!」


「靴が汚れてるの。」


私は手を上げた。


「待って。」


沈黙。


「私は魔法を操れるの。コインランドリーじゃないわ。」


エリザベスは指を一本立てた。


「技術的には、掃除プログラムを作ることもできるわ。」


私は彼女を見た。


「彼らを煽らないで。」


「ただ可能性を指摘しただけよ。」


美雪は両手を組んだ。


「掃除魔法?」


―いや。


―お願い?


―いや。


―蓮…


―ダメ!


続けよう。


15分後:


―喉が渇いた。


―水を飲もう。


私は即席の容器を彼女に手渡した。


美雪はそれを見た。


―これは何?


―水。


―容器のこと。


―木で作ったんだ。


彼女はそれを調べた。


―これ…消毒済み?


―…


―美雪、―茜が言った。


―何?


―飲んで。


―でも―


―飲んで。


みゆきは一口飲んだ。


目を見開いた。


―新鮮!


―水だ。


―味が違う!


―300円のボトルじゃないから。


みゆきは驚いた顔で私を見た。


「どうして私の水の値段を知ってるの?」


「やっぱり!」


はるかはおずおずと手を挙げた。


「いつも500円のボトルを買ってるの。」


私は立ち止まった。


「何が入ってるの?」


「特別なミネラル。」


「ただの水よ。」


「アルプスの水。」


「それでも水よ!」


エリザベスは口元を手で覆った。


「また笑ってる。」


「ちょっとね。」


本当の試練は、食料を見つけた時に訪れた。


エリザベスは茂みのそばで立ち止まった。


「このベリー、食べられるよ。」


茜は一つ摘んだ。


「本当に?」


「もちろん。」


遥は茜を見た。


「オーガニック?」


私は固まった。


エリザベスも。


「遥。」


「何?」


私は両腕を広げ、森全体を指差した。


「ここは自然の真ん中よ!」


「ああ。」


彼女はベリーを見た。


「じゃあ、そうね。」


「オーガニックってどういう意味だと思ってたの?!」


茜は笑い出した。


「笑わないで」遥は抗議した。


「野生のベリーがオーガニックかどうか聞いたでしょ!」


「確認したかっただけ!」


美雪も笑っていた。


「水が殺菌されているかどうか聞いたでしょ」遥は言い返した。


美雪は笑うのをやめた。


「それは違う。」


「どういうこと?」


「水にはバクテリアがいるかもしれない!」


「それに、ベリーには虫がいるかもしれない!」


二人はベリーを見つめた。


沈黙。


そして、二人は同時にベリーを置いた。


「…」


私は手を…

正面。


エリザベスが近づいてきた。


「蓮様。」


「だめだ。」


「何?」


「何を言おうとしているのか分かってるわ。」


「ただ、大丈夫かと聞こうと思って。」


「だめだ。」


「分かってる。」


しかし…


全てが悪いわけではなかった。


歩き続けるうちに、私は彼女たちをもっと注意深く観察し始めた。


みゆきは世間知らずだった。


本当に。


でも、彼女は誰に休む必要があるかと真っ先に尋ねた。


はるかは内気で用心深いように見えたが、どうすればいいのか分からなくても、助けようとしていた。


そして茜は…


茜はプライドが高かった。


でも、彼女は明らかに他の二人のことを気にかけていた。


みゆきが転んだ時、彼女は彼女を支えた。


はるかが物音に驚いた時、茜は彼女のそばを歩いた。


おそらくそれが、彼女があの盗賊を蹴った理由だろう。


彼女は自分のことを考えていなかった。


友達に触ろうとした時、彼女は反応した。


彼女たちは役立たずではなかった。


ただ…


「完全に場違いだ」と私は呟いた。


エリザベスが私の隣を歩いていた。


「あなたが初めて来た時みたいね」


その言葉に私は黙り込んだ。


彼女の言う通りだった。


初日、私は火の玉をプログラミングしようとして、叫びながら走り回っていた。


違いは、私にはコンソールがあったということだ。


彼女たちにはなかった。


少なくとも、そうは見えなかった。


「私たちが教えなきゃいけないみたいね」


「私たちが?」


「ええと…」


私は彼女を見た。


「あなた」


「レン様」


「わかった。私たちで」


エリザベスは微笑んだ。


日が暮れ始めた頃、私たちは小さな空き地に着いた。


「ここで野営しましょう」


三人の少女は立ち止まった。みゆきは辺りを見回した。


「ここ?」


「うん。」


「どこで寝るの?」


私は地面を指差した。


「あそこ。」


三人は凍りついた。


「…」


「…」


「…」


最初に口を開いたのはあかねだった。


「地面で?」


「うん。」


はるかも辺りを見回した。


「宿屋はないの?」


冗談だと思った。


彼女の表情から、冗談ではないことが分かった。


「はるか。」


「何?」


「周りを見て。」


彼女は従った。


木々。


木々。


さらに木々。


「宿屋は見える?」


「ない。」


「それが答えよ。」


みゆきが手を上げた。


「トイレは?」


「森の中。」


「シャワー?」


「川。」


「お湯は?」


「…」―火。


―ベッドは?


―床。


―枕は?


―リュックサック。


―個室は?


―木!


エリザベスはついに笑いをこらえきれなくなった。


茜も。


みゆきは頬を膨らませた。


―そんな言い方しなくてもいいのに。


―私たちの状況を説明しようとしてるの。


―もっと優しく言ってよ。


―私たちは異世界に迷い込んだの。


―わかってる。


―盗賊に襲われたの。


―それもわかってる。


―一番近い町がどこにあるのかもわからない。


―うん…


―じゃあ、五つ星ホテルのことは一旦忘れよう。


みゆきはうつむいた。



―星3つでいいよ…


―みゆき!


みんなで笑い出した。


みゆきも結局笑ってしまった。


エリザベスが夕食の準備をしている間、私はちょっと確認することにした。


「あなたたち3人。」


女の子たちは私を見た。


「明日は早く出発するわ。」


茜が眉をひそめた。


「歩き続けるため?」


「それとね。」


私は微笑んだ。


「でも、まずは基本的なサバイバルスキルを身につけるわ。」


3人は黙り込んだ。


「何?」


「火を起こす。」


「魔法で?」みゆきが尋ねた。


「違う。」


「ライターで?」


「ライターは持ってないわ。」


「じゃあどうするの?」


私は彼女に2つの石を見せた。


彼女の表情は最高だった。


「違う…」


「そうよ。」


はるかが手を挙げた。


「魔法を使えないの?」


「もちろん。」


私の指先に小さな炎が現れた。


三人は興味津々でそれを見つめていた。


私は炎を消した。


「でも、あなたは使えないのよ。」


「ずるいよ」と深雪は抗議した。


「レグノスへようこそ。」


茜は微笑んだ。


「覚えるわ。」


「完璧。」


遥はためらった。


「難しいの?」


「最初はね。」


深雪は石を見つめた。


「もし手を怪我したら?」


「大丈夫よ。」


「どうしてわかるの?」


「だって、私が生き延びたから。」


彼女は大げさにため息をついた。


「父がこんなことを許すはずがないわ。」


「あなたのお父さんはここにいない。」


沈黙。


三人の表情が変わった。


しまった。


思ったよりひどい言い方になってしまった。


「ごめんなさい。」


みゆきはゆっくりと首を横に振った。


「大丈夫よ。」


彼女は火を見つめた。


「ただ…」


彼女はかすかに微笑んだ。


「戻ったら、この件で誰かクビにすると思う。」


「誰を?」


「分からない。」


「じゃあ、なんでクビにするのよ!?」


あかねは吹き出した。


はるかも笑った。


みゆきは心底困惑した様子だった。


「うちの父は怒るといつもああいう風になるの。」


「なるほどね。」


「ちょっと!」


エリザベスが私たちの前に料理を置いた。


「夕食よ。」


三人は皿を見た。


それからエリザベスを見た。


みゆきはおずおずと手を挙げた。


「デザートはありますか?」


エリザベスは微笑んだ。


「ベリーです。」


美雪は顔色を青ざめた。


「虫のいるやつですか?」


「虫がいるとは言ってません!」


その夜、私はあることに気づいた。


異世界から来た3人の少女を守るのは、モンスターがいるから難しいと思っていた。


盗賊がいるから。


レグノスの未知の危険があるから。


私は間違っていた。


制服を汚さないように食べようと必死な美雪。


皿代わりに使っている葉っぱが衛生的かと尋ねる遥。


煙ばかり出しているのに、火のつけ方を知っていると主張する茜。


そして最後に、私の苦労を少しばかり楽しんでいるように見えるエリザベス。


私はため息をついた。


「影狼、魔法、モンスター…」


エリザベスは私を見た。


「蓮様?」


「何もない。」


私は新しい仲間3人を見た。


本当の

課題は、彼らに家事手伝いなしで生きていく方法を教えることだった。

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