その26 真紅の左目に映るもの
セイは次に進むため、知識を欲した。
そもそも転生前の知識に無かった”魔力”について正確に知るため、セイは専門家である魔技師の元を訪れる。しかし未知の知識を受け入れるのは少女にとって難しかった。
だが…そんな最中、セイの視界に何かが映る。
真紅の左目に映ったものは。
セイは今、エリオン工房街の外れにやって来ている。
「セイちゃん、貴女が魔法や魔動機に興味を持ったのは正直意外だったわよ?でも頼まれた以上はアタシがちゃんと教えてあげるわね♪」
ここはペトリエの友人だという魔技師ゴルクの工房の裏手だ。
祭壇攻略の為に魔法を学ぶことにしたセイは、司祭ランティの勧めでエリオンの魔技師にいろいろと話を聞くことにしたのだ。そうして選んだのが、既にセイとも面識のあったゴルクだった。
ここは、工房裏の物置きスペースだ。
セイはともかくミカハチが目立つため、人目がある場所でやると野次馬が集まってしまう。既にここまで来るのに注目を集めてしまったため、今は物置きを閉め切ってなんとかしている。セイは物置きの外から、野次馬の気配を感じている…。
「ゴルクさんごめんなさい、やっぱり人が集まっちゃった。あたし達目立つから…」
『悪いな兄さん、俺等は離れられないからよ』
「まあ良いわよそこは」
そもそも魔技師として、ゴルクは護送機に興味があるようだ。今回の依頼を快諾してくれた彼は、セイが預けた蒼焔杖を手元で弄っている。
「それ、やっぱり傷んでる?」
「ええそうね…セイちゃんこれ、乱暴に扱ったでしょ?細かい傷が多いし、それにちょっと銃身が歪んでるわよ?」
「あー…乾坤の祭壇を目指している時に、これ担いで密林の中を走ったんだよね…」
「たぶんそれね、まあアタシにできる範囲で直してみるわ。だけどこれ…やっぱり良くできているわ、今のエリオンの技術じゃこれを作るのは不可能ね。先端に付いている核の“龍眼”だって、この純度のものはエリオン近郊じゃ採れないと思うんだけどなぁ」
興味津々で蒼焔杖を見ているゴルクは満面の笑みだ。
しかし…セイはさっそく聞きなれない単語に首を傾げる。
「龍眼…ミカハチは知ってる?」
『いや、知らねぇ』
「あ、ごめんね置いてっちゃって」
そういうとゴルクは、セイから預かった蒼焔杖の先端を撫でながら楽しそうに笑む。
「じゃあ始めましょうか、魔法の授業を」
「じゃあとりあえず、一般的な所から簡単に話すわね。分からないことがあったら都度聞いてね?」
ゴルクが机を用意し、そこに配線や謎の道具を並べている。
セイは借りた椅子に座り、いい子にその講義を聞いている。
「この星で広く使われていた動力は、電力と魔力の2つね。詳細説明は省くけど…瞬間的な出力に優れるのが電力で、安価で比較的容易に供給できるのが魔力ね。ちなみにエリオンでは主に魔力が広く使われているわね」
セイは感覚的に電力が理解できたので、たぶん元の世界でもそちらが使われていたのだと想像する。しかし魔力の方は、使ってはいるらしいが全く理解できていなかった。
「魔力…何かわかんないけどあたし使えてるよね。何なんだろう、これ」
「大抵の生物は魔力を持っていて、人間は特に強いからそれを出力することができるの。生物が死んだらもう発生しないから“魔力は魂そのもの”とも言われるけど、旧世界で行われてたその辺の研究は…まあいいわよね」
こういうのを話すのが好きらしいゴルクは、放っておけばいくらでも話していそうだ。しかし神徒を前にしている手前、そういうのを自重しているのが見て取れる。
「五国では電力も使われていたらしいけど、あれには大規模な専門施設や化石資源が必要になるから、今のエリオンには適さないの。ただ…マキエスでは魔力が忌避されているから、昔作られた風力や潮力の発電装置を使っているみたい」
「そうね、マキエスでは魔法の道具をぜんぜん見なかったな」
「あの村では魔法技術全てが、祭壇ごと憎まれてる感じかしらね…まあ気持ちはわかるけど」
セイはマキエスのどこかで風車を見た記憶を、なんとなく思い出す。
「あんなのでもそんなに電気を作れるのかな?」
「あそこ、そもそも電気で動かす道具すら少ないからね。でもこのエリオンは違う」
ゴルクが部屋の壁にある謎のボタンを押すと、部屋の明かりが付いたり消えたりする。それが電力か魔力か、セイには判別ができない。
「魔力は全ての人間が持っているけど、消耗するとしばらく使えなくて疲れたりもする。休んでいれば回復はするけど、道具を動かすには不十分なの。まあ神徒である貴女は、生まれ持った魔力が人間の比じゃ無さそうだけどね」
「え、そうなの?ペトリエもスーマも、ヴォンダーンで魔法の武器を使ってたけど」
セイはヴォンダーンでの戦闘を思い返す。
あの2人は自前の武器を存分に振り回していたようにも見えたが…?
「そういうのは大体魔力を蓄積する装置を付けているからね、それが切れたら実質弾切れ。ちなみに旧世界やヴォンダーンの武器は火薬を使っているのが多いけど、エリオンでは火薬製造が難しいし、弾にする鋼材すら惜しいしねぇ」
「魔力は、そういう資源を消耗しないの?」
「電力と比べて魔力は出力が低い分、資源消費の面では優れているわ。だからこそエリオンでも使われているんだけどね」
「その魔力を作るのが“魔力炉”…」
ミカハチが過去に何度も口にしたその言葉。
これこそが、ある意味“祭壇”を理解するために必要な知識だった。
セイはゴルクに促され、彼の工房の奥に行く。
そこには…何やら巨大な装置が鎮座していた。
「これが魔力炉…魔力を生み出す装置ね」
その装置からは、妙な匂いがしている。
熱さは感じない。
硝子製の小窓の中には…妖しい紫の光が見える。
「魔力を生み出す装置…どういう原理なの?」
「魔力炉には2種類あってね、一つは自然光や熱を使うものね。この原理は電力に近いけど出力は弱くて、でも代わりに蓄積が容易なの」
「むー…」
もう既に理解が追い付かないセイ。
ゴルクはその様子を見て、頭を悩ませる。
「まあ、これはそんなちゃんと理解しなくても良いわよ」
『ちなみに俺に搭載された魔力炉は自然光由来だぜ』
「あら、そうなのミカハチちゃん?」
『兵装運用にはセイの魔力を貰ってるけどな』
「へー、生体由来かぁ。旧世界ではそういう家畜を遺伝子改変して生み出そうとしてたとか何とか記録もあるけど、神徒の身体ってホント謎よねぇ」
「…」
もうセイにはついて行けない。
今後に必要な知識と分かってはいるものの、全てを理解するのは前途多難そうだ。
「もう一つの魔力炉が重要ね、セイちゃんもこっちを聞きたいんじゃないかしら?」
早速話に付いて行けなくなったセイを気遣って、ゴルクは何とか簡単に話そうと努力してくれているようだ。
「魔力炉の中には、“魔石”やそれに相当する魔法資源を媒体にする魔力炉があるの。それらは魔力の元を含有していて、魔力炉で増幅して抽出するのね」
「魔石…」
「そ。これ」
ゴルクが棚から取り出したのは、透明感のある深い藍色の石だった。試しにセイはそれに触れるが、魔力を感じることは無かった。
「なんだろう、これ…」
「うふふ。それ自体に魔力は無くてね、特殊な装置で反応させると魔力を生み出すの」
「ふーん?」
セイは改めて魔力炉の小窓を除く。
確かに装置の中には、藍色の石が複数納められている。しかしそれらは、セイの持つ蒼炎杖の先端に付いている赤い石とは違うようだが…。
「あたしの杖の石と違うね」
「だってセイちゃんの杖のやつは龍眼ですもの」
「龍眼…」
「魔力に何かしらの属性を与える鉱物が龍眼と呼ばれているのよ。あ…ホントに龍の眼なんて事は無くて、大昔に“魔法の祖”として信仰されていた伝説生物の龍にちなんでそう呼ばれているだけだけどね」
「なるほど…」
ゴルクの龍眼に関する説明を、セイは話半分で聞いている。
彼女の興味はやはり、目の前の魔力炉にあった。
「大昔はこれが主流で、自然界で採掘できる魔石を使って魔力を抽出していたの。だけど旧世界では作り人工の合成魔石が主流で、五国でもそれらが使われていたそうよ。まあ、エリオンにはそんな技術も設備も無いから、各地から集めた天然魔石をこうして使っているんだけどね」
魔力炉の話を再開するゴルクだが、セイはここを一番知りたかった。
「ねえゴルクさん」
「あらセイちゃん、質問は大歓迎よ♪」
「祭壇って、アレどうやって動いているの?」
これは、ずっとセイが思っていた疑問。
常識外の現象を引き起こし、広範囲に影響を与える…今までの話を聞く限り、電力に劣る筈の魔力でそんな芸当ができるのは異常な事なのだろう。
そして、ゴルクの回答はセイの想像通りだった。
「祭壇には必ず赤黒い液体で満たされた器が付いているそうね。どうやらあれが、祭壇の核になっている特殊な魔力炉らしいのよ」
セイは今まで見た3つの祭壇を思い返し、首を傾げる。
「確かにそんなだったね、でも中に入っていたのは…少なくとも魔石じゃなかった。あれは何だったんだろう?」
「さあねぇ、それがわかったらエリオンの技術に革命が起きるわね。一体あれは、どんな媒体を使っているのかしら?」
異常な効力を発揮し続ける、謎の設備“祭壇”。
それを動かす動力の異常性を、セイは改めて認識する。
『セイ、ちったぁ覚えられたか?』
「いやミカハチ、あたしやっぱ勉強苦手だったかも」
ゴルクの魔法講義を聞いた後、セイはエリオン湖畔までやって来ていた。ここはエリオンの町からそこそこ遠く、人目のないここでセイはだらしなくミカハチの小屋の上で大の字になっている。
セイの感覚だと…セイの転生前の世界には魔法がそもそも無かった、気がしている。故にこうして魔法の話を聞いてもその原理などが全く頭に入って来なかったのだと感じていた。
セイは不満そうに、寝そべったままミカハチを足蹴にする。
「ねえミカハチ、あんたは何で魔法の事をちゃんと理解しているのよ?あんたが本当に7人目の神徒だったなら、あんただって他の世界から転生してきたんじゃないの?」
『知らねぇよ、俺が魔法で動いているからじゃねぇか?』
「ふーん…」
セイは、先刻のゴルクとのやり取りを思い返す。
『セイちゃんごめんね…確かにペトリエのお父さんであるワシュラはアタシの師匠だったけど、あの人基本的にペトリエと同じで一人で活動してたのよ。トルトワゴで何をしてたとか、7人目の神徒と会ったことがあるとか…その辺はわかんないわねー』
以前“乾坤の祭壇”の施設で見つけた探索師ワシュラの手記。
ゴルクがその人物の関係者だという話を覚えていたセイは、手記の詳細が聞けるのではないかと思ったのだ。しかし残念なことに、ワシュラという人物はどうやらかなり自由奔放だったようだ。
「あーあ、詳しい話が聞けたら面白かったのに」
『しゃーねーよ、賢人の噂は地道に探ろうぜ』
「いや、それだけじゃなく…7人目の神徒の話も聞けたらよかったのに、ってね」
セイは…ミカハチの中身の事を知りたかったのだ。
セイは起き上がり、ミカハチ本体の上に飛び乗る。
しかし、応じるミカハチはぶっきらぼう。
『…前にも言ったろ、死人の俺に拘んな。セイは使命を最優先しろよ』
「だって、あんたが記憶を取り戻したら色々楽かも?って」
『変わんねぇよそんなの。そもそも俺がその“前の神徒”かどうかもわかんねぇのによぉ』
「きっとそうだって」
『全く…。あとな、お前も気付いているかもしれねぇが…俺がもし本当に7人目の神徒なら、聖地はお前にとって危険だ』
「え、そうなの?」
『俺はこうして電脳器にされたがよ、コレは生きている奴しか素材にできねぇ筈だ。だからセイの仮定が正しい場合…7人目の神徒は聖地に辿り着き、そこでバラされて電脳器に加工されていることになる』
「うげー…じゃあ行くときは大勢で行こっか」
『気楽だな、お前』
「ふふ、まあ…あたしにはあんたがいるからね」
『俺を過信すんな』
ミカハチの不愛想な対応も気にならない。
セイはこの機械の中にいる者との絆を確かに感じている。
それは突然だった。
セイの視界に、全く別の場所が映る。
エリオン湖畔のどこか、木の多い場所。
湖のすぐ傍だ。
その視界の遠く…護送機と、その上に居るセイが見える。
「なっ!?」
セイは飛び起きる。
その勢いで体勢を崩したセイはミカハチの頭部から落ち、それをミカハチが腕で受け止めてくれた。
『おい、急にどうした』
「いや今、一瞬…」
『…?』
「なんか、別の場所からの風景が見えた。しかもそこからあたし達が見えた」
『は!?なんだそれ!』
セイは突然見えた謎の視界を思い返し、その視点であろう方角を睨む。
「…方角はたぶんあっち、行こうよミカハチ」
『ああ、警戒はしておけよ』
セイはミカハチの腕から降り、自らの足でエリオン湖畔を歩いて行く。
湖畔を進み、それらしい場所に辿り着いたセイとミカハチ。
そこには、湖を見ている人間が居た。
「やあセイ、やっぱり来たね」
そいつは…浅葱色の髪に色付きゴーグルの子供。
セイの前に度々現れる謎の子供、オルミラだった。
この不可解な状況に、セイは流石に渋面になる。
「…は?なんであんたがここに居るのよ」
「僕がどこに居ようが、それは僕の自由だよ」
(どういう事…?)
状況が全く分からない。
確かに脇にはいつもオルミラが乗っている三輪のごつい乗り物があり、焚火などもあることからここで野営をしていたらしいが…。
セイはこのおかしな状態を全く理解できなかった。
しかし、当のオルミラはそんなの関係無しだ。
呆気に取られているセイをよそに、楽しそうにミカハチに近寄る。
「君、喋るらしいじゃん。聞いたこと無いよ話す護送機なんて」
『お前…何なんだ?』
「僕はオルミラだよ」
『…』
しかし、ミカハチは妙な感じだ。
彼は少し黙り…躊躇いがちに告げる。
『俺はたぶん、お前も知ってる』
それは、セイにとって驚きの言葉。
オルミラも驚いたようで、首を傾げる。
「君が…僕を?」
「え、でも…あっ」
セイは記憶を手繰り寄せ、気付いてしまう。
そういえば確かに…雪原でセイが初めてオルミラと会った時、ミカハチはオルミラの名を登録などしていなかったのだ。
『その胡散臭い雰囲気、記憶にある』
「僕は君みたいなごつい機械の知り合い居ないけど」
『なんだとテメェ、俺も元はたぶん普通の人間だぞ』
「…?」
オルミラはさらに首を傾げる。
もう体ごと傾いている。
「変なの。君の喋り方、7人目のあの子に似てる」
セイは、絶句する。
「7人目…?」
「うん、そうそう。とても優秀な神徒だったね、彼なら使命を果たすんじゃないかと思ったんだけどなー」
『お前、一体何歳なんだ…?前の神徒が現れたのは確か20年前だぞ』
「あはは、気にしなくていいよー」
『…』
ただでさえ魔法講義で頭がいっぱいだった今日のセイは、追加されていく新たな情報にさらに混乱するばかりだった。
その時、セイの首輪から小さな声。
『おいセイ、オルミラの色眼鏡を奪え。ズラすだけでもいい』
「…?」
ミカハチの急な提案。
意図がわからない。
しかしセイは、ミカハチを信じて反射的に動いた。
セイは素早く踏み込み、オルミラの色付きゴーグルに触れる。
そして…ひったくるのもアレなので、それをオルミラの首元まで引き下げた。
現れたのは、オルミラの真紅の双眸。
細い虹彩は人間の物ではない。
そしてそれは…セイの左目とほぼ同じだった。
「うわっ、急になにすんの」
「あ、あんたのその目…!?」
「あれ、君よく気付いたね。そこまで鋭いと思わなかったけど」
「…何でその目、あたしのと似てるの…?」
顔が露になったオルミラは、だいぶ幼い印象だ。
よく見ると女子らしい。
そして彼女は、とても楽しそうにしている。
「さあ、何でだと思うセイ?」
(ま、まさかこいつ…)
セイは恐る恐る、今までの積み重ねからその答えを絞り出す。
「神徒関係に詳しくて、前の神徒を知ってるくらい生きてて、その目…まさかあんたのその身体も、聖地で作られたものなの…?」
オルミラが、笑顔を咲かせる。
「凄いね君、鋭い!この身体も聖地の技術の賜物さ。魔力は弱いけど、長持ちはする…まあ僕にとって、こんな体は不本意だけど。ちなみに僕はこの体で長いから、神徒の視界が見えちゃうんだよねー。さっきは逆に僕の視界を君にあげたの」
「は?あ、あんたが今まであたしの居場所を知っているかのようにやって来たのって、つまりそういうコト!?」
「まあねー」
飄々としたオルミラ。
セイは、眩暈を覚える。
「…あんたは一体何なのよ?」
「教えないよー、僕に得ないもん。でも僕はずっとずっと神徒の味方さ、そうだろう護送機くん?」
『あ、ああ…そうだった筈だ』
「じゃあもうそれでいいよね」
笑顔のオルミラ。
結局その後、何を聞いてもオルミラははぐらかすだけだった。
散々オルミラを詰問した、セイとミカハチ。
しかし暖簾に腕押しで全く収穫も無く、セイは疲れて溜息を吐く。
「はぁー…あたしの視界にまで干渉して、あんたは一体何しに来たのよ?ミカハチと喋りたかっただけ?」
「まさか。君に伝えたいことがあったのに、僕は人間が嫌いだからエリオンの街に近付きたくなくてさ。こうしたら来てくれるかなーって」
「伝えたいこと…」
「そう、君にとって有益な情報さ。僕の言う通りにすれば、君は確実に使命を達成できるんだから」
『何だと?』
オルミラは自信満々な笑顔で、ズラされたゴーグルを元に戻す。
「この先、君達を脅かすような強い敵はいないよ。君達の前にこれから現れるのは全て祭壇に支配されたただの人間だけだから、邪魔なそいつらを皆殺しにしながら進めば簡単さ」
軽い口調で放たれたその言葉は、セイにとって信じ難いものだった。
「み、皆殺し…!?」
「そうだよ、簡単だろう?君達強いし」
「いやだって…そ、そんな事できる訳ないでしょ!?」
激昂するセイに対し、オルミラは心底不思議そうにしている。
「え、何で?君は元の世界に帰れるんだからさ、ここで何をしようが関係無いよね?いいじゃんやっちゃえば」
「嫌よそんなの!いくらあたしだって、そんなことしてまで生き返りたくは無いわよ?」
「変なのー、前の7人目も同じこと言ってたよ」
「…」
言葉は通じるが、価値感が違い過ぎる
セイは眼前に居るこの子供が、何か異質な生物に思えてならなかった。
お付き合い頂いている方々に感謝を。
エリオンもぼちぼち秋でしょうか。




