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サポートキャラに悪役令嬢の魅了は効かない(その後の小話集)  作者: 宇和マチカ
魅了された者達の事件

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155/156

意外にも、オバケがお嫌いらしいわ

お読み頂き有難う御座います。間が空き、お待たせして申し訳御座いません……。

漸くコレッデモンですね。

 あの後……。

 滅茶苦茶時間を掛けて色々有ったわね。

 一日だけお出かけ出来ることになったわ。

 五時になったら義兄さまが迎えに来るという……条件付きで。


 ……まあ、面倒だけれど強引に連れ帰りに来るよりいいのかしら。

 まあ何時もの事だけれど、義兄さまの常識に対する期待値が低いわよね……。

 偶にはいいところも有るには有るのだけれど、パッと思いつかないな……。あ、部下には優しいわよね。子供達……とは何か張り合ってて大人げないわね。

 ……いいところ……ううむ……。


「今日は! アロンさん!」

「あら、フォーナ」


 集合場所はコレッデモン大使館だったのだけれど、ルディ様とサジュ様の他に、フォーナが居たわ。

 うーむ、あんなに飛び跳ねて手を振るだなんて、相変わらず元気な可愛らしいヒロインよね。


 私がやると、足を捻るか裾を踏みそうだわ……。最近、出来そうな範囲で体幹を鍛えているけれどなあ……。焼け石に水ではありそうだけれど、しないよりはマシよね。


「ふっえええええ!?」

「おっ、大丈夫か?」


 だけれど、フォーナもコケかけてサジュ様に救われているわ……。そうだったわ。運動神経いい割にドジっ娘だったわね。


「よ、良かったわ、フォーナ!」

「す、すみませえええん!」

「来たか、アローディエンヌ」

「ルディ様。私が一番最後でしたのね、お待たせして申し訳ありません」

「時間前だし構わんぞ。どうせアレキに邪魔されたのだろう」


 うっ、バレているわ……。

 そうなのよね。滅茶苦茶邪魔されたのよね……。


「ふええ、アロンさん今日は。サジュさん有難う御座います」

「いーっていーって。気にすんな。義妹殿も昨日ぶりだな」

「ええ、いいお日和で。

 サジュ様、レトナ様はどちらにお出でで?」


 今日も大使館にお泊りではなかったのかしら。まさか、お先に出られたとか……?

 お知り合いになって間もないけれど、キャラ的に先行為さりそうでは無いわよね……。まさか、有事が有ったりしたのかしら?


 んん?

 あの……おにぎりのような……というかそのものな石のオブジェ……。

 あんなにお花咲いてて、優雅に絡んでたかしら? 這わせる棚も無いのに、細かい白いお花が垂れ下がっていて、まるでお花のカーテンね。

 美しいわ。

 ……ええと、おにぎりのオブジェが無きゃ、もっとファンタジーなんだけれど。


「んもぉ! 私はぁ、馬車じゃなぁいのよぉ!」

「ご苦労、ミニア」

「うおっ、ミーリヤ様」


 華やかなお花のカーテンを優雅に払って出てこられたのは、なんとミーリヤ様!

 え、何。こんなメルヘンな感じで現れられるの?

 凄ーい! 美女がお花のカーテンを潜って現れるなんて素敵! 感動しちゃったわ。

 とっても乙女ゲームみたい!

 私もこういうメルヘンな魔術、使えたら良いのに!

 でもまあ、顔面偏差値が違うからな……。後、属性も違うし……。

 そもそも水属性でメルヘン魔術……思いつかないわね。


「ミーリヤ様、お美しいですわ。お伽噺のよう!」

「はわあ、綺麗ですね! お花の天幕ですか! こんな素敵な魔術初めて見ました!」

「まぁ可愛い子達ぃ! ありがとぉ!

 ほらぁ! ルディちゃぁん! 聞いてるぅ?

 こういう反応がぁ欲しいのぉよぉ!」

「そういうのを僕に期待しないで欲しいんだぞ。

 アローディエンヌとフォーナの称賛で充分だろう」

「つべこべ言わず、褒めなさいよ!」


 ああ、夫婦喧嘩が始まってしまいそう。困ったわね。それにしても、可愛らしい理由でモメておられるからちょっと止めにくいわ。


「ミーリヤ様、僭越ながら……。そのお美しさはルディ様も重々ご存知ですわ。

 だって、ずっとミーリヤ様を見つめておられますし」

「そぉかしらぁ……」

「まあ、眼前にいるから目には入るんだぞ」

「いや、ルディ様! 其処でそーゆーの、多分マズイっすよ!」

「そもそも、ミニアこそ僕の見目を気に入っているから結婚したのだろう? 好みが合致したのだから良いではないか」

「なっ……んもぉ!」


 あら、風向きが変わったかしら。ちょっとじゃれ合い的なオーラが溢れてきたような……。

 ……と言うと、さっきまで殺伐系の夫婦喧嘩だったのかしら。あ、よく見たらサジュ様の額に滅茶苦茶汗が光っているわ。爽やか……いえ、私ったら空気読めてなかったのね。


「……義妹殿、良い補助だったぜ。オレ、ミーリヤ様止めんの無理だかんなあ」

「いえ、サジュ様こそ……お口添え有難う御座います」

「はわわ……。何と言いますか、王子様とお姫様が喧嘩されるって感じですねえ……。

 とっても綺麗で迫力が違います……」


 滅茶苦茶判るわ。とても頷いちゃった。


「ふむ、フォーナも皇女だろうに」

「ふええっ!? 

 わ、私はお父さんの養女ではありますが、皇女は抜けてますから!」


 フォーナもヒロインでプリンセスなのに、色々と有ったらしいものねえ……。色々も有ったし。

 ゲームの4では、皇女ルート有ったりしたのかしら。

 でも、悪役令嬢がブライトニアだものねえ……。

 良さげなラストになる気がしないわ……。


「それで、レトナには先行させている。者共、この垂れた草を潜るが良いぞ。許す」

「草じゃなくてぇ花よぉ!」

「……何でそんな冒険小説みてーなんスか?」


 へえ、この垂れ下がった花を潜って冒険へ行くお話が有るのね。素敵そうだわ。読んでみたいわね、どんな本かしら。


「レルミッドが好きらしいから最近読んだんだぞ。中々面白いな」

「ちょっとぉ!それでぇこんな魔術にさせたのぉ!?」

「別に乗り気だっただろう、ミニア」

「はわわ……」

「兎に角ぅ、入ってよねぇ」


 あ、しまった。ミーリヤ様をお待たせしていたわ。

 それにしても、美しいわねえ。向こう側がキラキラと煌めいているわ。

 何処へ繋がっているのかしら……。


「……此処は? 崖ですか……」


 ……凄い。大使館だったのに……。お花をくぐると、滅茶苦茶崖だったわ。ちょっと、先端が欠けているかしら。私の背丈の……適当に見て、10人分位あるかしら。何の変哲もない、崖……。

 サスペンスが隠れているようには見えないわ。

 少し、冷たくて空気が乾燥しているかしら。後ろ側を見ても、道しかないわ……。此処が、コレッデモン王国ロッチ辺境伯領……。


 凄い魔術ねえ……。何がどういうシステムなのかさっぱり分からないけれど。


「じゃあぁ、帰るわねぇ。レトナちゃんもぉその内着く筈よぉ」

「え、ミーリヤ様も参加しないんスか?」

「私ぃ、死霊とかオバケとかってぇ苦手なのよねぇ」

「まあ、そうなのですか。意外ですわね」


 しかし、少しむくれたご様子も美しいわよねえ。


「生きてると大抵斬れるじゃなぁい? 斬れないととどうしてもぉねぇ」

「確かにそっスね」

「まあぁ、サジュちゃんはぁ、ルディちゃんのお守りをお願ぁいねぇ」

「う、ウス……」

「まあ達者でな、夕方まで」

「言い方有るでしょうが!」


 あ、帰られてしまったわ。

 意外ねえ。ミーリヤ様って、苦手なものが無いかと……。まあ、得手不得手は誰しも有るわよね。そりゃそうか。


 しかし、物理も霊的にも何も出来ない私は野次馬しに来ただけ……よね。

 何だかよく分からない昼間の幻覚? 夢? 位しか……それもいつ発動するやら分からないし。


「そ、そう言えば。フォーナはどうして此処に?」

「アレキの差し金だ」

「……え? アレッキオが?」


 何でまた……。まさか、ひとの良いフォーナに、義兄さまったら難題を押し付けたのかしら。


「義兄さまが……。何故フォーナをこき使ってしまったのかしら。御免なさいね、脅されたの?」

「ふええ? あ、お頼みされただけですよ?

 オバケさんからアロンさんをお守りしますからね!」

「ほう、神官は死骸に対抗手段でも有るのか?」


 あ、そうか。フォーナって神官だったわね。オカルト分野に強かったなんて……。


「いえ、私はオバケにも人にも攻撃も何も出来ないですよ! でも、お怪我治療なら任せてください! レルミッドさんに鍛えられましたから!」

「先輩って回復魔術使えたっけ? スゲーな」

「に、苦手ですが……。私に教えてくださるので、理論はバッチリです!」

「まあ、苦手なのに愛する相手の為に……。愛なのね」

「はわっ!?」

「義妹殿、本人には言うなよ。先輩、照れてブチギレるから」

「言わんだろう、アローディエンヌは。

 アレキが嫌がらせの種にせんといいがな」


 うっ、確かに。

 義兄さま、聞いてないわよね?

 変な所で変な情報拾ってるからなあ。盗聴……はされていないと思うけれど、位置把握はされてそうな気がするわ。まあ、知られた所で何ともないけれど。


 あ、崖の向こう側から馬車が見える。

 レトナ様がいらっしゃったのね。





レルミッド以外にもオバケ嫌いはまあまあ居ますね。

滅茶苦茶騒ぐのはレルミッドとドリーです。

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登場人物紹介
矢鱈多くなって来たので、確認にどうぞ。
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