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滝沢茜の事件簿  作者: 安西邦彦
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六本木ヒルズ

滝田茜の事件簿

5.

地下駐車場へと、茜はエレベーターで降りた。隈無く駐車場を探し回る。だが、一時間が過ぎたが、あの赤いスポーツカーは見付からず、諦めそうになった時、目の前を真っ赤なスポーツカーがスッと通るのが見えたのだ。一旦出口の料金バーのあるところに停車した。

茜は、全力で走り出す。そのつもりだったが、如何せん運動不足がたたり、目前にいるのに、なかなか追い付けない。もどかしい思いで足がもつれる。すると車は、彼女を嘲笑うかのように通りに続くスロープへと走り去って行った。

「健太!」

文字通り地団駄を踏む茜。なんで?彼女の声が、空しく響くだけだった。

しばらくは、辛抱するしかない。探偵とは、忍耐、忍耐、そして忍耐である。そう所長が言っていたっけ。

重大な手がかりはあったのだから、良しとしなければ。茜は、心の中で呟いた。

女優と健太の失踪には、何らかのつながりがあるのだろう。

彼女は、所長に今日のあらましと分かったことを報告すると、自宅に戻るために、タクシーを、通りでつかまえた。必ず、次につながり手がかりを掴むと心に誓って。

タクシーに飛び乗ると、新宿方面に向かったのである。

(つづく)


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