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フィアンセの失踪
滝田茜の事件簿
2.
スターバックスで、カフェ・オ・レを飲んでるいる茜。気もそぞろで、いつもの楽しい気分とはほど遠い。
「俺、しばらく会えなくなったから……」深夜かかってきた彼の声は、妙にひび割れていた。
「またぁ、冗談ばっかり。」ときどき、彼は茜をからかう。その手には乗らないよ。
「愛してるから……」
ガシャンという音がした。携帯電話が落ちてぶつかった音?微かに何か男たちの言い争うような声がしていたが、ほどなくツーツーと、電話が切れた音がするばかりとなった。茜は、それから何度も電話したが、いつも留守電になるばかりで……。
彼女は、まんじりともせずに夜明けを迎えたのだった。
少しうつらうつらと眠ってしまったらしい。所長に電話して、良かったと思った。
いったい彼に、何があったと言うのか。
言い争うような声は、彼にトラブルがあったということなのか。
現在、彼はどこにいるのか。
あの電話に出た知らない男は、何者なのか。
とにかく、動いてみるしかない。茜は、決意するのだった。バックから、手帳をとり出して見る。
(つづく)




