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特別なテイマー

「本来モズラは緑なんですけどたまに黄色い子が生まれるみたいですね、でも他と色が違うので仲間外れにされ卵も3日に1回しか産みません、その小さな子だけが仲良くしているんです、もしその小さな子を連れて行くのなら黄色い子も連れて行って欲しいのですが……」


「何か問題が?」


浩一がピューレに聞くと、ロトが他のモズラを撫でながら言う。


「もじゅらはりょうしぇいなんだよ」

(モズラは両性なんだよ)


「両性……」


浩一が驚いているとピューレが言う。


「両性とはいえ、恋愛体質の鳥なので本気で恋して、愛し合ってつがいになります、この子たちはまだ有精卵を産んでいませんが……仲が特別いいので……」


つまり有精卵を産む可能性が高いと。


「ぴ!ピピピピ!」


黄色いモズラがピューレに何か鳴いている。


「ん?産むなら自分が産むって?まぁあなたなら元々三日に一度ですものね」


「え、言葉がわかるんですか?」


ピューレはちょんちょんと自分の耳を示す。


「スキルのモンスター対話です」


それにマーサが驚く。


「レアスキルじゃないですか、モンスター研究には最高のスキルですね」


ピューレはにっこり満足そうに笑う。


「はい!祖母から受け継いだ最高のスキルです!それで、どうしましょうかモズラ、もしこの子たちが子供作っちゃったらテイマーギルドか農家に売ればいいですし、食べることもできますが目の前で同族を解体するのは可哀想なので」


解体、それはできるだけ見たくないししたくない、しかも飼っているモンスターを解体なんて情が湧いて絶対無理だ、

だからと言って、この仲良し2匹を離れ離れにするのもかわいそうだ、連れて行きたいが……


「モズラは子が生まれたら1年子育て時期に入ります、その間は無精卵は産みますが有精卵は産みませんよ、子供を売ってもすぐには有精卵を産まないでしょう、餌も安価で手に入りやすいですよ」


キラキラ見てくる2匹のモズラ、この子たちを離れ離れにするのは可哀想だが、お金の管理はマーサだ。


「マーサさん……」


「なんでそんな悲しそうな顔してるんですか、いいですよ2匹テイムしても」


浩一はぱっと喜んでモズラたちを見る


「君たちは俺の仲間になる?」


「「ぴぴ!!」」


ぴょんと喜んで跳ねるモズラがすでに可愛くて愛おしく思える浩一だった。

そしてモンスターたちに名前を付ける。


【バブスライム清(きよ)】

【ライトスライム光輝(こうき)】

【ホットスライム温志(あつし)】

【黄色いモズラ カナ】

【小さいモズラ リア】


みんな、名前をもらって嬉しそうにしている。

そしてライフボックスを開く時に浩一はまたピューレに肩を掴まれる。


「浩一さん!!貴方のオノケとお話ししても!?」


太陽のように輝く笑顔は浩一が断らない事をわかっている。

もちろん断る理由もないし、オノケたちがなぜ自分を気に入ったのかそれも知りたいと思っているからだ。


「ど、どう「ありがとうございます」


浩一の言葉が終わる前にはもうピューレは浩一の開いたライフボックスに入って行ったのだった。

浩一たちも追いかけて入って行く。

ピューレはオノケたちを見て目を輝かせた後にゆっくりとオノケたちに近づいて行く。


「こんにちは、ユウ君、ダイ君、ケン君、お話をしたいのだけどいいかな?」


「きき?」


ピューレの言葉にダイが声を出す。


「あぁ君たちの言葉わかるよ、ダイ君がリーダーかな?」


「ききぃ!」


ピューレは楽しそうにダイたちと話し出した。

そんなピューレとダイたちを見ていると足をつつかれる。

足元を見ればカナとリアが花を咥えて浩一を見ている。


「ん?花?くれるのか?」


浩一がそう言うとぴょんぴょん跳ねて嬉しそうに笑うカナとリア、


「ありがとな」


浩一がカナとリアから花をもらうと、カナとリアは一瞬ショックを受け、そのあと顔を見合わせた。そして真剣な顔をして何度か鳴いた後、羽根を重ねて、それから浩一の足の左右に擦り寄ったのだった。


「なんだ?甘えてるのか?」


可愛いなぁと撫でていると、マーサとロトが口元に手を持ってきて驚いていて、ミッシェルがほほーと面白そうに見ている。


「な、なんですかその顔」


ロトは眉間をもみながら言う。


「しょうだな、こういちはもじゅらの事を何もちらないからな」

(そうだな、浩一はモズラの事を何も知らないからな)


「そうでした、なんてプレーボーイなんだって思っちゃいました」


「モテモテだな浩一」


三人の言葉に浩一は首をかしげる。


「何の話だ?」


そこにピューレが帰って来る。


「おや?どうして花を持っていらっしゃるんですか?」


ピューレの問いに何の疑問もなく浩一は答える。


「カナとリアがくれました。」


それを聞いたピューレも口元に手を持っていって目を丸くさせ何とも言えない顔をしている。


「だから何ですかその顔」


浩一はみんななんでそんな顔をするんだと疑問に思っているとピューレが説明してくれる。


「そうですね、異世界のかたですから知らないのも無理が無いのですが、モズラがブライダルフラワーを捧げるのは結婚の申し込み、受け取ればつがいになったことになります」


つまり浩一はカナとリアのつがいになったという事だ。


「2匹の主人じゃなく夫になったと?」


「そうなりますね」


ええええええええと声にならない悲鳴を上げ、浩一は2匹を見る。


「ぴっぴ」「ぴるるるぅ」


嬉しそうに足にスリスリとすり寄る2匹に浩一は慌てる。


「ご、ごめん!!知らなかったんだ!俺がつがいだなんて!しかも2匹一気になんてそんな不誠実を……」


「いや、待ってください、つがいが浩一さんならば有精卵を産むことはありません、それならこのままでもいいのでは?」


「「ぴぴぴ!?」」


ピューレの言葉にカナとリアが驚く。

それにピューレが当たり前のように言う。


「そりゃ有精卵は生まれませんよ、モズラは異種交配できないでしょうが」


「「ぴぴぴー!!!!!」」


ショックを受ける2匹に呆れるピューレ、


「当たり前でしょう、どうやって卵を有精卵にするつもりだったんですか」


「ぴ……ぴぴ」


「普通にって、ありえませんよ、群れから外されてる2匹だったとはいえ何も知らなすぎでしょう、あの有精卵の話、浩一さんと考えてたんですか?」


「ぴぴぴぃ」


「お馬鹿さんたちですねぇ、まぁ浩一さんのテイマーSSSランクの効果なのかオノケも浩一さんに惚れてテイムされたみたいですが」


ピューレの言葉に浩一は驚く。


「オノケたちも!?」



驚く浩一にピューレは楽しそうに、興味深そうな笑顔を浮かべながら言う。


「それがですね!浩一さんからはかすかですがモンスターを引き付ける魔力が出ていて、それを叱られるという形で近くで感じていたオノケは浩一さんのお叱りを母のものと重ね、そしてとても好ましく思ったらしく、おそばに居たいと思ったらしいですよぉ!!!なので浩一さんの魔力を差し支えなければ調べさせていただければと思うのですが!!!が!!!!」


ぐいぐい近づいて来るピューレに圧され、その押しの強さ、顔の近さに思わず顔を赤く染める。


「わかりました!わかりましたから、離れてください!」


「やったー!」と喜び飛び跳ねるピューレだった。


ピューレはカバンから小さな水晶を出した。


「ではこれに魔力を込めてください」


「はい。」


浩一はその水晶に魔力を入れるという意識をして水晶に対して手に力を込めると魔力は綺麗な美しいエメラルドグリーンになった。

それこそ磨かれた最高級のエメラルドと言ってもいいほどの輝きを持っている。

それをミッシェルは恍惚な顔で見る。


「はぁ、浩一は魅力的な男なのはわかっていたが魔力がこんなに美しいなんて……私が見染めた男だもの…当たり前よねぇ……」


そう言いながらミッシェルは浩一に抱き着き顎を持ってミッシェルの顔の方を見させ、妖艶に語る。

もう浩一はその色香にあてられ、動けず真っ赤になって固まっている。


それをマーサがべりっと引き離す。


「あぁん♡、浩一ぃ♡」


「成人もしてない若者に何してるんですか!この色情シスター!!年端も行かない子供も見てるんですよ!!」



マーサの指さす方を見れば、男性職員に目を塞がれ、暴れるロトが居た。


「みーたーいーーーー!!はーなーせーーーーー!!どうせ目かくちしゅるなら女の人の手がいーいーーーー!!!」

(みーたーいーーーー!!はーなーせーーーーー!!どうせ目隠しするなら女の人の手がいーいーーーー!!)


あの3歳児は欲情勇者だなと思いながら浩一は呆れた顔でロトを見る。

ミッシェルにお説教をするマーサにマーサもこれから苦労するなぁと思いながら、ピューレに目線を戻すと、水晶を、暴れていたシカの様な馬の様な魔物に近づけ、その魔物が魔力を嗅いでまたたび貰った猫のようにメロメロになる姿を見て興奮し「すごい!」「すごい!」と喜んでいる。

そんなピューレたちに浩一は近づいてみる。


「何がすごいんですか?」


浩一の問いにピューレは目をキラキラさせる。


「貴方の魔力は自然の魔力に非常に近いんです!浩一さんが発揮する魔力が少ない事で浩一さんの風、光、緑、それぞれの属性の魔力が特殊に混ざって、猫モンスターに効くまたたびの様な効果を出し、興奮状態のモンスターには鎮静剤の効果を出しているのです!」


またたびあるのかと思いながら、自分が魔力を込めた水晶を見る。淡く美しく光るエメラルドのようになっている水晶、自分の魔力がこんなに美しいとは思わなかった。

しかも魔物にまたたび効果があるとは驚きだ。なんとも信じられない現象に、まじまじと水晶を見ていたら、何だかピューレが大人しい、顔を見れば何か考え込んでいる様子。


「どうされたんですか?ピューレさん」


ピューレは浩一を見て、そしてマーサを見てミッシェルを見て考えている。


「ピューレさん?」


そして何か思いついたようにして、マーサの方に行く。


「このパーティーのお金ってもしかしてマーサ僧侶が一任してます?」


ピューレの問いにマーサは頷く。


「え、ええ、浩一さんはまだ18歳で若いですし、ロト様は3歳ですし、ミッシェルは今日仲間になりましたので、基本的に個人でも使えるお小遣いは渡していますがパーティー全体のお金は私が管理しています」


それを聞いてピューレはにっこり笑顔で言う。


「では、お支払いをマーサ僧侶に任せて浩一さんとミッシェルさんをお借りしてもいいですか?まだまだお話したいことがあって足りないので、ロト様も来るならロト様も、うちではモンスター以外に冒険はじめセットも売っていますのでそちらを見て待っていただければ買い物しながら待てますよ、お買い物が済みましたら待合室のコーヒーは飲み放題ですから」


ピューレの言葉にマーサは笑顔になる。


「それは良いですね、正直私は魔物が苦手なので、買い物の方がいいですし、でもロト様は私と一緒に来ましょうか」


「なじぇ!?」

(なぜ!?)


ロトが驚くとマーサはちょっと不機嫌に言う。


「あんな破廉恥シスターと私がいないのに行動させられません!私と買い物しましょう、お菓子とか食べながら待ってましょう?」


マーサの言葉にロトは顔を真っ赤にして涙で目を潤ませながら叫ぶ。


「やだ!おえは浩一といっちょがいい!!マーシャより浩一がいい!!」

(やだ!俺が浩一と一緒がいい!!マーサより浩一がいい!!)


「えぇぇぇぇ」


真っすぐな否定にマーサはショックを受け崩れ落ちる。


「そ、そうですよね、浩一さんは前の世界から一緒で私は昨日会っただけの一夜の男、信用の差は歴然ですね、くっ」


嫌な言い方するなと思いながら浩一は呆れる。


「しょうだじょ!浩一から離れなきゃいけない時以外離れたくないんだじょ!買い物はまーしゃ一人で行くんだじょ!」

(そうだぞ!浩一から離れなきゃいけない時以外離れたくないんだぞ!買い物はマーサ一人で行くんだぞ!)


ロトの言葉でマーサは泣きながら言う。


「そんなー、ロト様―!私を見捨てないでー!私もそちらに行きますぅぅぅぅ」


そんなマーサにロトはバッサリと言う、


「マーシャは買い物行くの!」

(マーサは買い物行くの!)


そんな無慈悲な言葉にマーサは叫ぶ。


「ロト様――――――」


「では、話もまとまったようなので行きましょうか!」


そしてピューレも無慈悲にマーサを置いて行き、他の職員がマーサを連れて行った。



無理やり付いて行くという考えにならないのは魅了効果なのか何なのか、そういえばピューレはメロメロになってないな、精神攻撃耐性SSSなのだろうか、ピューレは牧場から出て、隣の関係者以外立ち入り禁止のラボブロックに浩一たちを案内した。


「浩一さんにお願いがあります」


ピューレは真剣な顔で言うので浩一は身構える。


「この子の傷を治していただけませんか?」


ピューレが示すのは頭にしおしおの葉っぱを乗せた猫が鎖につながれ暴れている。


「ふりゃわーきゃっと……か?」

(フラワーキャット……か?)


ロトの言葉に猫を鑑定眼で見る


【猫に花が咲いている、稀少な花が咲いている猫ほど価値が高く、その美しい姿は貴族に人気、雑草の猫は庶民が飼っていることが多いが愛情深く育てるとその花がクリスタルフラワーになることもあり、クリスタルフラワーの家は高く評価される、ただ、愛してくれる人が消えると普通の花になる】


フラワーキャットと言うには花が咲いていないしとても凶暴そうだ。


「この子はある日、行方不明になって、教会であばれているところを保護されました。飼い主はとても愛していてクリスタルフラワーを咲かせていたのに、見つかった時にはこのような見た目になっていてショックを受けていて。治療を頼まれていたのですがどうにもできなかったのです。でもあなたは特別な魔力を持っている、もしかしたらあなたのヒールなら……」


クリスタルフラワーを咲かせるほど愛されたフラワーキャットがどうしてこのような状態になってしまったのか……本当に自分で治せるのか、自分の魔力が特別なのだって今日初めて知った。魔法は昨日少し習っただけ、そんな自分に何ができようか……でも少しでも可能性があるのなら、悲しむ家族の笑顔と再会をさせてあげられるのなら……。


「どうすればいいですか?」


浩一がピューレに聞くと、ピューレは真剣に頷く。


「まず、魔力石に魔力を込めるように手先から魔力を出しながらフラワーキャットに近づいて見てください、それでもしかしたら落ち着くかもしれません、落ち着いたら魔力を込めながらヒールを使ってみてください」


「わかりました。」


浩一は暴れるフラワーキャットに近づいて行き、手を前に出す、手先に集中して魔力を手に出すように意識する、魔法は想像力、自分の想像力を駆使して魔法が使えるように意識する。

浩一の手がフラワーキャットに近づいた瞬間、フラワーキャットは少し動きが鈍くなる。フラフラと浩一の手に近づき、悲しそうな顔をしている。


「ヒール」


すり寄るフラワーキャットに浩一はヒールをかける。元の美しいフラワーキャットに戻りますようにと願いながら。

すると、フラワーキャットが光り、しおれた葉っぱが生き生きとして、ローズのクリスタルフラワーが咲き誇った。


「みゃーう?みぃぃ、」


自分の状況を不思議そうにしながら、浩一から感じる魔力にフラワーキャットは気持ちよさそうにすり寄る。


「成功した!!」


浩一の声に周りの研究員もピューレも喜んだ。


「特別な魔力だからもしかしてと思いましたが、予想が当たるなんて!これなら彼も!」


「彼?」


ピューレの言葉に浩一は首をひねった。

職員たちもピューレの言葉に頷く、そしてピューレは浩一の肩を掴む。


「貴方なら彼を救えます」


ピューレはそう言った後、

少しフラワーキャットと話してそれから執務室に浩一たちを案内した。

そして、本棚の本を一つ動かすと、隠し扉が開いた。

そこに浩一たちは通され、長い階段を下りながら、ピューレは話す、


「古くから魔族が人間国に侵略し、村などを破壊し、暴れまわっている、それが魔王の指示だとされています。そして侵略する魔族は必ずその国の王か姫の名前を叫び暴れます、それが魔国の近くの村からだんだんとその国の王家に近づいていました。そして国は魔国に反撃し戦争を仕掛け負けて、魔国の国となる、それが今までの国が魔国にとられた理由です、でもね、おかしいんですよ、そんなちまちま侵略して戦争を起させなくても魔国は人間を制せるのになぜそんなちまちましたことをするのか、私は疑問でした。そして教会や国は知りませんが、実は国の中に半魔半人の魔族とのハーフの子供は割といるんです、老け方は人間と変わらず老人くらいになると老化が止まるので、長生きしている老人程度に思われています、3ギルドは魔族が悪いものでない事を知っています。」


「だからマーシャをはなえしゃしぇたのか」

(だからマーサを離れさせたのか)


「はい、マーサさんは教会の人ですから、ギルドが魔族をかくまっていることは教会にはバレないようにしています、教会の力は大きいので、ある地区の冒険者ギルドが魔族がある理由で逃げ込んできたのを保護していたのですが、それが教会にバレて、教会は町の人達を先導してギルドを潰してギルド長と魔族をつるし上げました。その事件以来、各ギルドは結束を固め、教会にバレないように半魔の人達や魔族の保護を徹底的に隠しています、

だいたいギルド総帥が半魔半人ですからね」


「え!?そうなんですか!?」


「えぇ、だからこそ、魔族の保護に力を入れています、ギルドに所属させることで確かな身分を作らせ、人間の国で生活させる、それが保護です、そしてそれと同時に魔族の侵略の研究もしていました。そんな時のあのフラワーキャットでした。フラワーキャットは暴れながらリリー王女の名前を叫んでいました。まるで侵略してくる魔族たちのように」


「どういうことですか?」


「フラワーキャットは教会近くにある洞窟から地下で働かされている魔族の奴隷に会ったそうです、そしてフラワーキャットはその魔族にリリーという団子のかけらをもらっていたそうです、その団子が美味しくて、フラワーキャットはこっそり、その魔族に会っていたそうですが、ある日、奴隷のいる場所への入り口がふさがれてしまって、教会で悲しんでいたらリリーが欲しくてたまらなくなり、それからはもうわけが分からずただただリリーを求めていたそうです。」


「まじょくがいてあやちいくしゅりを飲ませてるのが教会だと思ったんだな」

(魔族が居て、怪しい薬を飲ませているのが教会だと思ったんだな)


「はい」


その症状を聞いて、“麻薬”、浩一の頭にその言葉が浮かぶ。


「元々フラワーキャットの状態を見て、教会を怪しんでいました。フラワーキャットが暴れている理由は教会はわかっていなかったので、魔物だから狂ったのだと思っているだけのようでした。

でも声の聞こえる私はその暴れ方を見て何かの手掛かりになると睨んで、射殺ではなく保護をしたんです。

そして、私達はある村でフラワーキャットの様に暴れる侵略してきた獣人をとらえています。その村は小さな村ですがテイマーが多くテイマーとしてレベルの高い人々が暮らす村でした。そこにリリー王女の名前を叫ぶ一人の獣人が侵略してきました。その魔族は強く、村は半壊、多くの魔物が犠牲になりましたが人は犠牲にはなっていません。たまたまいた私が、麻酔銃を使い生きたままその獣人を捕らえました。その後すぐ教会の聖騎士が来たのですが、魔物の血で汚した布で包んだ彼を見せて死んだと思わせ、私達は死体を被検体として回収するという体で彼を保護しました。」


階段が終わり、地下に着き、ピューレが扉を開けると、リリーを出せと叫ぶ声が聞こえる。

部屋に入ると強そうな狼の獣人が鎖につながれ、叫び、暴れている。


「浩一さん、先ほどのようにしていただいていいですか?」


「わかりました。」


猫の様なモンスターとは違う、恐ろしい見た目の獣人、ごくりと唾を飲み、ゆっくり近づき、魔力を出した手を獣人の顔に近づける。すると魔力を感じた獣人は大人しくなる、そして浩一は麻薬だと考えていたので、頭に手を付ける。


「ヒール」


浩一の手から魔力が獣人の体全体に伝わり、強張っていた体から力が抜け、だらんとなる。

そこにピューレが来て、獣人を抑えていた手かせや鎖を外した。


「う、うぅ、こ、ここは……」




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