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ボクノソード


「よし!俺がみんなに最強の武器を作るぜ!!」


どこから取り出したのか、ハンマーを掲げるライオット。


「まぁ待てライオット、勇者には相応しい剣がある」


そう言ってドワーフの王は、金に輝く剣を出す。


「あ!あれは神剣!ボクノソード!」


なんだその名前と思うのは仕方ないだろう。


「なんでその名前なんですか?」


その質問にガイアが当然のように答える。


「邪心マッシマを倒した勇者トーンディーがドワーフ王に作らせた剣なのだが、神剣だから回収しようとした時に、トーンディーが『僕のソード』と言ったら剣が呼応して名前になったんだよ、それでトーンディーはボクノソードと共に生涯を過ごし、トーンディーの死後、ボクノソードが返還されたそうだ」


なぜ剣はそこを名前と認識してしまったのか疑問しか残らない。


王は浩一の前に来る。剣だからか、ガイアがちょっと近くに寄ってきている。


「ボクノソード、彼はどうかね」


王がそう言うとボクノソードは淡く光り声が聞こえる。


「彼はまだ私を抜けません、ですがそこの男性は抜けるでしょう」


その声にガイアは喜んだ。


「じゃあ俺か!」「ですが、おじさんは嫌です」


その言葉にガイアは落ち込む。


「勇者の卵よ、貴方がいつか私を抜けることを祈ります、そばに持っていてください」


そう言うと、その淡い光が消えた。


「ということだ持っておけ」


「浩一様ぁんには私がいますわぁん!!!そんなばばぁ必要ないですわぁん!!」


ねぎまの発言にドワーフ王は顔を引きつらせる。


「ば、ばばぁ………」


浩一は顔を青くして手を振る。


「すすすs、すみません!俺のネギ、ちょ、ちょっと変で!!」


「まぁネギが聖剣な時点でおかしいからな、君が謝ることではない」


「おかしいなんて酷いですわぁん!私は完璧な剣でありネギなのですわぁん!!」


その言葉にライオットが笑う。


「剣でありネギってなんだよ、だはははははは」


「笑うんじゃありませんわぁんん!!!」

 


浩一は腰にボクノソードを背中にねぎまを背負って歩いている。


ねぎまがうなっていて浩一はげんなりとした。


「浩一も大変だなぁ!女にもて剣にもモテて!なっはっはっはっは!」


そんな風に笑うロトを見てその腰を見る。


「そういえばその聖剣に名前あるのか?」


ロトはん?と浩一に剣を見せる。


「この剣は、聖鎧とセットでな二つ合わせて変化の神ロキだ、俺が身に付けたらおもちゃと着ぐるみに変わっただろ?」


なるほどそんな剣だったのか、


「変化させようと思えばなんにでも変化するぞ?人になれ!」


ロトがそう言うと、剣がぼわんと厳つい青髪の男性になった。


「おお、久しぶりだなロキ!運んでくれ!」


ロキは言われた通り、ロトを抱き上げ歩く。


「なんでもありだな」


「はっはっは!いいだろ!俺の聖剣マジ最強!」


ロキは無口にただただロトを運んでいる。

にしてもイケメンだんなぁと思って見ているとロキと目があう。

ロキはニヤッと笑ってすぐまた真顔に戻る。

一貫して無口のようだ。


今歩いているのはなぜかというと、


「さぁ着いたぞ!俺の屋敷にようこそ!!」


みんなの武器を作る間にライオットの屋敷に泊まるからだ。

洞窟の天井の穴から少し離れ、繊細な細工をされた門を通って大きな屋敷に着いた。庭はあるがそこまで広くない、洞窟の関係上だろう。

小さな庭を通り、屋敷に入る、少し広めのエントランスに使用人が頭を下げて並んでいる。


「「「「「ライオット様おかえりなさいませ、お客様いらっしゃいませ」」」」」」


「おう、工房に行くぞ!」


そう言ったライオットの後ろについて行けば屋敷の奥で鍛冶場がある。


「よし、浩一、ローズブラットを出してくれ!」


浩一が巨大なローズブラットを出すとライオットは目を輝かせる。


「じゃぁ作るぜ!お前らの武器!」


「「「おお!!!」」」


そして一人ずつ武器のデザインの聞き取りをするのだった。


「私のロッドはお母様の形見なの、だから魔石をはめるだけでお願いできる?」


アイリッシュのお願いにライオットは気前よく言う。


「おう!任せろ!ちょっとデザインいじってもいいか?」


「うん、いいよ、お願いします」


「任された!ビリーは?」


ライオットがビリーに尋ねる。


「軽くて丈夫な弓が欲しいんだ、デザインはシンプルなのがいいな」


「なるほどな!ついでに魔弓にして矢が必要ない弓にしてやるぜ!」


「そんなことできるの!?」


「任せろ!ミッシェルとガイアは?」


「殴りやすいナックル」


「かっこいい剣!」


「ふぅ!シンプルぅ!任せろ!んじゃこれから作業に入る!一週間入ってくんな!以上!」


ライオットがそう言うと手伝いの使用人に部屋を追い出されたのだった。



一方その頃

教会では

1人の司祭が教会の廊下を歩いている。

最近平民から司祭になった、若く美しい男でシスター達の人気者だ。仕事もでき愛想もいい、モテてはいるがいい奴でノリがよく、男からの評価も高い、だからこそ、短期で教皇のお気に入りの世話係になった。

そんな彼は一人でいる時、一人ではない。

いつも頭の中で会話している。


『教皇の部屋には何もないな』


『目に見える範囲には証拠を置かないのでしょうね』


そこに話しかけるシスターがいる。


「カーバン様ごきげんよう」


「やぁ、シスターマーガレット、良い天気ですね」


「教皇猊下が貴方を呼んでいましたわ」


「教えてくれてありがとう、助かるよ」


「いえ………」


頬を染め、頭を下げるシスターは何かを期待している。

カーバンはにっこりと、頭をぽんぽんと叩く、


「ありがとう、では教皇猊下の所に行くので失礼」


「は、はい!」


喜ぶシスターを置いて先に行き角を曲がれば、きゃーと聞こえる。


「イケメンは良いねぇ、モテて」


「声に出てますよ隊長、隊長だって部下に人気ですよ」


「いい上司程度だろ」


カーバンは心の中で鈍感だなぁとつぶやいた。


『昔は侵略した国の人間から諜報員を選ぶなんて、魔王様は何を考えてるんだと思ったが、お前が居て助かったよ』


『教会の司祭になるには精密検査で人間であることを調べられますからね、魔王様の先見の明は素晴らしい、人間が王をしている時よりも治政は安定しているし、魔王様、様様ですね』


『少し軽く言い過ぎだ、さて、教皇の部屋か、今日こそ何か見つけたいな』


『そうですね、さ、部屋に入りますよ』


『あぁ、今日は秘密の部屋が無いか探ろう』


『お願いします』


カーバンは教皇の部屋の扉をノックする。


「カーバン・クレイスです」


「あぁ、入ってくれ」


教皇の言葉にカーバンは扉を開け頭を下げる。その隙にフォーラが部屋に入る。


「やーカーバン、君にして欲しい仕事があるんだ」


「どのような仕事でしょうか」


「魔族がステータスをごまかす事ができることがわかりました。確認しただけですでに3人と1匹が死んでおります、これは由々しき事態です」


「それはすぐに取り締まるべきですね」


そして教皇は冷たい顔をする。


「そして魔族を集め奴隷にしている組織と、そこから漏れた魔族がゴートで村を起こしているとか、これはつぶさなければいけませんね」


カーバンはその冷たい表情に息を飲む。


「そんな、許されざる村があるとは信じられません」


「カーバン」


「はい、」


「魔族は悪です、そうですねカーバン」


「はい、そうです教皇猊下」


教皇は微笑む


「では、貴方を魔族排除委員会のリーダーに任命します。人間の国から魔族を排除し魔族の汚染を無くしてください」


「承知いたしました、そのお役目喜んでお受けいたします」


「では打ち合わせをしましょう、検査室に行きます」


「承知しました、教皇猊下」


カーバンと教皇は部屋を出て行く。


フォーラは透明化を解いて教皇の部屋を探す、いつも教皇が居て入っていけない箱庭に入る。


キラキラと音を立てて妖精たちがフォーラに近づく。


「この部屋に隠し部屋は無いか?」


そう聞くと妖精はクスクス笑いながら飛び回るだけ、

猫のクリスタルの置物の上でキラキラと音を立てながら飛び回っている。


フォーラがそのクリスタルを持ち上げるとその下に棒が現れる。周りを見ると丸机の真ん中に穴が見える。

フォーラはそこに猫を刺してグイッと回すと薔薇の花壇が割れて階段が出て来る。


「ビンゴ」


フォーラはニヤッと笑った。



わぁんわぁんと声は城を飛び出すほどに響いた。




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