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ピンクの髪の少女

森に入り荷馬車に乗らず歩き出す。


「あれ、ミッシェルさん荷馬車に乗らないんですか?」


浩一がそう聞くと、ミッシェルはニヤッと笑う。


「ローズウィップを探す」


そのミッシェルの言葉に浩一は驚く。


「見かけたらじゃないんですか!?」


そんな浩一など関係なくロトがマーサの腕の中で言う。


「100年物だもんなぁ、パーティー全員のマジックアイテムが作れるな」


「そうですねぇ、マジックソードとか欲しいですね」


マーサもそんなことを言う。


「マジックアイテムですか?」


浩一の言葉にミッシェルが言う。


「浩一はねぎま、ロトには聖剣があるだろ?だが他のメンバーは特別な武器がない、せっかく鍛冶公爵と知り合えたんだ、護衛料に良い物作ってくれるだろ」


ミッシェルの言葉にライオットがふふんと言う。


「もちろんいいとも!ローズウィップの100年物の魔石使えるなんて光栄だぜ!」


楽しそうに鼻歌を歌うライオット。


「100年物ってすごいんですか?」


その質問にはライオットが興奮気味に答える。


「ローズウィップは成長すると棘が伸びて森に棘がはびこる。そして腹が減ると森に張り巡らせた棘で生き物を捕まえて血を飲むんだ、特に人種が好物みたいで近づくと必ず飲まれてしまう、だから幼体の時に一般人でも狩り取る、だから10年物でも珍しいんだが100年となれば大きな魔石が取れるぞぉ」


「へー魔石って大きくなるんだ」


その言葉にマーサが訂正する。


「普通の魔物の魔石はそれほど大きくなりません、ローズウィップの魔石は特別です、血を吸うという性質からか、魔力を吸収しやすく、それを体内の魔石が集め、魔石が成長します。その過程で魔石は年輪のように美しい柄ができます。それを宝石の一つとしてローズブラットと呼びます」


「宝石なんですか?」


浩一の言葉にライオットが興奮して言う。


「ローズブラットはすごいぞぉ内包している魔量はさることながら、その見た目の美しさ!ローズブラットで打った魔剣は国宝としても扱われるんだ!一度、国で50年物のローズブラットの剣を見たが美しかったぁ、それが100年物だ!さぞかし美しいんだろうなぁ……」


何かを思い出しながらうっとりと話すライオットを見て、そんなに美しくて貴重なものなのかと、浩一はちょっと楽しみになる。


しばらく歩くと、ミッシェルが止まる。


「森の奥は魔境だねぇ」


森の先を見ると木々に棘が巻き付き、ぎちぎちと音を立てている。


「こっわぁ………」


その禍々しい事、棘に侵食された森は暗く静かに獲物を待っている。


「ずいぶんでかいねぇ、本体はもっと奥か」


ミッシェルは戦闘前の興奮を隠せないでいる。

そんなミッシェルにロトが言う。


「全員で行くのは危険だなぁ、俺とミッシェルさんだけで行くか」


「そんな!いけませんロト様!破廉恥シスターと一緒だなんて!!」


そんなマーサにこともなげにロトは言う。


「お前達はまだ足手まといだ、ここはミッシェルさんと俺に任せろ」


その足手まといという言葉にマーサは深く傷つき何も言えなくなった。

浩一は悔しそうに手を握り、爪が手のひらに食い込んだ。


「行くぞ、ロト」


「はい!ミッシェルさん!」


ミッシェルとロトはすさまじい速さで森の奥に行った。棘もそのスピードには追いつけていなかった。

残されたメンバーもそれを見て、まだ二人についていく事はできないと改めて感じ悔しさと関心の目が二人を見送った。


ミッシェルとロトはすさまじい速さで棘の間を通って行く、奥へ奥へ進むにつれ棘は太く素早くなっていく、

そして、最奥に毒々しいまで赤い美しい象ほどの巨大な薔薇が姿を現す。

キエエエエエと泣き声なのか何なのかわからない音が響く。棘は畳みかけるようにミッシェルとロトを攻撃する。

音速の棘の突撃を紙一重でかわすロトとミッシェル。

そしてミッシェルが薔薇を叩き落とし、ロトが聖剣でその首を切り落とすと、棘は力なく音を立てて崩れて行った。


「いやぁ、なかなか戦闘を楽しめたじゃないか、さて魔石を出そうか」


ミッシェルがワクワク魔石を掘り出しているのを見ながらロトはずっと感じていた違和感を問う。


「ミッシェルさんは普通の魔族じゃないよな」


「おや、魔族なのはバレてるのかい」


「浩一に惚れているのは本当のようだ」


「あんないい子は居ないからね」


「魔族でも規格外の強さでだよな」


「そうでもないだろう」


二人は黙る。ミッシェルは黙々と魔石を掘り、大きな魔石がそこに姿を現した。


「おお、でかいね!いい大きさだ!浩一が見たら驚くだろねぇ」


喜ぶミッシェルにロトは静かに言う。


「俺はそのピンクの髪に見覚えがあるんだ、倒れた魔王に寄り添うピンク頭の少女にね」


力の無くなった棘で察したのか、森の入り口の方から浩一達が走ってくる。

ミッシェルはそれを見て、その後ロトを見て、ゆっくりと人差し指を口の前に持っていき怪しく微笑みかけるのだった。





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