聖獣を使役する者
「これからは浩一は一人で行動しないこと、そして人の国にいるのは危険だな」
ミッシェルの言葉にロトが浩一に言う。
「浩一、カナはできるだけ人目のあるところで出すな、そしてどうしても一人行動する時はオノケを出せ、いいな」
そしてガイアが言う。
「こりゃ、心配だから俺が浩一の護衛してやるよ、浩一の飯も美味いしな!」
「最後が本音だな、浩一さん、僕も護衛しますよ!!」
ビリーも気合を入れてそう告げる。
そしてロトがガイアに聞く。
「ガイアは何ランクなんだ?」
「これでもAランクだぜ」
「なら問題はなさそうだな」
ロトが確認してミッシェルが言う。
「ガイア、ビリー、それは仲間になるということでいいのか?」
それにガイアはニカッと笑う。
「乗りかかった船だ!最後まで付き合うぜ!ビリーのギルド入りも手伝ってもらったからな!」
「そうですよ!感謝してます!」
そんなビリーにマーサが言う。
「ビリーは冒険者が怖かったんですよね、護衛できますか?」
あ、と周りが固まる。
「ん?なんですか」
ロトはビリーのことに感づいているので、マーサ以外はビリーが冒険者が怖かったのではなく、半魔族とバレることを怖がっていたのはわかっている。だから忘れていた。ビリーが冒険者が怖くてギルド登録していないという設定を。
ビリーは必死に言った。
「も、もう大丈夫です!試験で僕も冒険者としてやっていけるって知れたので!誰も怖くないですよ!!」
「そうなんですね!克服できてよかった!」
マーサは本当に嬉しそうに言うのでビリーは顔を引きつらせたのだった。
そして話し合いは終わるわけだが、正面から出るわけにもいかない、そこで華弥子が言う。
「この扉から出れば支部の裏に出る、そこからドルーンを目指すといいさ、ドワーフの国ドルーンまでは町を二つ経由する、気を付けな」
華弥子に感謝を伝えて、皆、その扉から外に出る。浩一が感謝を伝えて外に出る時だ。
「頑張りな、勇者」
小さな声で華弥子はそう言った。浩一は頷きギルドは全てを知っていると確認し、ギルドを後にした。
「おい!居たぞ!!」
ギルドの裏から出て、町の出口に向かう途中ガラの悪い、いかにもお行儀の悪そうな男達に見つかる。
やはり予感的中、だが、ロトが抑えていた魅了の力を全開で出す。
「お兄ちゃん達!そこで待ってて!」
「「「はぁい♡待ってるよー♡」」」
とろとろ溶けるようにそこに座る男達、
だがガイア、ビリー、アイリッシュ、マーサも
「あーん、ロトってこんなに可愛かったかぁ?」
「ロト君僕にも命令してー」
「ロト君は可愛いねぇ」
「ロト様流石でございますぅ」
と、味方もくらっている、それでも走って逃げているのが不幸中の幸いだ、浩一達はロトの魅力を駆使しながら街の外に出た。
「浩一、荷車だしな」
浩一は言われた通り、アイテムボックスから荷車を出す、それに全員を乗せて、ミッシェルが走って森の中に逃げたのだった。
森の開けた所でミッシェルは止まる。
「いやぁ、ロトの魅了は便利だねぇ、味方にも効果が出ちまうが」
「精神攻撃耐性Sは居てもSSSは居ないからな!誰にでも効いちゃうぜ!!」
ロトがそう言うとガイアが納得する。
「そうか俺がSだからロトの本気の魅了にあらがえなかったんだな」
「俺の魅了は最強だからな!」
「ロト君は魅了無くても可愛いよ」
「ビリーは見る目があるな!そう!俺は可愛いのだ!!」
はっはっはと余裕組とヘロヘロ組、
「ま、まさか勇者パーティーを狙うだなんて………」
浩一の呟きにミッシェルが浩一を起こしながら言う。
「悪い事考える奴には関係ないさ」
「でもAランクですよ?」
その浩一の言葉にガイアが言う。
「でも浩一自体はBランクだろ?Bランクは割といるんだよ、Aの壁って言ってな、BからAに上がるのが難しい、浩一単体でAランクなら狙われなかっただろうが、Bだからチャンスがあると思われるんだな、」
「そんなぁ」
浩一は自力でBになれたことを喜んでいたのにまだ足りないだなんて、浩一は深いため息をついたのだった。
「浩一様はどんどん強くなっていますわ!襲われてもわたくしがお守りいたしますわぁ!」
「お前ネギじゃん」
「!?!?」
浩一の言葉にねぎまは絶句したのだった。
そして、時間もちょうどいいからと、そのままそこで野営をすることになった。
夕飯には早い時間、訓練ついでにマーサとロトは獲物を狩にいく。
マーサがいないので浩一達はピューレに連絡する。
『お疲れ様です、カナが聖獣だったらしいですね』
もう話は伝わっていたようだ。
「はい、光魔法が使えるようです」
ピューレは悔しい顔をする。
『まさか光魔法を使えるなんて、知っていれば研究しましたのに、すみませんカナを出せたりしますか?』
浩一がカナを出すと、カナがぴ!と言いながらピューレに敬礼する。
『カナいつから光魔法が?』
「ぴ、ぴぴ、ぴぴーーーーぴっぴ」
『ほうほう、浩一さんの料理を食べるようになってからレベルが上がりやすくなり、虫を食べていたらレベルが上がったと』
「お、俺ですか!?」
全員が浩一を見る。
『浩一さんは浄化の力、自然の魔力いえ、妖精の様な魔力など特別なことが多く、その浩一さんの魔力のこもった料理を食べることで、カナの中の光魔力が刺激され、覚醒したのかもしれませんね』
なるほどと納得していると、ガイアとビリーが驚く。
「え、浩一って聖人なのか?」
「男性に浄化の力?」
驚く二人に浩一は手の中に浄化の力を込めて見せる。
「お、おぉ、よくわかんねぇけど魔力とは違うな」
「これが浄化の力……」
浩一がそうしているとカナがぴ!と手をあげる。
そちらを見ると、カナが翼を合わせてムムムとうなる。
すると、浩一が出した力と同じ力が出て来る。
「「「「「え」」」」」
「ぴっぴ」
満足そうにその浄化の力をポンと浩一に投げ、浩一は受け取る。
そして鑑定すると。
「じょ、浄化の力だ………」
えええええと驚きの声が防音結界の中に響いたのだった。
「まじもんの聖獣じゃねぇか!!」
「浄化の力が使えるんだね、カナちゃんすごいなぁ」
ガイアが驚き、可愛いものが好きなようなビリーはカナの頭を撫でている。
『ただの変異種では無かったけれど浩一さんが居るからこそ開花した光魔力と浄化の力………浩一さんこっちに戻って来て研究とかしません?』
「ピューレさん勧誘しないでください」
「うーん、これは他の魔物も気になるねぇ」
アイリッシュがピューレを止め、ミッシェルがカナを見ていると、ビリーが言う。
「人間や魔族には影響ないんですか?」
あーとみんな浩一を見る、浩一は困ってしまってどうしようと思っているとアイリッシュが助け船を出す。
「聖女屋敷で見た時には私にはステータス上昇と体力回復のバフが付くだけだったわよ、魔力の多い魔族は魔獣と生態が近いからわからないけど」
ふむと、ミッシェルが頷く。
「なら今日の食事でステータスを見ながら食事してみよう」
そうだなということで会議が終わり、浩一とガイアは筋トレ、アイリッシュは魔導書を読み込み、ミッシェルはビリーの弓矢の魔法操作の精度を上げるための訓練を始める。
そうしていたらコカトリスを抱えてマーサ達が帰って来た。それを浩一が料理し、ミッシェルとビリーがステータスを見ながら食べる。
「なんで二人はステータスを見ているのですか?」
そんな二人にマーサが聞くのでミッシェルが言う。
「浩一の料理はステータス上昇するからね、どんな効果か調べて訓練すれば効率がいいんじゃないかと思ってね」
「ぼ、僕の魔力値上がってます!魔法操作がもっと精度を上げられそうです!」
「本当だな!浩一の料理はすげぇな!」
喜ぶビリーのステータスを覗くガイア、
「なるほど!それはいいですね!破廉恥シスターはたまにいい事言います!ステータス!」
「そりゃどーも」
ミッシェル、マーサ、ビリーはステータスを見ながら食事をしている。
「破廉恥シスターのステータスはどうなんです?」
マーサはミッシェルのステータスを見ようとする。
まずい!ステータスを見られたら魔族とバレる!!
浩一は止めようと手を伸ばすが間に合わない!
「マーサさん!」「マーサ僧侶!」
アイリッシュと浩一が叫んだ!




