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さぁ竜馬

誰よりも早く起きる癖は昔から、日が出る前に目が覚め、みんなの邪魔にならないところで体力作りをする。


「おはようございますわぁん浩一様ぁん」


「う、うん、おはようねぎま、よろしく」


「はいですわぁ!」


そしてネギの素振り、うさぎ跳びに走り込み、日が出てきたら浩一はライフボックスに入る。


「カナ、リア、卵もらうね」


「ぴぴ!」「ピー!」


ライフボックスの巣を見ると卵が4つ。


「ありがとう、今日もおいしそうだ」


「きっきき」


振り向くとケンが居る。


「おはよケン」


「ききき!」「きーーーー」


「ダイ、ユウもおはよ」


「「「きっき!」」」


「清よろしく」


浩一が清に手を出すと清が浩一のかいた汗を食べる。

そうしているとライフボックスの入り口から声が聞こえる。


「おはよう、浩一、いい汗をかいたみたいだね」



まだ汗のある額をペロッと舐めるミッシェル。


「ちょ!ミッシェルさん!それ止めてください!」


「ごめんなー、朝ご飯楽しみにしてるよ!」「きいいい!!小娘目ぇ!!!」


ねぎまの叫びなど関係なく、ミッシェルはどこかに行く、ミッシェルは毎朝、一人の時間をとるのだ。

浩一ははぁとため息をつき清に綺麗にしてもらったら、温志の方に行く。


「温志、今日もよろしくね」


ぷるるんと震える温志がぴょんぴょんと外に出る、みんな外に出て好きに活動する。

浩一が温志を使って料理をしていると。アイリッシュとビリーが起きて来た。


「おはよー」

「おはようございます」


「おはよう、今作ってるから待っててね」


「りょうかーい、ふわぁ、清ー顔洗ってー」


アイリッシュに声をかけられて、ライトスライムの光輝と一緒に花を愛でていた清がプルンと震える。

微笑ましいなぁと思いながら料理していると、ガイアが起きて来る。


「おーう、お前ら早いな、おはよー」


「おはようございます、今朝ご飯作ってるので待っててくださいね」


「おう、なんか手伝うか?」


「あ、じゃぁ温志が温めてるスープかき混ぜてもらっていいですか?」


「おー朝からシチューか、いいな」


「バケットも少しあぶろうかと思いまして」


「お、いいな、美味そうだ」


そこにマーサとロトが起きて来る。


「おはようございます」

「はよー」


2人にみんなも挨拶する、ミッシェルはいつの間にかオノケ達の訓練をしているみたいだ。


いつもの朝にアイリッシュとビリー、ガイアが入って来てにぎやかだなぁと思っていると視線を感じる。

見るとビリーが浩一をボーと見てる。


「ビリー君?大丈夫?」


「ま」


「ま?」


「ママ……」


「え!?」


浩一が驚いていると、ビリーはぼろぼろ泣き出した。


「わーーービリー君大丈夫!?」


そこにアイリッシュが入って来る。


「もー、浩一がおかん過ぎてママ思い出しちゃったの?」


「お。おかん…」


ぼろぼろと泣きながらビリーは頷く。

そんな姿を見て心配もあるが自分でママを思い出すという事に微妙なもやもやを感じる。


「ガイア、ビリーをテントに連れて行くわね」


「おう、ありがとうな」


アイリッシュがビリーをテントに連れて行き慰めるようだ、

アイリッシュは結構厳しいが大丈夫だろうかと思いながら見送った。


「まぁ確かにお前すごい母ちゃん感あるよなぁ男なのに」


ガイアの言葉にグサッと言葉が刺さる。


「俺の二つ名………」


「二つ名あるのか」


「勇者パーティーのオカンなんですよ」


「おかん」


「おかんです」


静かな時間が流れる、


「ぶっ」


ガイアが噴き出した。


「だはははははは」「ぎゃははははは」


なぜかロトも笑っている。


「なんでロトも笑ってんだよ!!」


「いや、何度聞いても面白いだろ勇者パーティーでオカン」


「うるさい!ほら!もう朝ご飯できたよ!!」


浩一はぷんすか怒りながら配膳する、その頃にはミッシェルもビリーとアイリッシュも食事の場に戻っていた。


そして移動という事で、だ、


「浩一―!ファイトー?」


「い、パ……つぅぅぅぅ」「「「きききぃ」」」


アイリッシュ、マーサ、ミッシェル、ビリーを乗せた荷馬車を引く浩一と押すオノケ達。


「ぼぼぼ、僕乗ってていいんですか?」


「おー頑張れ坊主―、俺も押してやろうかー?」


「だいじょぉぉぉおぶぅぅぅううう!!!」


あまり動かない荷馬車の隣をガイアはゆっくりついてくる。

1キロほど移動して休憩になった。


「さてさて、夜になる前に竜馬に行こうかね」


ミッシェルがそう言いながら満身創痍の浩一を荷馬車に乗せる。


「は?無理だろ、後2日はかかる距離だぞ!?」


ガイアがオノケを乗せながらそう言うとミッシェルがニヤッと笑う。


「そうだなぁ?浩一、オノケをライフボックスに入れな」


「あぃ、ら、ライフ、ぼっくす」


浩一がライフボックスを開くとオノケ達がのそのそ入って行った。


「全員、馬車に乗れよー」


ミッシェルは準備運動をしている。


「どうすんだ?」


ガイアは荷馬車に乗ってアイリッシュに問う。


「ガイア、ビリー、舌噛まないように、それとしっかり馬車につかまって」


「おう?」「は、はい」


「全員乗ったなー魔法かけるぞー!」


ミッシェルが何か魔法をかける。


「今日は惨めな姿をさらしませんよぉ!」


マーサが気合を入れて馬車につかまる。


ガイアとビリーが疑問に感じていると。


「せーーの!」


ガウン!と言う音と共にミッシェルと荷馬車は出発し

豪速馬車が森を切るように走って行ったのだった。


ゴゴゴゴゴ、ゴオオオオッ!


轟音を立てて止まる頃にはもう夕方で、そこは竜馬の国境の町、白虎領の外壁近くだった。


「ここからは歩くぞー、歩ける奴いるかー?」


「すげぇなミッシェル!チョー楽しかった!」「ミッシェルさんサイコー!」「こ、怖かった」


ガイアとロトとビリーは平気な様子だ、いや、ビリーは怖かったみたいだが。


「きょ、今日は耐えたぞ」


「防風結界張ってたのに圧力感じた。」


「ぎもち悪い」


ミッシェルの張った結界のおかげで昨日の荷車よりましだが、昨日よりも激しい揺れに、3人はボロボロだ。

特に浩一は満身創痍で乗っていたのでげっそりしている。


うううとうなる浩一にヒールをかけるアイリッシュ、背中をさするビリーと………要介護だ。


「うーんもちょっと鍛えないとだな、浩一」


「浩一は運動経験ないから仕方ないとして、マーサ僧侶もきついのか?」


「うっ」「「「あ」」」


ガイアのデリカシーの無い言葉がマーサに突き刺さる。


「どうせ私なんて………」


「大丈夫だぞーマーサーお前だけじゃないからなぁ」


しくしくと泣くマーサの背をロトがさすり励ましている。


「あーあ、ガイアさん傷つけた。」


「私も言わなかったのにな」


「ガイア………」


「ガイアさんそれはダメですよ」


「す、すまん」


ガイアが謝り、何とか慰められたマーサを連れて、外壁の検問まで歩くのだった。


冒険者カードを持つものは無料で通りアイリッシュとビリーは1000円を払う。


門を通ると、中華系のような日本にも近い感じの街並みに着物のような服を着た人たちが行きかう。


「京都みたい」


ロトがふわっと飛んで来てすぽっと浩一の腕に収まる。


「日本に近くて馴染みやすいだろ?」


「そうだな」


浩一は瓦屋根の家を見ながら、弟を思い出し、こっそり食べたお菓子の味を思い出していた。


「さて、もう夜になるからね、宿を探すよ」


ミッシェルの言葉に意識を戻しそちらを見る。


「私がいいところを知っている、行くぞー」


浩一は慌てて付いて行くのだった。



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