赤ちゃん勇者の世話係
「ほっほっほ!勇者が赤ちゃんとな、ほっほっほ!でも頼りになりそうじゃ、ほっほっほ!」
浩一はなぜか、ロトの保護者として国王の前に立たされている。
一応、頭を下げて王を見るがおとぎ話からでて来たようなゆるーい王様を見て、現実感が湧かず、そして隣にいる3歳の体で礼儀正しい姿勢をしているロトを見て気持ち悪さを感じながらも浩一も頭を下げている。
そしてロトが言う。
「うまれかわり、またごーとおーこくのためにはらあけうこと、うえしくおもいましゅ」
(生まれ代わり、またゴート王国の為に働けること、嬉しく思います)
舌足らずながらも頑張って話すロトに周りはデレデレだ。
「きゃ、きゃわたん!こんなに可愛いのにしっかりして居るし前世の記憶があるなんてすばらしいのぉ!でも赤ちゃんなのじゃよなぁ、魔国は4つの人の国の内2つを滅ぼした。しばらくロトキュンの力を借りないでしのがねばだなぁ」
王がそう言うとロトは姿勢を正して立つ。
「国王陛下!そのような状況えあいまちたら、ことは一刻をああしょうはず!このちいしゃき身でも国のため、わたちは魔王とうばつに向かいましゅ!どうか行かしぇてくりゃしゃい!!」
(国王陛下!そのような状況でありましたら、事は一刻を争うはず!この小さき身でも国の為、私は魔王討伐に向かいましゅ!どうか行かせてください!!)
「いや無理だろ。お前3歳だぞ!?」
思わず浩一は突っ込みを入れる、王もその言葉に困ったように返す。
「うーん、でもねぇ、君ねぇ、3歳だからねぇほっほっほ、難しいと思うよぉ?危ないしぃ、私の娘のリリィのお婿さんにもなって欲しいしぃもうちょっと大きくならないとぉねぇ?」
「でしゅが国王陛下!魔王の間の手はしゅぐ、しょこなのでしょう?ドワーフ王国もエリュフ王国も頼れないはずでしゅ!亜人でしゅからね!」
(ですが国王陛下!魔王の魔の手はすぐ、そこなのでしょう?ドワーフ王国もエルフ王国も頼れないはずです!亜人ですからね!)
「それはそうなんだけどねぇ」
「王しゃま・・・・ダメでしゅか?」
(王様・・・・ダメですか?)
ロトは手を前に持ってきてお願いポーズでウルウルお目目で王様と教皇を見るので周りの人達はきゅんきゅんメロメロになる。
「はうぅぅぅ、ろ、ロトキュン可愛いねぇ!わかった!ロトキュンは最強の勇者だもんねぇ!行っちゃおう!魔王討伐!」
「はぁ!?!?!?!?!?」
驚くのは浩一だけで周りは頑張ってねぇ、なんてもうお見送りモードだ。
「じゃぁじゃぁ、ロトきゅんの為にー、聖鎧とー、聖剣をあげるねぇ!」
王様がそう言うと、教皇が司祭を後ろに連れてロトの前に出る。
「勇者ロトに神の祝福があらんことを」
そう言ってどう見てもロトには大きな聖鎧を着せたが、聖鎧はきゅっとロトサイズの熊の着ぐるみになり、ロトに渡された剣はロトサイズのかわいい剣になった。
「なんでもありかよ」
浩一がそう言っていると教皇は浩一の方を向く。
「そして神田浩一殿、貴方にはこちらを」
浩一に渡されたのは光輝く
白ネギとエプロンだった。
「え?は?なにこれ」
浩一がそう言うと教皇はさも当り前のように言う。
「これは貴方がこちらに来る時に持っていたものです、どうも世界渡りをする時に神の祝福を受け、聖なるネギとエプロンに代わっていたのです」
「なんだそりゃ」
浩一の言葉に教皇はにっこりと言う。
「エプロンはアダマンタイトほど防御力に優れ、ネギは食べれば身体強化魔力強化に、武器として振れば力強い剣になるようです、食べてもすぐ再生するので腐ることも無く、永遠に貴方の力となるでしょう」
「はぁ?」
教皇は浩一にネギを渡す
「この聖なるネギとエプロンで勇者の力となりなさい、それがあなたの使命です」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!???????」
浩一が口を開けて驚いていると王が笑う
「っほほほ、ね、ネギ戦士!ほ、ほほほほほほほほ」
大爆笑の王様に周りの者達も笑っている。教皇だけが真面目な顔をして誰かを見る。
「マーサ・フレング、こちらに」
「はい!」
司祭の中からイケメンの眼帯をした僧侶が出て来た。
「貴方に勇者パーティー入隊を命じます、この世界を子供二人では歩き辛いでしょう、しっかり力になりなさい」
「創造神カラバッシュ様の名のもとにしっかりと幼い勇者達を導きましょう」
「よく言ってくれました。しっかり、支えるのですよ」
「お任せください」
マーサがそう言うと王様が笑う。
「っほっほっほっほ!マーサ僧侶がついてくれるならこれ以上安心なことは無いのぉ!間宮ロトを勇者と任命し、僧侶マーサの同行を許可する、そして神田浩一を勇者の世話係と任命する!」
「はぁぁぁぁぁ????????」
驚き付いて行けない浩一など置いて行かれ、もう話はまとまった。
「さぁ行け!勇者一行!人間の未来はお前達にかかっているのだ!見事魔王を討伐せよ!」
「「御意」」
「納得できるかぁああああああああ!!!」
こうして浩一の異世界生活が始まった。




