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プロローグ

家庭の事情で進学ではなく就職を考えながら、家のこともする高校3年生、神田浩一(18歳)、学校終わりに走って、どうにか間に合ったスーパーのタイムセールで卵や特売の白ネギに他の食材ですき焼きでも作ろうかと考えながら、最愛の弟の為に家に向かう坂を歩いていた時だった。

突然、悲鳴が聞こえた。


「いやあああ誰かーーーーー止めてえええええ!!」


その叫びは坂の上からする、そして声と共に勢いよくベビーカーが近所の3歳の男の子ロト君を乗せて走ってくる。

坂の上では自治会長さんや近所のおばさん達が怒鳴っていて、青い顔をした携帯を持った自転車に乗る男の子が震えていてベビーカーを見ている。こけて少し怪我をしているロト君のお母さんが、必死に立ち上がってこっちに来ようとしていた。

このままでは危ないと、浩一は走ってくるベビーカーを掴んでどうにか止める、ベビーカーの中を確認すれば、平気な顔のロトが満足げに言う。


「うむ、よく止めたな!こういち!」


相変わらず偉そうなロトにため息をついた瞬間だった。

浮遊感と謎の光に包まれ、眩しさに目を閉じた。

しばらくするとざわざわと大勢のささやきが聞こえて目を開いた。

そこは閑静な住宅街の坂道には到底見えない神殿の祭事の間のような場所に沢山の人が集まっている。


「成功だ!召喚は成功だ!」


「勇者様が降臨なされた!!!」


喜び歓喜の声をあげる周りの人々。


「へ?勇者?」


一人の厳かな格好をした若く美しい人が浩一達の側に来る、そしてロトを持ち上げる。


「勇者様!お待ちしておりました!」


「え?そっち!?」


「うむ、よくわかったなな、おえが勇者おとだ!」

(うむ、よくわかったな、俺が勇者ロトだ!)


「ろ、ロト君!!?????」


こうして前代未聞の赤ちゃん勇者が誕生した。



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