第28話:絶望の業火
ご覧いただきありがとうございます。「迷宮の底、復讐の血脈はモンスターを屠る」第3章・第28話です。
激昂した漆黒の竜が放つ圧倒的な業火のブレス。絶望的な状況の中、一歩も引かないルインと、その盾となるガルドの死闘を描いた緊迫の展開をお楽しみください!
「ガアアアァァァァァッ――!!」
漆黒の竜の喉の奥から、すべてを焼き尽くすかのような狂乱の咆哮が轟いた。
自らの鱗に亀裂を入れられ、黒い血を流したことへの屈辱と激痛が、その理性を完全に焼き払ったのだ。竜の巨大な口の奥から、赤黒くぎらつく高熱の魔力が禍々しい光を放ちながら急速に収束していく。
「おい、冗談だろ……! まさかあの規模のブレスを、こんな至近距離で撃つつもりか……ッ!」
少し離れた場所で踏みとどまっていたガルドが、目を見開いて叫んだ。
地下空洞の温度が跳ね上がり、呼吸をするだけで肺が焼けるような熱気が二人を包み込む。逃げ場などない。まともに直撃すれば、この広間ごと跡形もなく蒸発させられることは明白だった。
だが、ルインはその場から一歩も引かなかった。
血まみれの顔に浮かぶのは、恐怖ではなく、かつて村を滅ぼしたあの日の悪夢がそのまま目の前に現れたことへの、狂気じみたまでの歓喜だった。
「逃げる必要はない」
ルインの冷徹な声が、轟音の中ですらハッキリと響いた。
「ここでこの化け物を焼き尽くす。……僕のすべてをかけて」
竜の口から、広間全体を飲み込むほどの圧倒的な業火のブレスが解き放たれた。
視界のすべてが赤黒い炎に染まり、空間そのものが溶解していくような錯覚に陥る。
「くそっ……! 死んでも知らねぇからな、このバカガキがッ!」
ガルドは愛用の戦斧を地面に突き立て、全身の魔力を限界まで練り上げて巨大な闘気の壁を展開し、その凄まじい熱波の直撃を正面から受け止めた。
激しい衝突音と光の奔流の中で、ルインとガルドの運命をかけた限界の攻防がいま、最高潮を迎える。
第28話「絶望の業火」最後までお読みいただきありがとうございました!
竜の全力を込めたブレスが放たれ、物語はまさにクライマックスの様相を呈してきました。圧倒的な絶望を前にしても折れないルインの執念と、ガルドの熱い男気が交錯するこの戦いの結末はいかに――?




