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家族を奪った怪物たちを根絶やしにするまで。〜絶望の底で芽吹いた復讐の血脈〜  作者: 凪塩 未来


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第24話:王都の底の静寂

ご覧いただきありがとうございます。「迷宮の底、復讐の血脈はモンスターを屠る」第24話です。


深層の魔傀儡との死闘がついに決着し、その背後に隠されたさらなる真実の気配に気づくルインとガルド。緊迫のバトル後の余韻と、次なる旅路への一歩を描きました!

「ガアア……アァ……」


深層の魔傀儡(まかいらい)の喉から、空気の漏れるような情けない呻き声が漏れた。

心臓の核を短剣で完全に貫かれたその巨体は、先ほどまでの圧倒的な威圧感を嘘のように失い、ぐらりと大きく揺らいだ。全身を覆っていた青白い魔力の光がガラス細事のようにひび割れ、パラパラと虚空へと散っていく。


「我が……この私が、人間のガキごときに……」


最後まで言葉を紡ごうとした魔傀儡の複眼から、光が完全に消え失せた。

ドスンッ、という地響きを伴って、その異形の巨体が古代の石畳の上に崩れ落ち、二度と動かなくなる。王都の地下を長年蝕み、恐怖の源となっていた厄災は、こうして完全にその命脈を断たれた。


静寂が、古代遺構の広間に訪れた。


ルインは荒い息を吐き出しながら、血まみれの短剣を死体の核から引き抜いた。

全身の古傷が開き、新しい傷からの出血と相まって、彼の衣服はすっかり黒ずんだ赤に染まっている。だが、その瞳の奥にある冷徹な光は、勝利の余韻に浸るどころか、さらに鋭く研ぎ澄まされていた。


「終わったか……」


少し離れた場所で戦斧を支えにしていたガルドが、大きく息をつきながら近づいてきた。

その顔には深い疲労の色が滲み出ているが、どこか安堵したような表情も浮かんでいる。


「あぁ、完全に絶命してるな。これで王都の足元を狙う脅威は消えたってわけだ。……よくやったな、ルイン」


ガルドが労うように声をかけたが、ルインは返事をせず、崩れ落ちた魔傀儡の遺骸をじっと見下ろしていた。

魔傀儡の消え去った心臓の核の跡地から、わずかに黒ずんだ魔力の残滓が立ち上り、さらに深い地下通路の奥へと吸い込まれていくのが見えた。


「……違うな、ガルド」


ルインの低い呟きに、ガルドは眉をひそめた。

「何がだ?」


「あいつはただの『傀儡』だ。操り人形にすぎない。……この奥には、もっと別の何かがいる。本当の元凶が、この世界のさらに深淵で僕を待っている」


その言葉に、ガルドは苦笑を浮かべるしかなかった。

「やれやれ……本当に休む暇のない男だぜ。だがまぁ、お前がそこまで言うなら、最後まで付き合ってやるよ。どうせ今さら引き返せるようなタマじゃねぇしな」


王都の地下深くに巣食う最初の闇は払われた。だが、少年の終わらない復讐の旅路は、まだここで終わるはずもない。

二人は崩れ落ちた魔傀儡を背にし、さらなる未知の深淵へと続く暗い通路へと再び歩き出した。

第24話「王都の底の静寂」最後までお読みいただきありがとうございました!


強敵・魔傀儡を打ち破り、王都の危機を救ったかに見えましたが、ルインの目はすでにその先にあるさらなる深い闇へと向けられています。ガルドとの絆も深まり、物語はいよいよ第2章の大きな転換点へと進んでいきます。

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