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家族を奪った怪物たちを根絶やしにするまで。〜絶望の底で芽吹いた復讐の血脈〜  作者: 凪塩 未来


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第22話:魔傀儡の嘲笑

ご覧いただきありがとうございます。「迷宮の底、復讐の血脈はモンスターを屠る」第22話です。


言葉を話す異形の魔傀儡との激突。圧倒的な速度と呪力を誇る強敵を前に、あえて懐へと飛び込み一撃を見舞うルインの死闘を描きました。緊迫のバトルをぜひお楽しみください!

「ククク……人間の分際で、我が深淵の領域に踏み込むか。その身に宿る血と狂気の匂い、実に香ばしい」


深層の魔傀儡(まかいらい)が幾重にも重なる複眼をいやらしく細め、人間の言葉でそう嘲笑った。

上半身のヒトに似た不気味な腕がゆっくりと持ち上がり、その指先から青白い粘液まじりの魔力が糸のように空間へと張り巡らされる。周囲に転がるミイラ化した冒険者たちの乾いた肉体が、その魔力に反応するかのように微かに痙攣した。


「気をつけろ、ルイン! あいつは死体を操るか、あるいは周辺の魔力を吸収してやがる……!」


ガルドが戦斧を構え直し、臨戦態勢に入りながら低い声で警告した。

その言葉を証明するかのように、魔傀儡の周囲に漂う青白い光が急速に膨れ上がり、空間全体の重圧が一層増していく。呼吸をするだけでも肺が焼けるような、圧倒的な呪詛の圧迫感だった。


だが、ルインは一歩も引かなかった。

血に染まった短剣をしっかりと握り締め、冷徹な瞳でその異形の怪物をまっすぐに見据える。


「喋る化け物か……。あの日の巨獣の腹の中でも、お前みたいな気色の悪い声で鳴く奴がいたな」


ルインのその一言に、魔傀儡の複眼の色が怒気を含んだ深紅へと変わった。

「小僧……! 虫けらの風情が、我が神聖なる領域を汚すか!」


激昂した魔傀儡が、無数の蜘蛛の脚で床の石畳を砕きながら一気に間合いを詰めてきた。

その突進の速さは、これまでのどんな魔獣をも凌駕している。避けられない。そう直感した瞬間、魔傀儡の巨大な腕が容赦なくルインの頭上めがけて振り下ろされた。


「くっ……!」


ガルドが叫び声を上げ、味方を庇おうと踏み出そうとしたが、間に合わない。

しかし、ルインの身体は最初から避ける気などなかった。


(――遅い)


頭上から迫る巨大な腕の軌道をわずかな身のこなしで半身ずらし、あえてその硬質な外皮に身をかすめさせる。

激しい風圧がルインの頬の皮膚を裂き、鮮血が飛び散った。だが、その痛みが少年の殺意を最高潮へと爆発させる。


「もらった……!」


ルインは魔傀儡の腕の継ぎ目、そのわずかに青い魔力が漏れ出している急所めがけて、全体重を乗せた短剣を突き立てた。

硬質な外皮が激しい金属音を立てて砕け散り、魔傀儡の体内からおぞましい紫色の呪血がドクドクと噴き出した。

第22話「魔傀儡の嘲笑」最後までお読みいただきありがとうございました!


喋る魔物である魔傀儡の圧倒的な威圧感と、それを恐れるどころか自らの傷さえ利用して懐へと潜り込むルインの狂気的な戦闘スタイルが交錯する回となりました。いよいよ形勢逆転の狼煙が上がったこの戦いの結末は――?

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