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家族を奪った怪物たちを根絶やしにするまで。〜絶望の底で芽吹いた復讐の血脈〜  作者: 凪塩 未来


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第20話:地下の深淵に散る

ご覧いただきありがとうございます。「迷宮の底、復讐の血脈はモンスターを屠る」第20話です。


鬼面のシャーマンとの死闘の決着、そして王都の地下水路に潜むさらなる深淵の影を描きました。亜人の軍勢を打ち破ったルインの次なる目的地とは――? 緊迫のバトルと物語の転換点をお楽しみください!

「シィィィィッ……!」


鬼面のシャーマンは、目の前に迫ったルインの殺気に気圧されながらも、焦燥に駆られて杖を激しく振るった。紫色の禍々しい呪力が収束し、空気そのものを切り裂くような鋭い光弾となってルインの胸元へと放たれる。至近距離からの回避不能の一撃だった。


だが、ルインはそれを避ける気など毛頭なかった。

光弾が左肩の衣服を焼き焦がし、皮膚を抉る激痛が走る。だが、その痛みが逆にルインの神経を最高潮まで研ぎ澄ませた。血塗れの少年の瞳には、恐怖の色など微塵もなく、ただ獲物を引き裂くことだけが映っている。


「遅いと言ったはずだ」


冷徹な呟きとともに、ルインはシャーマンの懐へと完全に飛び込んだ。

驚愕に歪んだシャーマンの眼差しの前で、ルインの両手がその醜悪な木製の面をガッチリと掴み取る。


「ガァッ……!?」


「その面の下に隠された醜い顔ごと、引っこ抜いてやる」


全身の力を込めて引き剥がされた鬼面は、派手な音を立てて真っ二つに砕け散った。

呪術の源であった面が割れた瞬間、シャーマンの体からすべての魔力が急速に霧散していく。頭部を直撃した強烈な衝撃と呪力の反動により、異形の統率者は大きくよろめいた。


そこへ、追いついたガルドが戦斧を重く振り下ろす。

「隙だらけだぜ、化け物崩れが!」


ガルドの戦斧がシャーマンの巨体を強烈に叩き伏せ、地下水路の石畳を激しく揺らした。

重い地響きとともに、鬼面のシャーマンは黒い血を吐き出しながら、二度と動かなくなった。


指導者を失った亜人の軍勢は、瞬く間に瓦解した。

生き残ったトカゲ型の亜人やオークたちは、恐怖に駆られて暗闇の奥へと我先にと逃げ出していく。追う者はない。静寂を取り戻した地下水路には、ただ生臭い血の匂いと、滴る水音だけが残されていた。


「はぁ……終わったか」

ガルドは戦斧を肩に担ぎ、深く息を吐き出しながら崩れ落ちた敵の死骸を見下ろした。

「さすがだな、ルイン。お前がいなければ、この王都は気付かぬうちに内側から食い破られていたかもしれない」


だが、ルインはその言葉に返事をしなかった。

彼は血に染まった短剣を乱雑に拭うと、逃げ去った亜人たちが消えたさらに暗い地下通路の奥をじっと見据えていた。


「どうした、ルイン?」


「……終わりじゃない」


ルインの冷徹な声が、湿った地下水路に低く響く。

「あいつらは、ただの尖兵にすぎない。この地下のさらに底には、もっと大きな何かが潜んでいる」


王都の危機は去ったように見えた。だが、少年の復讐と血塗られた旅路は、ここで終わるはずもなかった。

さらなる深淵へと続く闇を見据えながら、ルインはゆっくりと足を踏み出していく。王都の地下に眠る真の闇を断ち切るため、少年の刃は再び研ぎ澄まされていく。

第20話最後までお読みいただきありがとうございました!


王都の地下を揺るがした異形の軍勢との戦いがついに決着しました。しかし、ルインの視線はすでにその先にあるさらなる深い闇へと向けられています。ただの復讐者から、世界に巣食うすべての闇を断つ者へと変貌していく少年の旅路は、まだまだ終わりません。

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