第18話:暗渠の死闘
ご覧いただきありがとうございます。「迷宮の底、復讐の血脈はモンスターを屠る」第18話です。
地下水路での大混戦の中、ついに敵の指揮官である「鬼面のシャーマン」の姿を捉えたルイン。亜人の軍勢を切り裂き、主へと迫る緊迫のバトル回をお楽しみください!
「ガァアッ……!」
ガルドが振るった戦斧が、突撃してきたオークの巨体を文字通り両断した。飛び散る黒い血が石畳を濡らし、周囲の空気が一層生臭さを増していく。
だが、数を頼みにした亜人の軍勢はひるむことなく、次から次へと暗がりから這い出てきた。
「キリがねぇな……! 一体どこから湧きやがるんだこの数は!」
ガルドは額の汗を拭い、荒い息を吐き出しながら背中合わせのルインに声を飛ばした。
その言葉に答えるように、ルインの瞳が冷たく光る。雑魚の群れを相手にしている暇はない。この軍勢の意識を統率し、奥で糸を引いている「主」の気配が、わずかに揺らいだのをルインの五感は正確に捉えていた。
「後ろは任せる」
短くそれだけ告げると、ルインは亜人の群れの只中へと単身で跳び込んだ。
「おい、ルイン……っ!」
ガルドの制止を背に聞きながら、ルインは飛来する毒の吹き矢を紙一重で躱し、トカゲ型の亜人の懐へと潜り込む。
迷いのない一撃が、装甲の薄い胸元を正確に貫いた。血塗られた短剣を引き抜くと同時に、その勢いのまま周囲の敵へと牙を剥く。
(――あそこだ)
群れの奥、排水区画のさらに深くに続く巨大な鉄格子の向こう側。
薄暗い光の中に、異様に巨大な影がどっしりと腰を据えていた。それは、ただの亜人ではなく、黒ずんだ呪術の杖を握りしめた『鬼面のシャーマン』だった。あいつがこの軍勢を操り、王都への侵攻を企てていた元凶に違いない。
「見つけた」
ルインが冷徹につぶやいた瞬間、鬼面のシャーマンの目が恐怖に大きく見開かれた。
少年の圧倒的な殺気が、群れの隙間を縫ってその心臓へと直撃する。
第18話「暗渠の死闘」最後までお読みいただきありがとうございました!
ガルドとの共闘で群れを圧倒し、敵の黒幕に狙いを定めるルイン。次話ではいよいよこの地下集落の主との直接対決が描かれます。王都を脅かす陰謀の行方はいかに――?




