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家族を奪った怪物たちを根絶やしにするまで。〜絶望の底で芽吹いた復讐の血脈〜  作者: 凪塩 未来


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外伝4:黒き刃の目覚め

ご覧いただきありがとうございます。「迷宮の底、復讐の血脈はモンスターを屠る」外伝4――黒き刃の目覚めです。


奈落の深層で単身、魔物の群れと対峙し、さらに研ぎ澄まされていくルインの戦闘と孤独な内面を描きました。容赦なく敵を屠っていく少年の圧倒的な姿をお楽しみください!

太陽の光が届くことのない、奈落の迷宮のさらに深層。

湿り気を帯びた冷気が肌を刺す中、ルインは単身、漆黒の壁にもたれかかって目を閉じていた。


(――また、あの夢だ)


夢の中では、いつも同じ光景が繰り返されていた。

燃え盛る村の炎、逃げ惑う人々の悲鳴、そしてすべてを飲み込む巨大な黒い影。あの時、喉の奥まで押し寄せてきた泥と血の味が生々しく蘇り、ルインの指先が微かに痙攣する。


目を開けると、視界の隅にぼんやりと青白いシステムウィンドウのような光景――ではなく、ただ冷徹に研ぎ澄まされた現実の闇が広がっていた。ゲームの主人公のようにリスポーンなどできない。あの日の死から逃れられたのは、ただの偶然と、奇跡的な運にすぎなかった。


「ハァ……」


小さく吐き出した息は、すぐに冷気の中に溶けて消える。

全身の古傷がピリピリと痛むが、その痛みこそが、自分が今「生きている」ことの唯一の証明だった。正確には、生かされているのではなく、殺すために引き延ばされているだけなのだが。


「シャアア……ッ!」


不意に、頭上の暗闇から這いずり回るような不気味な気配が降りてきた。

Aランクの迷宮をうろつく上位種の魔獣――『影魔蜘蛛(シャドウ・タランチュラ)』の群れだ。その姿は闇に溶け込み、気配を完全に断って獲物の死角を狙う厄介な捕食者だった。


だが、ルインの五感はすでに通常の人間を遥かに超越していた。

音もなく迫る気配を察知した瞬間、ルインの身体は反射的に跳ね上がる。


「遅い」


冷徹に呟いた少年の手から、血に染まった短剣が闇を切り裂いた。

一匹目の影魔蜘蛛の頭部を正確に捉え、硬い外皮ごと脳髄を抉り抜く。返り血が顔を熱く濡らし、それがかえってルインの頭の芯を鋭く研ぎ澄ませた。


群れは一匹ではなく、暗闇のあちこちから五、六匹が同時に糸を吐きながら襲いかかる。

だが、今のルインにとって、それは恐怖の対象ではなく、ただの「解体すべき肉の塊」でしかなかった。


避けず、怯まず、敵の懐へと飛び込む。

一歩、また一歩と血の海を踏みしめながら、少年の短剣は正確無比に魔物たちの急所を断っていく。蜘蛛の断末魔が洞窟に反響し、やがて再び不気味な静寂が訪れた。


返り血に染まったまま、ルインは冷たい瞳で闇の奥を見つめる。

強くなればなるほど、もっと強い化け物を求めてしまう。この渇きが満たされる日は、すべてのモンスターをこの世から根絶やしにするその瞬間まで訪れないだろう。


「……次だ」


誰に告げることもなく、少年の小さな影は、さらに深い暗闇の底へと吸い込まれていった。

外伝4「黒き刃の目覚め」最後までお読みいただきありがとうございました!


悪夢に囚われながらも、それを戦闘のエネルギーへと変えていくルインの姿を描かせていただきました。どれほど深い迷宮の底であっても、彼の歩みが止まることはありません。いよいよ外伝も次回の第5話で最後となります。

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