第15話:復讐の果ての光
ご覧いただきありがとうございます。「迷宮の底、復讐の血脈はモンスターを屠る」ついに最終話となる第15話です。
奈落の主・鬼甲獣との死闘の決着、そしてルインがたどり着いた復讐の果てを描きました。狂気と執念に満ちた少年のダークファンタジーの結末を、ぜひ最後まで見届けてください!
鬼甲獣の巨体が、ぐらりと大きく揺らいだ。
全身の装甲の継ぎ目という継ぎ目から、黒く濁った血がドクドクと噴き出している。僕が何度も狂気的に叩き込んだ短剣の一撃一撃が、確実にその巨獣の命脈を断ち切っていた。
「ガアアァァ……ッ!」
最期の一撃を放とうと暴れる鬼甲獣に対し、僕は一切の容赦なくその心臓の真下へと飛び込んだ。
もう恐怖はない。あるのは、すべての闇を貫く冷徹な殺意だけだ。
「……終わりだ」
全身の力を振り絞り、短剣を柄の根元まで深く突き立てる。
ぐにゃりと内部の組織が砕ける感触が手に伝わり、直後、鬼甲獣の巨大な身体が大地を揺るがして崩れ落ちた。静寂が、奈落の最深部を包み込む。
敵は動かない。完全に、絶命していた。
僕は荒い息を吐き出しながら、血まみれの短剣を地面に突き立ててその場に膝をついた。
全身の傷が疼き、意識が遠のいていくような疲労感に襲われる。だが、胸の奥にあった底知れぬ空洞は、不思議と嘘のように満たされていた。
――勝った。
あの日の暗闇で、ただ怯えて飲み込まれるだけだった幼い僕は、もうどこにもいない。
すべてのモンスターを根絶やしにするという旅路の、これは確かな第一歩だった。
上を見上げる。
はるか頭上の暗闇の彼方には、わずかに地上へと続く縦穴の光が差し込んでいた。
その光は、かつてのあたたかな日常を思い出させるものではなく、これから血塗られた道をさらに進むための、冷たく鋭い光だった。
「まだだ……まだ、終わっちゃいない」
僕はボロボロになった身体を無理やり立たせ、冷酷な瞳のまま、さらなる深淵へと続く闇の向こうへと歩き出した。
世界のすべての迷宮を屠り尽くすまで、少年の終わらない復讐の旅は、これからも続いていく――。
第15話(最終話)「復讐の果ての光」最後までお読みいただき本当にありがとうございました!
絶望の胃袋から這い上がり、「鬼童」「死神」と呼ばれながらも、すべてのモンスターを屠るためにただひたすら刃を振るい続けたルイン。彼の物語はいかがでしたでしょうか? 決して救いだけではない、けれど確かに彼の意志で切り拓かれていく血塗られた道筋を、ここまで一緒に歩んでくださり感謝しかありません。




