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実の子が見つかったからと邪険にされたので、屋敷を出た養女の話  作者: 山田 勝


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メアリー生誕祭

「グスン、姫、潜入失敗しましたわ・・グスン、グスン」

「気にしなくてもいいの~」



グルジア家に潜入してもらおうとクノ一の直美さんにナーロッパ人、なんちゃって白人に変装してもらって使用人ギルド経由で入ろうとしたが失敗した。


「変装解いていいの~」

「はい・・・」


ボムと煙が立って元の黒髪に黒い瞳の東方人に戻った。これも東方の妖術、魔法だ。


あたしゃ、あれから腹黒幼女になって情報を集めているが上手く行かない。

屋敷を張らせているが。


「グルジア家、ミレーヌ様は外に出ておりません。メイドだけですね」


こんな情報ばかりだ。


もしかして、何もしないつもりか?当日、物理攻撃か?

8歳になるまで後もう少しだ。

皆は誕生日会をすると言う。




「メアリー様、8歳の生誕祭の準備続けるネ」

「トーマスしゃん。いいの~」

「なるほど、是非、やって良いのですネ」

「ご遠慮しますの意味なの~」



どうやら、メアリーちゃんの8歳の誕生日を串焼きストリートあげて行うそうだ。



「串焼き半額です!」

「メアリー様パレードがありますよ~是非、おいで下さいませ~」


パレード?聞いてないな。


カール君とヘレネーゼ様もトーマス商会に来てあれこれ指示を出す。


「メアリー様の馬車に僕も乗ります。メアリー様の護衛騎士の役をさせて頂きます」


「メアリー様、馬車に飾りをつけますわ」

「ヒン!」(僕も)

「まあ、トニー殿も飾りますわ」


「いいの~」


何だか、勝手に準備が進んでいるな。

マリーさんが沈んでいる。メアリーの直属のメイドだ。


「あの、メアリー様、生誕祭が終わったら、私は・・・」

「王宮に来てもらいたいの。嫌でなければなの」


と言ったらパアと顔が明るくなったよこの子は、可愛いな。そう言えば彼女の明るさに救われたな。



フランクさんは近衛騎士団に復活して警備の指揮を執っている。


「予行練習だ!賊が襲ってくる可能性大!」


「フランクしゃん。頑張りすぎなの~」

「グスン、有難いお言葉。心配無用です。メアリー様、今度こそ、今度こそ、お守り申し上げます。当日、竜騎兵も空から守ります」


「竜騎兵・・・」

貴重すぎて王都決戦戦力と聞いた事がある。


「重すぎなの~」


ドラゴンか。見てみるかと思って。


空を見上げると。龍が飛んでいる。あれは、東方のドラゴン。国民的昔話アニメのオープニングに出てくるやつだ。我が王国の竜騎兵が二騎並列で飛んでいる。エスコートされているのか?


騎乗されているのはチィナ街の李先生か?


だが、違った。使者だ。チィナ人の若い男だ。


仰々しくを胸の前で手を組み。カーテシーみたいに膝を折った。

そう言えば、清朝時代の映像では、中国人は膝を折って礼をしている様子が映されていた。

行動様式は簡単に変わるみたいだな・・・・



「メアリー様、李先生からの贈物でございます!」

「有難うございますなの~」


使者は袋を一つ出した。


「どれどれなの~」

中身を見ると丸薬のようだ。


「これは太極丸でございます。これを一錠飲むと気が充満します。こちらの言い方では魔力増幅剤、霊薬でございます」


何だ。どっかの。仙人の豆か?


「李先生に使わせて頂くの~、有難うございますと言って下さいなの~」


「はい、確かにお伝えします。それと・・・この霊薬、使わなければ幸いと李先生のお言葉です」


「ハニャ?」


「消費期限は半年でございます。使わなければ捨てて下さいませ」



消費期限あるのか?


それだけ言って使者は帰った。龍の体は空に綺麗な線を引く。


思わずあの歌を歌いたくなったぜ・・・・


それから、厳重な警備の元、メアリー生誕祭が始まりやがった。

パレードは馬車で回り生誕祭が終わればそのまま馬車で王宮に入る。


「「「「メアリー様!!!」」」

「メアリー様、グスン、今まで有難うございました!」


ナタリーさんが涙を洪水のようにながしている。隣にサムソン親方に子供がいる。

再婚するのかな。


ヤンさんは微笑みながら手を控えめに振っている。らしいな。


「メアリー様~、皆、大好きですよ~~」


あれは呼び込み女王のリリーさんだ。声が通るな。


わたしゃ、馬車の窓から手を振る。

全てはここから始まったな。おすまし顔をするか?


「ハニャ?」


気がついたら。涙が頬を伝わっていた。隣に乗っているカール君がハンカチを出してくれた。


「メアリー様、ハンカチです」

「いいの~、この涙はそのままにしておくの~」

「はい、さすがメアリー様です」



【みなしゃま、ありがとうなの~、王城に行ってもメアリーはメアリーなの~グスン、グスン】


「「「「メアリー様!」」」


自分でも何を言っているか分からない。窓から半身を出して両手で手を振った。

そしたら。



バタン!バタン!と倒れる者が続出したよ。

罪な幼女だな。可愛さでメロメロになったか?

あたしゃ、伝説のロックバンドか?・・・・


「おい、大丈夫か?」

「泡、吹いているぜ・・・」


何か様子がおかしい。


「マリーしゃん馬車を止めてなの!」

「はい、どうどう」

「ヒヒ~ン」



急いで聖魔法で治療をする。


「ハニャー!」


何だ。体中から汗が出ている。

青白い・・・・

まさか、食中毒か?材料をやられたか?

人混みを見る。トーマス商会副会長のロバートがいた。


「ロバートしゃん!串焼きストリートは緊急閉鎖なの!」

「は、はい、でも俺・・・」

「貴方なら出来るの!メアリーの前に取り仕切っていたの!材料の調査なの~」

「はいい!」



5人治療をした。


「マスク配布なの~」

この世界は瘴気がある。マスクは既知であった。

「はい、メアリー様」


治した病人から聞き取り調査をする。身分は様々だ。


「・・・聖女様、私はヤンの串焼きを食べました」

「俺はまだ食べてないぜ。エールだ」


「私は来たばかりで何も口にしていません」


「ハニャ!!」


「まただ。倒れている者がいるぞ・・・」



・・・メアリーは転生者であるが病気の事は詳しくなかった。

だが、パンデミックは経験済みである。これから伝染する可能性が大と予想し数々の指示を出した。



「トーマス商会を解放なの~、治療院にするの~、ハニャ、トーマスしゃん。いいの?」

「トーマスと呼び捨てでイイネ、命令に従うネ」


「フランク、王宮へ通報は?」

「使者を出しました!女神教会へも」


「モーリス!分かっているの!貯め込んでいるポーションを全て出すの!」

「はい、もちろん」

「代金は後で渡すの~」

「ただで良いですよ。その代わりメアリー様自伝出版許可を・・」

「いいの~」


「マリーは人力車ギルドにお手紙を持って行くの!人力車は営業停止、病人搬送用にするの~」

「はい!」


「ヨサブロウとナオミはメアリーの側で待機なの!」

「「御意」」


「ヘレネーゼは・・・」

「分かっておりますわ!ベレッケ侯爵のタウンハウスも解放ですわ。貴族の義務ですわ!カール行くわよ」


「はい、姉上!」


「メアリー様、患者、糞尿を垂れ流しています」

「ハニャ、下水ギルドに相談なの。権限は与えるの。それと、ハンス工房に連絡、寝ながらウンチ出来るベッドの作成なの。丁寧じゃなくていいの~、数と早さが勝負なの~」



・・・メアリーは気がつかなかった。仲間を呼び捨てにし命令を出しているのを。

傲慢さではない。それは正に王女に相応しい姿であったと伝えられている。


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