魔王様。ボクは恋敵?ライバル出現!?ぬるぬるの触手の魔の手が魔王様を襲う!!6
ルシアに付いてきたボクとリゼは目の前に広がる光景に身を震わせながら顔を青ざめさせる。
そこには昼間だというのに真っ暗で薄気味悪い木々が生い茂っている森だった。
「なにここ……不気味だね……」
「な、なに? び、びびってるの? こ、子供ねぇー。わ、わたしはこ、こわくないけど?」
リゼはそう言って強がっているが、その体は小刻みに震えていて足はガクガクと動いている。
ボクもリゼも不気味な森を前に恐怖心から動けないでいた。
「……ここはルーの遊び場。ダンジョンと違って気持ち良くなるスライムいない……この森を抜ける。先に抜けた方が勝ち……かんたん」
ルシアは森の奥を指差して言った。
なんとなく予想はできていたが、ボクもリゼもそれを聞いて体を震わせながら後退りする。
「……もう勝負はボクの負けでいいかな?」
「私も……」
ボクとリゼは顔を見合わせてお互い苦笑いを浮かべる。
「……ダメ。勝負は大事」
「ちょっと……待って! ルシア待ってよ!」
「無理無理無理! 私帰る! お家に帰る!」
ルシアはボクとリゼの背中を押して強引に森の中へと進んで行く。
森の奥まで来てしまえば、すでにもう戻ることはできない。
「……ちょっと、動きにくいんだけど」
「しょ、しょうがないでしょ……暗いんだから……」
ボクの腕を掴んで体を密着させるリゼにボクは呆れた様子でため息を吐く。
ルシアはボク達の前を上機嫌で歩いていて森をどんどん奥へと進んで行った。
森の中は視界が悪く足元が見えないくらい暗く不気味な雰囲気に包まれていた。
時折吹く風で揺れる木々の音がボクとリゼの恐怖を掻き立てる。
「……歩きづらい。少し離れてよ」
「いやよ! ちょっと! 離れないで!」
「ちょっと……引っ張ったら、きゃッ!!」
リゼがボクの腕を引っ張ったことでバランスを崩して地面に倒れると、足元が急に坂道になっていて転がって行く。
ルシアはボクとリゼの悲鳴を聞いて振り返ったが、そこにはもうボク達の姿はない。
「……ん? ソアラ……どこ?」
そう言って辺りをきょろきょろとルシアが見渡していると、突風が吹いて周囲の木々が一斉に音を立てて葉を舞い散らせる。
グオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
その咆哮が森にこだましたのを聞いたルシアは目を輝かせる。
「たのしそう……デュランダル……」
ルシアが手を横に向けるとどこからか大剣が飛んできてルシアの小さな手がその大剣の柄をがっしりと掴んだ。
「……あそぼ。ふふ~ん」
そのまま、ルシアは鼻歌混じりに走り出すと咆哮の聞こえる方へと向かって行った。




