魔王様。ボクは恋敵?ライバル出現!?ぬるぬるの触手の魔の手が魔王様を襲う!!5
その後ろ姿を見送りながらボクはムカムカしながら不機嫌そうに眉間にしわを寄せる。
「なんだったんだ。あいつ……」
「……もぐもぐ。まったくその通り」
ボクの隣に突然現れたルシアはリゼの忘れて行ったパンの耳を食べながらそう呟いていた。
「うわっ! ル、ルシア。ごめんね置いてきぼりにしちゃって……」
「もぐもぐ。大丈夫……」
「ルシア……それ、さっきのあいつのじゃないの?」
「……うん。おいしい」
「……そ、そう。よかったね」
ボクと黙々とパンの耳を食べているルシアを見て苦笑いを浮かべた。
それからボクとルシアは喫茶店に寄ってケーキとさっき行ったクレープ屋でセシルへとお土産を買って街の入り口までやって来ると、そこにはリゼが目を赤く晴らしながら立っていた。
「待ってたわよ! 逃げようとしても無駄よ! ソアラ! 私と勝負しなさい!」
「……普通に嫌だけど?」
「勝負しなさい! 勝負してよ! 勝負して! 勝負!!」
「…………」
泣きながら叫ぶリゼにボクが困っていると、リゼがボクのスカートの裾を掴んで地面に座り込む。
「お願いだから勝負して……私、このままじゃ夜も眠れない……お願いよ……お願いします……」
「はぁー、分かったよ……それで、なにで勝負するの?」
泣きながら懇願されたボクは仕方なく彼女との勝負を承諾した。
「……ふふふっ、かかったわね? ソアラ」
リゼは立ち上がるとさっきまでのことが嘘のように、リゼは不適な笑みを浮かべ威張りながら言った。
「私が負けることなどあり得ないわ! 勝負の内容はあんたに決めさせてあげる! 感謝しなさい!!」
そう声高に叫んだリゼはビシッとボクを指差して言った。
ボクは面倒くさそうにため息を吐くと、隣にいたルシアが突然手を上げる。
「……はい。勝負の内容はルーが独断と偏見で決めます」
「えー、ルシアだとえっちなことになりそうで嫌だなぁ……」
「決めます!!」
強引に押し切られボクは仕方なく頷く。
「いいけど……スライムとかはなしだよ?」
「うん! 大丈夫!」
「ふふーん。なんでもどんとこいよ!」
不安になるボクを他所に自信満々にルシアとリゼが頷く。
ボク達はその後、ご機嫌なルシアの後ろを付いて行った。
その頃。街に来ていたルナはというと……
「ふにゃ~、おひさま気持ちいいにゃ~」
教会の屋根の上で、黒猫の姿でごろんと横になり大きく伸びをしながら日光浴をしていた。
「今日も天気が良くて平和だにゃ~。うにゃ~ん……すやすや」
ボク達の事など知る由もなく、ルナはそのまま気持ち良さそうに昼寝をするのだった。




