10話 魔王様。ボクは恋敵?ライバル出現!?ぬるぬるの触手の魔の手が魔王様を襲う!!
廃墟となった街の荒廃した石造りの誰も訪れなくなった教会。
屋根の崩れた隙間から月明かりが差し込む光の下、ピンク色のウェーブが掛かった長い髪の毛の女の子が青い瞳に涙を溜めながら足を両手で引き寄せ、身体を小さく丸めて眠っていた。
「……フィオレア様。どうして、私をおいていってしまったんですか……」
泣きながら小さな声でそう呟くピンク髪の女の子。
その時、どこからともなく魔物の叫ぶ鳴き声が聞こえてきて、怯えた様子で女の子の体がビクッと震える。
「な、なに!? うぅぅ……こわい……魔王様」
怯えてぷるぷると震えながら、女の子は両手で自分の体を抱き締める。
深い闇が支配する夜の中、女の子は一人、恐怖に怯えながら泣き疲れて眠りにつくのだった……
* * *
ボクが目を覚ますと、ルシアがボクに抱き付いたままぐっすり眠っていた。
それを見て微笑むとボクは再び二度寝をした。
次に目を覚ます時には耳元からセシルの声が聞こえて来た。
「……起きて下さい。ソアラ様」
ボクが眠い目を擦りながらゆっくり体を起こすと、一緒に眠っていたルシアも気怠げに体を起こした。
「ふわぁ〜、なに? セシル……」
「……おはよ。むにゃむにゃ……」
あくびをしたボクと目を瞑ったまままだ夢の中と現実が混ざっているのか、ルシアは体をゆっくりと左右に揺らしながらボーっとしている。
「もうお昼過ぎですよ。2人ともいい加減に起きて下さい」
「はーい」
「うん」
ベッドから起き上がるとボクとルシアはふらふらした足取りで洗面所のある浴室へと向かった。
顔を洗って歯磨きをしてすっきりすると、食堂で遅い朝食を食べる。
朝食はハンバーガーでセシルの手作りだ。柔らかいバンズにハンバーグとレタスに目玉焼きが挟まっていた。
噛み付くとハンバーグから溢れる肉汁がパンに吸われて旨味が増していた。
そして付け合わせにはトマトが添えられていて、飲み物にはミルクを貰った。
「美味しい! これなら何個でも食べられちゃうね。ルシア」
「……うん。すごく美味しい」
「ありがとうございます。おかわりもありますので遠慮せずに言って下さいね」
「うん!」
「……おかわり」
ボクとルシアはハンバーガーをペロリと平らげるとおかわりを貰って食べた。




