魔王様。月夜に浮かぶ黒い影!?9
夕食を終えるとルシアとルナと一緒にお風呂に入った。
ルナは黒猫モードでボクが体を洗って上げる。
「にゃ! にゃ! んにゃー!!」
「あぁ、ルナ暴れないで……体洗ってからお湯に入らないとセシルに怒られちゃうから〜」
嫌がるルナのもふもふの毛並みを洗っていると、ルシアは隣で血の汚れた髪や体を丁寧に洗っていた。
いつもは進んで一緒にお風呂に入ってくるセシルは何故か今日は用事があるからと断ったのが意外だった。
だけど、セシルもボク達とじゃなくて一人でお風呂にゆっくり入りたい時もあるのだろう。
ボクはルナの黒い毛並みを泡で真っ白に染めると、シャワーで泡を汚れと一緒に丁寧に洗い流した。
「よし。ルナ、もういいよ!」
「にゃ! んにゃー」
ルナはそのまま走り出して湯船に向かうと、思い切りジャンプしてお湯の方にダイブする。
空中で黒猫の姿が光り輝き人間の姿に変わるとお湯の中に入ったと同時に大きな水飛沫が上がった。
「ちょっと、ルナ。飛び込んだらダメだよぉー」
「にゃはははっ! にゃー!」
楽しそうにルナは湯船の中で泳ぎ始めた。
それを見たルシアも体を洗い終えるとルナと同じようにお湯の中に飛び込んだ。
ボクはそれを見てため息を漏らしながらゆっくりとお湯に浸かる。
「ふぅ〜、今日はお仕事したから……気持ちいい〜」
「……ルーも、今日はいっぱい遊んだから疲れたぁ〜」
お湯でとろけた顔でボクは天井を眺めると、ルシアは満足そうにお湯に浸かっている。
ルナはその間もお湯の中で犬掻きをしながら猫の尻尾をくるんと丸めて立てながら器用に泳いでいた。
お風呂を上がると湯気が立ちあがる体とふわふわしたようなとろけた表情でパジャマに着替えたボク達は寝室に向かった。
そこにはセシルが居て、セシルは気持ち良さそうな顔でぼーっと立っているボク達に声を掛ける。
「あら、ソアラ様。お風呂は気持ち良かったですか?」
「……うん」
「それはなによりです。せっかく温まった体が冷えて風邪をひかないようにしっかりとお布団を掛けて寝て下さいね?」
「……うん」
ぼーっとしながら、ほわほわしながら答えるボクにセシルは微笑む。
「ルナはこちらに……あなた用の部屋も用意したのでそちらに行きましょう」
「やったにゃ! あたし専用のお部屋に早く行くにゃ!」
嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねるルナは、セシルに連れられて部屋から出て行った。
「……ルーもう、ねむい……ねる」
「ボクも……もう……おやすみ。るしあ……」
「……うん。そあら……」
もう眠くて寝てしまいそうなボクとルシアはお互いに布団の中に入ると抱き合いながら眠った。




