魔王様。月夜に浮かぶ黒い影!?8
黒い猫耳と猫尻尾を生やした全裸の女の子が姿を現すと、セシルは驚いた様子で目を大きく開いている。
「そんなこと言わないで、あたしを飼って欲しいにゃ!」
「まさか! あなたは……」
驚いているセシルにルナがにっこりと微笑む。
「にゃははっ! 久しぶりだにゃ、セシル!」
「ルナ!? 魔王軍の幹部のあなたがどうして……」
魔法でぶかぶかの黒い猫耳パーカーを作り出したルナは驚いているセシルを見て満足そうな顔で笑う。
「ドッキリ成功にゃ! セシルはいい反応をしてくれるから嬉しいにゃ! 新しいご主人様に挨拶に来たのにゃ! 行く宛もないから今日から魔王城に住むにゃ……いいかにゃ?」
上目遣いに潤んだ瞳でかわいくセシルを見上げると、セシルは少し考えてからルナの肩に優しく手を置く。
「魔王軍の幹部であれば、城内への立ち入りを拒否することはできません。ルナが望むのでしたら私は歓迎しますよ」
「やったにゃー! これで野宿しなくて済むにゃ! 魔王様、セシルこれからよろしくお願いしますにゃん!」
「はい。こちらこそ」
「よかったね。ルナ」
嬉しそうに頭を下げたルナにセシルとボクは優しく微笑んだ。
晩御飯はボクとルナはセシルが作ったグラタンを頬張っていた。
そこにルシアが帰ってきた。
「……ただいま。おいしそうな匂い……ルシアも食べたい」
ルシアの体は返り血に塗れていて素足で床をペタペタと歩いていた。
「ルシアちゃん。そんなに汚れて……それに靴はどうしたんですか?」
「……靴は床が汚れるから脱いだ。服は森で強いモンスターと遊んできたから汚れた……ごめんなさい」
セシルはタオルを持ってルシアの元に走って行くと、返り血で汚れた顔や髪の毛をタオルで拭いた。
「もう、こんなに汚して……せっかくのかわいいお顔が台無しですよ。ほら、服も脱がせるのでバンザイして下さい……はい。バンザーイ」
「んっ……ばんざい」
ルシアは素直に手を上げると、セシルが手際良くルシアを着替えさせていく。
「魔王様。なんにゃ、あのバーサーカーは……」
「あれはルシア。ボクの……友達というか妹みたいな感じかな……」
動揺するルナに向かってボクがそう説明すると、ルナは納得したように頷く。
真っ白なネグリジェに着替えたルシアはテトテトと走って行くと、席に座ってセシルの出したグラタンを美味しそうに食べ始めた。




