魔王様。月夜に浮かぶ黒い影!?5
すると、テーブルの上に置いたオムライスにケチャップを使ってハートを書いた。
「どうぞ、お召し上がりください!」
「うほぉー! デュフッ! ソアラちゃんのオムライスはおいしいですなぁー」
「おおー、メイドさんの愛がいっぱいちゅきちゅきオムライスは最高ですぞぉー!!」
太ったご主人様とメガネを掛けた痩せたご主人様は美味しそうにオムライスを頬張っていると、黒猫が急に輝き出して人間の姿へと変わった。
黒猫が変身すると、美しい黒く長い髪に満月のような黄色い瞳の8歳くらいの裸の女の子がそこに立っていた。
「魔王様! あたしもオムライスが食べたいです!」
裸の女の子はそう言ってむっとしながら頬を膨らませながらボクに向かって叫ぶ。
「黒猫が……女の子に!?」
ボクが驚いていると、オムライスを食べていたご主人様達も驚き目を丸くさせている。
「裸の女の子が!! わがはいは夢を見ているのでしょうか……ぶひぃうぇ!!」
「こ、公衆の面前で女人が肌を晒すなど……あ、ありえま……ありがとうございますぅぅうううううう!!」
そう断末魔の叫び声を上げるとご主人様達はどちらも噴水のように鼻血を噴き出して倒れた。
それを不思議そうな顔で首を傾げながら裸の女の子は見つめている。
「なんにゃ? 急に倒れてどうしたのにゃ? この人達は……」
「いいから! 服を着て!!」
「……ふく? ああ、人間の姿では布を付けないといけなかったのにゃ! 忘れてたにゃ!」
女の子は思い出したように手をパンッ!っと叩くと、その場でくるくると回転した。
すると、体が光に包まれてその光が収まると彼女は服を着ていた。
黒い猫耳のフードが付いた膝まであるぶかぶかの黒いパーカーにお尻から尻尾がぴょこんと飛び出ている。
「魔王様! あたしはルナ! ルナ・ビスケットだにゃ! 新しい魔王様にごあいさつに来たのにゃ! よろしくにゃん!」
「う、うん。よろしくルナ……」
すりすりとボクの体に頬を擦りつけながら甘えてくるルナの頭を撫でる。
倒れた2人のご主人様をボクが介抱している中、ルナは美味しそうにオムライスをパクパクと笑顔で食べ進めていた。
「魔王様! このオムライスおいしいにゃ! 最近は猫の姿で人間の食べ残しとか、そこら辺にいた鳥とか食べてたから、生以外の温かいご飯は久しぶりだにゃ!!」
そう言ってガツガツとオムライスを一心不乱に食べ進めるルナにため息を漏らし、ボクは心配そうにご主人様達を見ていた。




