魔王様。月夜に浮かぶ黒い影!?3
鳴きながらついてくる黒猫に困ってしまう。
「ついてきちゃダメだよ……」
そう言ってボクは黒猫にそう言ったが、黒猫の方は甘えたように鳴いて一向について来るのをやめない。
「困ったなぁ……そうだ!」
ボクは思いついたように走り出すと、黒猫もまたボクの後を追いかけて走り出した。
それからボクが向かったのは前にバイトしたメイドカフェだった。
猫をコンセプトにかわいい女の子が猫耳と猫しっぽの付いたメイド服でご主人様を癒すお店だ。
「すみませーん。店長……少しお願いがあって……」
「うにゃ~ん」
店の扉を開けると、やはり後ろをついてきた黒猫も店の中に入ってきてしまった。
スーツ姿の筋肉質なサングラスを掛けた猫耳を付けた店長はキラリと不気味に光るサングラスでボクの方を見つめている。
ボクは黒猫を拾い上げると、店長の方に掲げる。
「店長。この子を飼ってあげられない? おねがい……」
店長はボクが抱えていた黒猫をまじまじと見つめると、ボクの顔を見て店長の口元がにっこりと笑った。
店長は黒猫をボクから受け取ると大事に腕に抱えた。
ボクは笑顔で黒猫の頭を撫でながら店長に説明した。
「実は道端で出会って、すごく懐いてしまって…… このまま放っておくわけにもいかなかったから、店長が飼ってくれて良かった!」
そう店長に言うと、店長は黒猫を見下ろして優しく微笑んだ。
「私は猫ちゃんは大好きだにゃん! この子は今日からこの店の看板猫にするにゃん。ソアラちゃんも安心していいにゃん!」
「うん!」
ボクは店長の言葉に嬉しそうに頷く。
「それで、ソアラちゃん。今日は少し忙しくて、できればお店を手伝って欲しいにゃん! もちろん。バイト代は弾むにゃん!」
「うん。分かった! この子を引き取ってもらったから、ボクも店長をお手伝いする!」
そう言ってボクは更衣室に走って行った。
メイド服に着替えて猫耳カチューシャに猫のしっぽを付けると、ボクはさっそく仕事に入った。
前に勇者と一緒にバイトした経験があるから今回はそれほど緊張はしなかった。
すでに働き始めているメイド達に混じって、ボクもお客さんに丁寧に頭を下げて出迎える。
「お帰りなさいませ、ご主人様! にゃん」
店に入ってきたお客さんは前にバイトをした時に来た痩せててメガネを掛けている男性と太っている男性だった。




