魔王様。勇者と再会する!?8
「ちょっと! 私との勝負はどうなるのよ!」
「……ああ、それはそっちの勝ちでいいわよ」
「ふざけないでよ!」
怒るエクセリアにエレナは一瞬だけ視線を向けたが、すぐにつまらなそうに視線を逸らした。
「勝負なんかに興味ない……」
その言葉の後、エレナは倒れているボクの方を見て微笑む。
「ふふっ、ソアラちゃんかわいい……私の天使ちゃん……」
疲れて倒れているボクのお腹の淫紋に手を置き優しく撫でながらエレナは嬉しそうにしている。
ボクは荒い息を繰り返しながらゆっくりと起き上がると、頬を赤く染めて指差しながら言った。
「はぁ、はぁ……ボクにこんなことして……ボクを辱めるなんて、勇者め、おぼえてろよぉ〜」
瞳に涙を溜めてそう叫んだボクは泣きながら、空間の裂け目に飛び込むと魔王城へと帰った。
魔王城では殆ど紐でしかない水着に猫耳と尻尾を生やしたボクの姿を見て察したのか、セシルが優しく出迎えてくれた。
セシルは微笑みながら両膝を地面に突いてボクに向かって手を大きく広げた。
「ソアラ様。お帰りなさいませ……」
「セ……セシルゥ〜」
ボクは泣きながらセシルの胸の中に飛び込んだ。
「よしよし……えらかったですね。よく頑張りましたねぇ〜」
優しくボクの頭を撫でてそう言ったセシルの言葉を聞いて、ボクの瞳からは涙が止めどなく溢れ出してくる。
そんなボクをセシルは抱きしめながらポンポンと優しくボクの背中を叩いて慰めてくれた。
しばらく泣いていたボクが落ち着くと、セシルが優しい声色で言った。
「頑張ったソアラ様の為にから揚げを作りましたよ。食べますか?」
「……からあげ!? ボク、からあげ好きぃ〜」
そい言って笑うボクに、セシルも微笑み返すと、地面からゆっくりと立ち上がってボクの手を引いた。
向かった先ではテーブルに着いたルシアがすでにから揚げを食べ始めている。
一心不乱にから揚げをムシャムシャと食べているルシアがボクの方を見て言った。
「……ソアラ。どこ行ってたの? からあげ、おいしい。ソアラもルーとからあげ食べる……」
「うん! ボクもお腹いっぱいからあげ食べる!」
ボクはルシアの隣の椅子に座ると、フォークを握り締めてからあげを突き刺して口の中に頬張る。
「おいしい!」
「うん……セシルの作るものは、ぜんぶおいしい……」
ボクとルシアはから揚げを次々と食べ進めた。
から揚げを食べながら、ボクは次こそ勇者に勝つと心に誓うのだった。




