魔王様。勇者と再会する!?7
「さて、それじゃ……うちもソアラちゃんに加勢しますか!」
「……えっ?」
そう言ってエレナはボクと勇者の間に割り込むようにして柔らかい股を開いた。
エレナの足がボクのプルプルと震えていた足を支えてくれたことで大分楽になった。
「ちょっと! あんたが参加するって聞いてないわよ!?」
「当たり前じゃない。言ってないもん……それに子供相手にタイマンで勝負って、さすがに大人気なくない? ハンデよ、ハンデ……」
エレナは涼しい顔で悪びれる様子もなく、不機嫌そうなエクセリアに言った。
それからルーレットが1人でに回り出しエレナがルーレットの指した指示通りに動く。
「右手を赤ね……」
「ちょっと! あんたの体が私の足に当たってるんだけど……」
「ああ、ごめんねぇ〜。狭くってぇ〜」
そう言ってエレナは勇者の足を腕でグイッと押した。
明らかな妨害だが、レフリーのいないこの勝負では抗議は意味をなさない。
「……ちっ! エレナ、あんた後で覚えてなさいよー」
舌打ちした勇者は足に当たっていたエレナの腕を押し返すと、回転し始めたルーレットの方を見た。
次のルーレットが左足を緑に指したのを見て、エクセリアはブリッジした状態から体を捻ってなんとか足を緑に置いた。
「……そこから堪えるなんてしぶといわねぇ〜」
「あんたに負けたくないからね……このくらいなら、負けられないわ……」
額から汗を流しているエクセリアは口元に余裕の笑みを浮かべる。
明らかに痩せ我慢だったがそれでも、絶対に負けないという意地を感じる。
それから何周か順番が回って2人が激しく睨みって火花を散らしていると……
「くっ……早く諦めなさいよ……」
「……あんたこそ。ごめんなさいって謝ったら許してあげるわよ……」
互いに体を限界まで捻りながら全身から汗が滲み出てマットの上に垂れる。
「うぅぅ……もう……むりぃ……バタンッ」
ボクは力尽きて地面に倒れた。
「はぁ……はぁ……はぁ……手も足もお腹もぜんぶ痛い……はぁ、はぁ……勇者め……おぼえてろよぉ……」
洗い息を繰り返し、床に寝転がったまま天井を見上げるボクが最後の力を振り絞って叫んだ。
痙攣するようにプルプルと震える全身が痛くてでは起き上がることができない。
「……ソアラちゃんが負けちゃったなら、もう意味はないわ」
そう言ってエレナも戦いを放棄するように床に寝転がった。




