魔王様。勇者と再会する!?3
「ソアラちゃん! いらっしゃーい!」
「……まだエクセリアは居ないの?」
「ああ、すぐに来ると思うから中でお菓子でも食べて待っててね!」
「……う、うん」
部屋に招き入れられたボクはエレナに言われるがままに、テーブルの側に置かれたソファーに腰掛ける。
ボクは目の前のお菓子からクッキーを取ると、それを口に運んだ。
一口クッキーをかじるが、その表情は曇っていた。
正直に言えばまだ、エレナが勇者を連れてきてくれるのか不安があった。
だが、ボクとは違ってエレナは自信満々な様子で紅茶を飲んで落ち着いていた。
「あの……本当にエクセリアは来るの?」
心配が気が付いていたときにはそのままボクの口から言葉になって出ていた。
表情を曇らせながらエレナを見るボクに、彼女はにっこりと微笑んでボクの頭を優しく撫でる。
「ええ、大丈夫。必ずエクセリアは来るから……心配しないで」
「……うん」
「そんな事より……」
エレナはボクの頭を撫でながら言った。
「なんでも約束を聞いてくれるって約束。忘れないでね!」
「……うん。ボクにできることなら……」
ボクの言葉にエレナはだらしない顔でよだれを垂らしている。
その顔を見ると、どんなお願いをされるのか不安でしかないが、無理難題なら断ればいいから大丈夫だろう。
それからしばらくお菓子を食べていると、突然部屋の扉が勢い良く開いた。
「エレナが危篤だって!? はぁ、はぁ、はぁ……」
「あら、以外と遅かったわね!」
「はぁ、はぁ……なっ? なんで?」
汗だくで部屋に飛び込んで来たエクセリアは、元気そうなエレナの姿を見て驚いてその場で固まっていた。
「……勇者……」
驚いていたエクセリアの姿を見たボクの瞳には涙が湧き上がり、我慢できなかったボクはドアの前で固まっているエクセリアに抱きついた。
抱きついて泣いているボクを見下ろして、驚き慌てた様子で混乱するエクセリアは何もできずにいる。
「勇者がいなくなってボク……ボク……」
「別に一週間くらいしたら戻るつもりでいたわよ。なに? 心配してたの? それとも寂しかった? 魔王とか言ってるけどまだまだおこちゃまねぇ~」
「……うっ、そんなことないもん!」
エクセリアはそう言ってバカにするような笑みを浮かべた。
ボクはむっと頬を膨らませると、抱き付いていたエクセリアの体を押して離れる。
「寂しくなんてなかったもん! エクセリアと勝負したかっただけだから!」
「へぇ~ほんとにぃ~? それにしては目を真っ赤にして泣いてたみたいだけどぉ~?」
更に煽るようにニヤニヤと笑うエクセリアに、ボクは恥ずかしくなって頬を赤く染める。




