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#15「食レポなんてヨユーすぎる」

ティアは巨大カタツムリがドロップした心核を調理する事にした。


心核とは魔鉱石と同じく、ダンジョン内でのみ手に入る希少で価値ある物質だ。

モンスターを倒すとその身体から心核だけが残る。

心核には様々な利用方法があるが、石のように硬い他のモンスターの心核とは違い柔らかなジャイアントスネイルの心核は、食材としてしか使えない。


そしてその味は、至高で究極な美味だと評判だった。



「そもそもあーしはこの心核が食べられるなんて知らなかったんだけど、どうやって食べたらいいわけ?」



“生でも食べれるけど焼いても美味しいらしいですよー”

“香草と一緒にオーブンで焼くといいらしい”

“数時間煮込んでできるスープが絶品と聞いた”

“というか視聴者の中に食べた事ある人間いるのか?”

“塩と胡椒ふってじわじわ焼けば……だいたいなんとかなる!”



「ほほーう。なんか生食が一番簡単そうだけどさ……くんくん、臭くはないけどちょっとこれを生は抵抗あるなー。とりま焼くか!」



ティアは湿地帯の中から比較的乾いていそうな枯れ枝を拾い集めた。

しかしライターで火をつけようと試みるがうまくいかない。

コメントに「ジャイアントスネイルの殻は着火剤のかわりになる」とあり、アドバイス通りに殻を削って細かな欠片を作ってそれを細枝の下に置いて火をつける。


殻の火は消える事なくよく燃え続け、細枝に火を移した。

ティアはそこに太めの枝をジャンジャン焚べていく。



「燃えたー! じゃあ焼いていくよー!」 



ぽいっ!


ティアは燃せ盛る炎に心核を投げ込んだ。



“待て待て待て”

“躊躇なく投げ入れるなwwww”

“それヘタすると億単位の食材だぞ!!”

“アルミホイルはないかー”

“フライパンか網か、せめて串に刺して立てよう”

“火が強すぎる! 焦げる!”

“だれかこの人に弱火という概念を……”



その後、焚き火から心核を取り出したティアは表面の焦げをナイフでこそげ落とした……おそらく数百万円分の焦げだ。


そして岩の上に乗せてスライスする。

見た目は中がレアっぽいステーキと言えなくもない。


パック詰めの調味料や絆創膏などは、「冒険者基本キット」としてドローンに収納されている。

ティアはドローンから調味料類を取り出した、



「塩コショウだけでウマイってコメントあるけど、なんかシンプルすぎね? おめーらさー、カップ焼きそばにマヨは当然かける派っしょ? はい! そんなわけでマヨビーム!」



“うわあああああ!!”

“スーパーカーを鬼キャン仕様にするような冒涜を”

“たしかにマヨネーズはうまいけどさ……でもさ”

“まず味見してくださいww”

“メジマズさんの特徴「味見しない」「勝手なアレンジをする」”

“それはカップ焼きそばじゃないからwwww”

“ケチャップもかけだしたぞ!”

“タバスコはやめてー!”



ティアはマヨネーズとケチャップとその他モロモロでドロドロになった心核を手で掴んでドローンのカメラに向けた。

芸人がテレビ番組などで食べる前にする仕草に似ている。



「じゃあ食レポいきま〜す! 配信引退したら食レポとかしてみたいから練習しなきゃね!」



そして心核を食べた。

何回か咀嚼してから最初は驚いたような顔をし、それから笑みが溢れる。

両手を交互に使って、どんどん口に放り込んでいく



「うんまっ! 回転寿司のマヨコーン寿司よりうまいよ! いやいや一番高い皿を超えてるぞ! マジでうますぎやろがい!」



“比較対象が庶民的すぎるwwwwww”

“食レポとしてゼロ点だ”

“味が何も伝わってこない……wwww”

“いや、本当に一番うまい調理法な可能性も微レ存”

“結局どんな味なんだろうか……”

“食材調達までは天才的なのに”

“なんて良い笑顔”

“まあ本人が美味しいのなら……”



うまくいった。今後も機会があれば調理と食レポをやってみよう、と自己採点で95点をつけたティアだった。

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