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#10「オケツ探偵ってコテハンやべー」

ダンジョンでヴァルディアスを倒してから1週間。

ティアはAV撮影が1日あっただけでその後は暇だったが、ダンジョン配信はしていなかった。


自分の正体を明かすか――――それをずっと悩んでいたからだ。



やることもなくダラダラとゲームをしていたティアのスマホに、所属事務所の社長から着信が入る。

電話に出たティアは鼓膜が破れるかと思う程のオネェしゃべりの社長の大きな声に耳をいったん離した。



「ティアちゃん! 大変よ大変よ!」


「あ〜どうも、社長。どうしたんスか? まさかついに倒産っスか?」


「違うわよ! あなたの出演作が店舗でも配信でも、1位から10位までほぼ独占してるのっ!」


「へぇ…………はぁ? なぁぜなぁぜ? 突然の黒ギャルブーム到来?」


「んもぉ~! あたしに隠してたのね。あなたが噂になってた謎のシーカーだったなんてビックリおったまげよ。昨日の夜に正体が判明してあなたは全世界で一番注目されてるAV女優なの! ポップスターなのよ!」


「マ? うそーん?」



詳しい事は後日事務所で説明すると言って電話を切ったティアは、そのまま手に持ったスマホで「最強女シーカーの正体はAV女優・最上ティアだった」というネット記事をすぐに発見した。



――――でもさ、どうやって? タカケンさんは内緒にしとくって言ってたし。



ティアは机に移動して、大急ぎでノートパソコンを開いた。

動画サイトにアクセスすると経緯をまとめている動画がすぐに見つかる。


今朝アップされたばかりのその動画を再生してみた。



『……というわけで今回は、どうやって謎の最強女性シーカーの正体が判明していったのかを解説していくわ』


『楽しみだぜ』


『それでは、ゆっくりしていってね!』



謎の女シーカーに関してはヴァルディアスを倒した直後からネット各所でその正体探しがスタートしていた。


しかし、ドローンの距離が遠かった事もあって突き止める作業は困難を極めた。

日本中の女性シーカー、有名女性アスリート、女性ダンジョン研究者などを広範囲に調査したが決定的な証拠は見つからない。


そしてあきらめムードが漂いはじめた頃に、ひとりの人物が現れる。



その名は「オケツ探偵」



「オケツ探偵」というAV板に20年以上張り付いている有名コテハンが「あのケツは最上ティアで間違いない」と書き込んだのだ。


20年以上ただの1日も途切れる事なくAV女優の尻の話だけを連投する彼は、板では嫌われ者だった。

当然、最初は誰も相手にしなかった。


しかし彼が謎のシーカーのケツと最上ティアのケツを並べた画像を投稿した事でスレは沸き立つ。


たしかにその尻の形やホクロの位置は一致しているように見えた。



――――あーしのケツってホクロあったんだ……。オケツ探偵ヤベェ……20年間休まずケツのこと考えてんの? 肛門科の医者だってお盆とか正月は休むぞ?



さらにその直後に調査隊の音声解析班が独自プログラムを開発して、録画映像から叫び声だけをなんとか抽出することに成功した。



『言っとくけどぉ!! 令和のギャルはマジ最強だからぁ!! ドラゴンとか一撃で倒せちゃうんだっつーの!!!!!』



その音声と最上ティアのAVの音声を周波数分析し、声紋の比較・照合が専門家によって行われ、99.97パーセントの確率で同一人物だという結果がでた。



こうして謎の女性シーカー=AV女優・最上ティアが確定したのだった。




――――素直にすげーよ、おめーら! 

なんかもう「しゃーねーなー」って感じになっちゃうよ!

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