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追加二人。

投稿〜


 第五小隊に書類を渡し終えた俺は第四小隊の戦闘訓練にすぐに取り掛かった。

 他の隊は着々と強くなっている分、第四小隊も強くならなくてはならない。


 「せい!」

 「ぐっ!」


 剣と盾を構えるフェンはアロンの槍を受け流そうとするが何度も受けているせいか、辛くなっているところを俺は声にだす。


 「フェン、防御により過ぎている。そのままだと、腕が持たなくなるぞ」

 「了解!」

 「アロンはそのまま距離を保ちつつ相手の力量を見極め、倒しにかかるぐらい攻めに掛かっていい。階級が上であろうと勝つ気でやるんだ」

 「はい!」

 「クロトはアロンの邪魔にならない様に動かなければせっかく有利な状態が無駄になっている」

 「す、すみません」

 

 アロンは立場を気にして、攻めに遠慮しがちになっているところを指摘する。

 そして、アロンの弟であるクロトは二人掛りで盾を持ったフェンに攻めているにも関わらず、クロトだけがフェンに攻撃に入れていないところを注意する。


 「ハァ!」

 「ッ!」

 

 今度は横で練習相手になっているコルンとミュアを見る。

 見たところでは、攻めの姿勢はミュアが優勢に見えるがコルンは俺が教えた短剣術を駆使して、ミュアの剣技を上手く流している。


 「ミュア。攻めは良いが何度も同じ技にかかり過ぎてる。何度も通用しないなら、警戒心を上げるんだ」

 「はい!」


 ミュアの戦闘技術はコルンに次に強い剣士だ。

 だが、彼女の欠点は剣に力身過ぎる事が大きな欠点だ。その為、コルンに勝てずにいた。


 「コルンはその調子で相手に技を読まさない様に維持して、一本でも多く取ること」

 「はい!」


 コルンは俺が教えた短剣術を早速使ってミュアと何本も多く取るがミュアのような率直に掛かってくる敵でなければおそらく瞬時に対応されてしまうだろう。


 「よし…一旦休憩に入ろうか」

 「「「「「了解!」」」」」」


 第四小隊の訓練を一度止めて、休憩を挟む事にした。

 休憩も訓練の一つでもあるし、俺が指摘したところ考えれる時間でもある。

 そう考えているとミュアがコルンと話しをかけていた。


 「コルン副隊長…先程の剣術って、デザール隊長の剣術に似てますよね?」

 「え…えぇ」

 「やっぱり! 私もデザール隊長に頼んで剣術学ばせてもらお!」

 

 ミュアは俺が使っていた剣術をコルンが使っていたことを聞くと納得すると俺の元へと来て、剣術を学びたいと志願してきた。


 「構わないが…苦手な計算の方はどうする?」

 「うぐっ…そ、そちらも頑張るので…お願いします!」

 「わかった」


 率直に言うと学びたいなら教える事に惜しむ理由は無い。

 この世界は、戦乱の世だ。そんな世界で生き抜くためには、強くなり続けるしか無い。

 そう考えると、クロトが此方を向いて話しかけてくる。


 「デザール隊長…俺にもその剣術を教えてください」

 「クロトもか?」

 「はい」


 ミュアに剣術を教える事を承諾すると、今度はクロトが俺に剣術を教えて欲しいと願い出てきた。


 「俺は強くなって、見返してやりたいですよ…強いのは兄貴だけじゃあないって、証明したいです」


 クロトの実力は兄であるアロンより少し劣っている。

 さらに付け加えると第四小隊では、一番弱いと言っていいほど、戦闘には不向きなところが多くある。

 俺としては、クロトは資料などの事務処理能力が高い面があると見ている。


 「こう言ってはなんだが…俺の見立てでは、クロトは事務処理能力が高いと判断しているが…」

 「…」


 事務処理能力を伸ばす方が良いと俺は思っている。

 クロト自身は強くなりたい理由がどうやらあるみたいだ。

 それに応えるべきか、否かの判断にすぐには、判断できない。

 だが、クロトの目は真剣だ。


 「…わかった」

 「ありがとうございます!」


 強さの求め方、成長の仕方も人それぞれだが…俺はコルンだけで無く第四小隊全員が理想とする力に成長差させることができるだろうか。

 

 「できる限り、全員を強くできるように尽力する」


 自身が強くなる事を望む、三人の願いでに承諾したものの、俺はその願いに応えられる力があるのかと、思ってしまう。

 目の前で明るく話し合う五人を上手く俺は強く育て上げられるだろうか…。


 「…難しいな」


 ボソリと口に出てしまう自身の言葉に悩ましく思う。

 「尽力する」と言った以上、俺は応える気はあっても、その先への不安に感じてしまうのだ。

 

 『お前みたいな()()()()()が、私の気持ちがわかるわけないだろうが!』


 「ッ…」


 過去の…いや、前世の苦い記憶蘇る。

 間違った考えで前に進んでしまったが故に、他人を傷付けてしまった時の記憶を思い出す。


 『お前なんかーーー』


 激昂するあの人が次に発言を聞いて、俺はその言葉に、心に深く刺さってしまった。

 俺という存在が周りにどう思われていたのかに、これ以上、知りたくなかった。

 

 「…()()()()()()……もうなりたく無い」


 誰にも聞こえない様に呟く、自身の弱音が…弱さが漏れ出る。

 そんな過去の傷を忘れる為に一度、深呼吸を行い、訓練を再開させる。


 「休憩は終わりだ…訓練再開だ」


 いまは、出来るだけ過去に囚われずに尽力する事を考えればいい。


 「「「「「了解!」」」」」


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