強敵に向けた諸刃の剣
お久しぶりの投稿です。
セラータとホウズキがオークジェネラルから離れて行くのを見届けると俺は剣を両手で構える。
「さて、問題はあの分厚い装甲か」
オークジェネラルは着込んでいる鎧はどうやら死んだ風龍騎士団の兵士達から剥いだ鎧や盾を繋ぎ合わせた装備をしている。
また、オークジェネラルの巨大に見合ったあの武器は受けるのは無理だな。
「あくまでも時間稼ぎ…いや、倒すぐらいの心持ちをしないと生き残れないな」
本能的に背を向けて逃げれば死ぬ事だけが、頭の中で過る。
「ぬぅ…あの入り組んだ鎧が攻撃が通らんな!」
「なら、削ぎ落とし続けるしかねぇなぁ!」
俺と同様にライハルトがオークジェネラルの重装悩んでいるとメーデンは迷わずに鎧を剥ぐ行動に動き出す。
「ぎゃぎゃ!」
「どけ!」
行くてにはオークジェネラルに集まったゴブリン達が道の邪魔をする。
「ブモォオオオオオオ!」
オークジェネラルはゴブリン達に足止めされているメーデンに目掛けて攻撃を仕掛けようとする。
「『斬撃』」
「『水玉』」
俺は武技スキルでゴブリンを斬り飛ばし、ライハルトは水魔法を使って一気に数を減らそうとするが数が多過ぎて効果が薄く、オークジェネラルの一撃を交わしながらの戦いはやはり時間がかかるどころかそれすら叶わない可能性が出始めていた。
万事休すかと思ったが盾を持ったテテルと新兵の二人が戦いに戻り、テテルはこちらを向いて話す。
「ゴブリン達は私達に任せて。用は時間稼ぎてことでしょ…雑魚は私達がやる」
「チキショウがやるしかないんだろ!? こうなりゃあやけだ」
「ひ〜数が多過ぎです〜!」
テテルの発言は助かるが他の二人が少し不安だが、俺はライハルトとメーデンの顔を見て頷き、オークジェネラルに向かう。
「『シールドアッパー』!」
「おりゃ!」
「れ、『蓮撃』!」
テテル達は己が持つ力でゴブリン達を倒していく。
「…フー」
俺は深呼吸をしながらオークジェネラルへの攻撃手段を分析しながら策を練る。
オークジェネラルは重装備のせいで関節系統に攻撃するにしてもクラス持ちなだけあって警戒心も戦いにおける力もその辺の雑兵よりも強い。
三方向から強撃したとしても片方がやられば勝率は下がりテテル達と怪我人にも被害が来る。
シンプルに鎧を剥がす作戦の方が効率的か…だが、剥がすにしてもあの鎧を剥がすにどうするれば。
取得屋から買った風魔法は威力にしては弱かった。制御魔法を使うにしても魔力の消費量が大き過ぎる。
火炎斬りで鎧を溶かせる炎まで上げればいけるか? 確か、熱量は青い炎が高かった筈…酸素量を制御出来ればいけるか?…いや、これ以上迷っている暇は無い。一か八かでやるしか無いな。
「剣の耐久性を上げ…『火炎斬り』+『風魔法制御』」
通常の赤色の炎から青い炎へと変化すると同時にオークジェネラルに向かって斬りつける。
「ブモォオオ!」
オークジェネラルは一人の青年の炎の剣が青く染まった事に警戒して盾を構える。
「『蒼炎斬り』」
「ブモォオ!?」
自然と出た言葉に俺は少し驚きながらも迷わずにオークジェネラルの盾を溶かすが目の前が真っ白になり、倒れるように立ち絡む。
「なんと!」
「あの鎧を燃やす剣か!?」
ライハルトとメーデンは鎧を溶かす蒼炎に驚くがデザールがその場で崩れかける。
「かは!はぁはぁ…ッ!」
火力が高過ぎることと俺自身が呼吸する酸素を考えるの怠ったせいで意識が飛びかけた! 危うく酸欠で死にかけたな。
使い方を間違えれば、死ぬ危険なスキルに取得してしまったな…。
「…だが、やるしか無い」
何故、新たな武技スキル取得したのかわからないが今勝てる技はこの危険過ぎるスキルしか、他ない。
「『蒼炎斬り』」
俺は取得したばかりの武技を剣に纏い構える。
呼吸を出来る様に剣の部分だけを燃やして『風魔魔法制御』で酸素を供給出来る様すればギリギリ保てるな。
「ブモォオオ」
「はぁはぁ…くっ」
どうやら、オークジェネラルはさっきの一撃が不味いと判断したのか俺を完全に標的にしたみたいだな。
当然か…自身の鎧を溶かす攻撃を見逃せば、後々厄介なのは明白だが…俺は一人じゃあ無い。
「オラァアア!洒落せんだよ!雑魚がぁああ!」
メーデンは持っていた五尺棒を邪魔をするゴブリン突き刺して捨てると素手でオークジェネラル目掛けて片手を構えて殴りに掛かった。
「叡智『暴獣の黒アザ』解放…血肉を裂け!大熊爪!」
叡智を解放したメーデンの構えた腕から顔半分まで黒いアザが浮かび上がると攻撃が放たれ、オークジェネラルの横腹に編まれた鎧を剥ぎ落とす。
「ブモォオ!?」
オークジェネラルは身に付けていた鎧を素手の人間に剥がされ怯む。
「っがぁああ!」
メーデンはオークジェネラルの鎧を剥ぐが片腕からボタボタと出血するが手を開かないように拳の力を強めて構える。
「ブモォオ…」
オークジェネラルは俺とメーデンの二人を見て敵と認識を強めたようだ。
だが、こちらとしては一撃だけでも与えるだけでも一苦労な諸刃の剣…トドメを刺すには心もともない。
「ライハルト」
「おい、ギザやろう」
ならば、ユゼフ教官が編成に言っていた新兵の中で一番強力な魔法を使える男に任せる他ない。
『ライハルト君は強力な水魔法で一掃した事を評価しています』
「むっなんだ!」
俺とメーデンの声は重なりながらもライハルトは俺たち二人の話を聞き入れる。
「右の盾は俺の剣で壊す」
「左から鎧をぶっ壊す」
「剥いだ所を―」
「だからテメェは―」
俺とメーデンがオークジェネラルの鎧を破壊してトドメをライハルトに託す他ない。
「出来るだけ「「強力な魔法攻撃を与えろ!」くれ」
ライハルトは二人の言葉を聞いて、いつもの明るい表情を頷く…と剣を掲げると声に出す。
「心得た! 二人のその勇姿に応えるべく、女神ゾディスの名の元にその役目承った!」
ライハルトは二人から少し離れると詠唱を始め、デザールとメーデンはオークジェネラルに向かった。
「ブモォオオオオオオ!」




