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宇宙をかけた戦士の戦い  作者: イシハラブルー
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第五十一話 宇宙カケル突入




 宇宙船のエンジンは極めて快調であり、二筋の青い残光を漆黒の宇宙に引きながら、ようやく間近に捉えた目標地点である惑星ゴッドへ邁進していた。

 はるばる地球を離れたライトの航海ももうすぐ終わりそうだ。しかし、本当に大変なのはこれからだ。

 何しろ、ライトはこれから敵の本拠地に乗り込むのだ。当然厳しい警備が敷かれており、突入が容易ではないことを、ライトは経験から熟知している。


「さて..どんな塩梅かな」


 ライトはいくつもあるモニターを介して、星の様子を観察していた。そして息を飲んだ。


「......ほぉ、これはこれは....盛大に歓迎してくれそうだな..」


 敵はすでにライトの接近を感知していたらしく、迎撃の準備は完璧に整えられていた。

 地には並び立つ千を超える対空レーザーの砲塔が、宙には幾多の宇宙船が隊列を組んでおり、まさに難攻不落の要塞のようだ。隙なんて全く見受けられない。完璧な防衛ラインだ。


「..まぁ、ここまできたら....やるしかねぇな!!」


 そう叫ぶと、ライトは迷うことなく全速力で防衛ラインに侵入する。


「..さぁ、来い!!」


 砲塔は微妙に角度を調整しつつ、高速飛行するライトの宇宙船に確実に狙いを定める。そして....


-ドカーンッ-


 ついに初撃が発射された。ギリギリで機体はレーザーを回避するも、被弾した背後の小惑星は粉々に吹き飛んだ。

 そんなレーザーが無数に迫る。避け切れるはずもなく、ライトは即座にディスプレイを操作する。


「電磁バリア展開ッ!! 頼む、持ちこたえろよ!!」


 宇宙船は翡翠のバリアを纏い、無数のレーザーの中を突き進む。

 四方八方から放たれるレーザーは船を的確に捉え、決して逃さない。

 バリアがあるとはいえ、機体は大きく揺れ、エンジンが唸りを上げる。それでもそんなことお構いなしにライトは船を前進させ続ける。


「まだか、まだなのか!!」


 ライトの顔に焦りの表情が出てくる。探している目標着陸地点が未だ見えてこない。

 急がねば、船がいずれ墜とされる。そうなる前に見つけなくては..


「見えた中央塔!!」


 星の上空を飛ぶ船の前方に天を貫くようにそびえ立つ塔がある。これがこの星の中枢、そして魔帝アノウが座する場だ。


「急速降下!!」


 目標を捉えた船は地表近くを飛行する。塔はもう500メートル程のところだった。

 が、ここに来て砲撃がより一層激しさを増し、そしてある変化が起きていた。


「まずい一点に集中して..」


 拡散していた砲撃が左舷にのみ徹底されている。船の揺れはますます酷くなり、踏ん張らないと立っていられない。


「駄目だ、持たない!!!?」


 その時、艦内に電流が走り、船が大きく縦揺れした。

 もはや長くは持たない。バリアは破られる寸前、そしてもし破られれば、機体はレーザーの嵐を浴び、空中分解は免れない。


「くそ、こうなったら!!」


 そうなる前にライトは賭けに出た。そのためにブレが酷いディスプレイを操作する。


-shift into APS-


「やってやる!!」


-ピシッ......ピシピシピシッ....-




・




・




・




・




-バリンッッ!!-


 ついにバリアは砕かれた!! そして..


-パァァンッ-


 レーザーが船を貫通した。


-グォォォオオッッ-


 集中砲火を受け、炎上する船が轟音を立てながら飛行する。が..


-ボォォォッッ!!-


 無残にも機体は崩壊し、空中で大爆発を起こした。






・





・





・





・





「ウォォォオオッ!!」


 その時、黒煙を斬り裂き一つの小さな影が空を駆ける。そうライトだ!!

 その身に翼を広げ、目前に迫った中央塔目掛けて飛翔する。爆風を利用し、最高速を超えたスピードで一直線だ。

 だが敵もすぐその存在に気付き、砲塔をライトに向け定めた。


「落ちてたまるかぁぁッ!! 届けぇぇッッ!!」


 ライトは手を伸ばし、足場に触れた。


-パシュンッッ........ボンッッ!!-


 が、その直後レーザーが着弾し、足場は脆くも崩れ落ちた。舞い散る白煙の中にもライトの跡形がない。焼き尽くされたか....




・



・



・



・





「........危なかった..ギリギリ..だっ......た..」


 否、無事である。ボロボロだがなんとか命を繋いで塔内部への侵入に成功していた。

 うつ伏せに倒れるその両手には、しっかりと魔双剣パンドラが握られていた。どうやら、着弾と同時に瞬間移動で離脱したようだ。


「......帰って..きたぜ....」


 よろめきながらもライトは立ち上がった。ここまでくればもう大した障害もない。いや、最後に最大の障害が待ち受けている。


「待ってろよ....アノウ!!」


 ライトは駆け出し、アノウが待ち受ける〈帝の間〉を目指す。







【どうせもうすぐ終わっちゃうから色々ぶっちゃっけちゃう劇場】


今回の解説について


 まず作中のshift into APS のAPSとは、Auto Pilot Systemの略、よって上の英文の訳は“自動操縦システムへの切り替え”を意味します。

 ちなみに今回ライトがとった作戦は、自動操縦に切り替え、その隙に甲板へ出て、船の爆発に合わせて翼で飛行、爆風に乗って突入するというものです。

(劇場版コ◯ンでよくあるやつ)

 あと、最初っから瞬間移動すればいいじゃんと思う方がいるかもしれませんが、魔双剣パンドラによる瞬間移動は脚が地面に着いてないと発動できないという設定があるので、飛行中はできません。なので使用が足場に触れたギリギリのタイミングになってしまいました。(あと有効範囲的にも厳しかった)




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