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世界最強は元落ちこぼれ  作者: かたは
11/20

月の女王マーリン=ファルノート

ーーギルド長室ーー


「失礼します」

そう言って、レイトさんが部屋に入って行ったのでその後をアトラとラティアはついて行った。


「あら、貴方がこの部屋に来るなんて珍しこともあるものね」


「いやぁ~、俺も来るつもりはなかったんですけど、知り合いがマスターに会いたいと言うので連れてきました」


「それは、もっと珍しわね。貴方がギルドメンバーでもない人を、私の所まで連れて来るなんて」


そういうとマーリンさんはアトラとラティアを見た。


「貴方達が、レイが言っていた人達ね。まぁ、なんて可愛らしいのかしら。お名前はなんて言うのかしら?」


「おい、マスターよぉ。アトラとラティアが困ってんじゃねーか」


「あら、アトラちゃんとラティアちゃんって言うのね。それで、私に何か用かしら」


すると、アトラは一枚の紙を取り出して喋り始めた。


「それが、この手紙にマーリンさんを訪ねるようにと書かれていてそれで会いに来ました」


アトラから手紙を見たマーリンはとても真剣な表情で

「そう、貴方がシエラの子供ね。会いたかったわ」

そう言ったマーリンの小声はアトラ達に届かなかった。


「えっと...今なんて言いました?」


「なんでもないわ。それより、ずっと気になっていたのだけど、その首に掛けてある指輪を見せてくれないかしら」


「まぁ、別にいいですけど...」


ーー何処にでもありそうな指輪を見たいだなんてなぁ...


一通り見るとマーリンは「ありがと」と言って指輪をアトラに返した。


「それじゃあ、改めて...私はギルド【アトランティス】の2代目マスター、マーリン=ファルノートよ。まぁ、一応ハーフエルフになってるわ」


その言葉に驚くアトラとラティア...この大陸(エルシリス)では人間主義の為エルフや獣人などといった、人種以外の種族はあまりいないのだ。隣の大陸には沢山いると聞いた事があるが今は関係ない。


驚いていたアトラだが、すぐに冷静になり自分も自己紹介を始めた。


「僕は、アトラ=エンフィールドです。で、こっちが妹のラティア=ロー「エンフィールドです」」


「じゃあ、早速で悪いけど貴方達のステータスプレートを見せてくれないかしら...」


マーリンは手を出して、アトラとラティアのステータスプレートを求めていた。


「マスター、アトラはステータスプレートを持っているがラティアは9歳だから、まだステータスプレートを持っていないですよ」


レイトさんがラティアの事を説明してくれた。


「そうなの?、それじゃあ、貴方のだけでいいわ見せて」


そう言われてアトラは素直にステータスプレートを見せた。しばらくアトラのステータスを見ると一息ついてレイトさんに話しかけた。


「ねぇレイ、貴方はこの子のステータスを見たの?」

「見ましたよ。恩恵者って事を言いたいんですよね。間違いないと思います。アトラの潜在能力は規格外(イレギュラー)達に匹敵します」


規格外(イレギュラー)とは何だろう?思いながらも2人の会話を聞いていたアトラ。レイトさんとの会話を終えると、ニヤリと笑ってアトラに話かけてきた。


「ねぇ~、アトラちゃんそれからラティアちゃんこのギルドに入って、私の修行を受けてみない」

その言葉に一番驚いたのはレイトさんだ。


「本当ですか!?、ギルドに入れるのは予想していましたけど、貴方が2人の面倒を見るとは」


「本気よ」


アトラ達はここでギルドを出ても行く所がないので実際は選択肢などなかった。


「マーリンさんよろしくお願いします」


「いい返事ね。でも修行は明日からにしましょう。2人とも長旅で疲れておるでしょうし...レイ、アトラちゃんとラティアちゃんを部屋まで連れて行ってあげて」





3人がギルド長室を出ていき1人になったマーリン...マーリンは昔の事を思い出していた。それはとある2人の会話だ。


「もうダメだ、2人で逃げよう。恩恵者最強の貴方が倒せないなら、あの化け物は誰にも倒せないわ」


「そうね、自分で言うのもアレだけど...恩恵者最強は私だと思うわ。そして、先天性特異能力者最強の彼もやられた。【生命の水】を手に入れたあいつはそれ程までに強い」


「だったら....」


「でも諦めない、諦めるわけにはいかない」


「だったらどうするの?私の(エルフの始祖)の魔法も貴方の恩恵も彼の力もダメだった。もう無理よ」


「....私の隠れ家に私の子供がいるわ。彼との子よ、指輪も託したわ」


「!!...今はそんな話をしてる場合ではな....」

その言葉から先が出なかった。彼女が何を言いたいかわかってしまったからだ。


「ダメよ。それだけはダメ!!」


「お願い。これしかないの」


「させないわ。絶対にさせない」


「マーリン.......わかったわ逃げましょ」


「シエラ...ありがとう。行きましょう貴方の隠れ家に」

マーリンがついてこいとばかりに先導する。


「ごめんね」


「えっ!何?」


背後からの手刀にマーリンは倒れた。何とか意識を保っている状態だった。その状態のマーリンにシエラは話しかける。


「夫の(かたき)を許すわけにはいかないの...【聖地ラカンタ】ごと封印するわ。恩恵と禁忌魔法を使えばできると思うの。だから...



さようなら」


その言葉でマーリンは気絶したのだ。





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