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心模様は——  作者: JACK


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3/6

後に雨。

「ねぇアキ、今日はどこに行く?」

駅前で俺は誰かと話しているらしい。

「うーん……特にはないかな」

「えぇー!私とのデート楽しみじゃないってこと?」

「違うよ。顔見てるだけで楽しめるから」

俺はガラじゃないことを言っている。

「……、そんな堂々と言わないでよ……。恥ずいじゃん」

そう言って顔を赤らめる。それはどこか見覚えのある顔だった。

「まぁ、とりあえずそこらへんブラブラしよっか」

「そうだね」

そう言って俺と誰かは手を繋ぐ。恋人繋ぎだ。カップルなのだろうか。

手を繋いだ二人は俺から離れていく。俺は手を伸ばす。でも、届かない。少しづつ遠ざかっていく。

待って。頼むから待ってくれ。一度だけ振り向いてくれ

待って待って待って、お願いだから待ってくれ……

そこで目が覚めた。

「……何やってんだよ俺は。夢の中くらいしっかりしてくれよ……」

あの赤くなった顔、昨日見たばっかりの彼女の顔。なんで分からなかったのかも分からない。でも——

夢の中の[アキ]って誰なんだよ……。教えてほしい。でも、知りたくない。一生知らないでいたい。何も起きなくていい、叶わなくていいから今の距離を壊したくない。……俺はまた、自分に嘘をついた。

でも、寝不足のせいか昨日と違いその後も眠ることができた。

ベッドから出るといつもの日常が始まる。でも、今日は雨。いつもの太陽が急かしてこないぶんいい日になると思う。

雨の日の通学路は一人だ。ユキヤは電車を使うし出会うこと自体ない。

学校に着くといつも通り彼女が迎えてくれる。

「おはよ!」

「……おはよう」

「……今日も放課後時間ある?」

「今日は部活だからごめん。」

そういって俺は彼女の誘いを断った。今日はダメだと思った。このままだと雨と一緒に色々なことが流れ出ていくと思った。

俺は、自分だけでなく大切な人にも嘘をついた。

「なぁアキ、今日部活ないだろ?」

「……うん」

ユキヤとは同じ部活だから少しめんどくさい。

「なんで嘘ついたんだ?」

「黙秘権行使だ。」

「……別にいいけど男なら女の子泣かすなよ」

……そんなの分かってるよ。俺は心の中でそう呟いた。


そんなことを考えているうちに、放課後になっていた。

俺は彼女に部活と言ったから帰るに帰れなかった。だから、図書室で小説とにらめっこしていた。文字は読めるのに入らない。脳のストレージはすでにキャパオーバーらしい。

俺は休憩がてら廊下に出た。

俺はハッとした。彼女が楽しそうに話している。相手は……ユキヤ。彼女の好きな[彼]の特徴とユキヤが少しづつ結びついていく。俺は図書室に荷物を置いたまま学校を出た。そしていつもの場所に向かった。誰もいない場所、俺と彼女しかいないあの場所に。もしかしたらさっきのは幻で俺を待ってくれているかもしれない。そう思って走った。けど、その場所には誰もいなかった。

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