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【完結】ペーパームーンニューライト  作者: 一七


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15-2.再会



 水瀬君と校庭に戻ると、さっき会った男子生徒――斉藤君が気づいてこちらにやって来ます。


「おー水瀬。東さんに会えたんだな」


「斉藤、丁度良かった!」


「え、何なに?」


 何て話そうかと戸惑っていると、水瀬君が代わりに事情説明してくれました。話してる間に、他の部員も集まってきます。


「⋯⋯て、訳だから皆に探すの手伝ってほしいんだ」


(こんなこと、いきなり頼んできいてもらえるのかな⋯⋯)


 皆がどういう反応をするか不安でしたが、それは杞憂でした。


「マジかよ、心配だな!」


「手分けして探そうぜ」


「ワンちゃんの名前は?」


 皆、集まって当然のように協力してくれます。私達も探しに行こうとした、その時でした。


「⋯⋯水瀬」


 不機嫌そうな声がして、振り向くと、キャプテンの木竜君が立っていました。


「木竜! 良かった、お前も手伝ってくれよ、東の家の犬が⋯⋯」


「知ってる。聞こえてた」


 木竜君は私の前に立つと、真っ直ぐに睨みました。


「お前、普段俺達のこと田舎者扱いしてるくせに、こういう時だけ頼るのか?」


「キャプテン⋯⋯」


「なにも今、そんなこと言わなくても」


 周りの部員が庇ってくれますが、木竜君はそれを制しました。


「俺たちは試合前に練習で集まってる。その時間を割いて手伝うっていうなら、それ相応の頼み方ってもんがあるんじゃないのか」


 彼のいう事は尤もでした。


(そうだ、こんな自分が困った時だけ、相手にすり寄って頼るなんて)


 そう思って頭を下げようとした、その時でした。


「俺からも頼むよ。お願いします、一緒に探して下さい」


 私より早く、水瀬君が深く頭を下げていました。


「水瀬、お前には関係ないだろ」


「関係なくないよ。東もノエルも俺の大切な友達だ。だから頼む、木竜」


 木竜君が黙って水瀬君を見返します。


「お願いします! ノエルは大切な家族なんです。一緒に探して下さい⋯⋯!」


 私はせめて膝をついて頼もうとしたところを木竜君は止めました。


「やめろ、もういい」


 木竜君はため息をつくと、スマホを取り出しました。


「水瀬、お前のことだから犬の写真は持ってるな? 皆に回せ」


「おう!」


「東、駐在所には行ったか?」


「い、行ってないです。行った事なくて⋯⋯」


「じゃあ俺が行く。保護されてるかもしれないからな。斉藤、お前は誰がどこを探すか割り振れ」


「りょーかい!」


 木竜君は手際よく指示を出すと、皆んなを見渡しました。


「サッカー部の連携を見せろよ、お前ら! 気合い入れて探せ!」


 おおーっと活気のある声が校庭に響き渡ります。


「大丈夫だよ、絶対俺らが見つけてやるからさ」


 水瀬君が私を元気づける様に肩を叩きました。




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