15-2.再会
水瀬君と校庭に戻ると、さっき会った男子生徒――斉藤君が気づいてこちらにやって来ます。
「おー水瀬。東さんに会えたんだな」
「斉藤、丁度良かった!」
「え、何なに?」
何て話そうかと戸惑っていると、水瀬君が代わりに事情説明してくれました。話してる間に、他の部員も集まってきます。
「⋯⋯て、訳だから皆に探すの手伝ってほしいんだ」
(こんなこと、いきなり頼んできいてもらえるのかな⋯⋯)
皆がどういう反応をするか不安でしたが、それは杞憂でした。
「マジかよ、心配だな!」
「手分けして探そうぜ」
「ワンちゃんの名前は?」
皆、集まって当然のように協力してくれます。私達も探しに行こうとした、その時でした。
「⋯⋯水瀬」
不機嫌そうな声がして、振り向くと、キャプテンの木竜君が立っていました。
「木竜! 良かった、お前も手伝ってくれよ、東の家の犬が⋯⋯」
「知ってる。聞こえてた」
木竜君は私の前に立つと、真っ直ぐに睨みました。
「お前、普段俺達のこと田舎者扱いしてるくせに、こういう時だけ頼るのか?」
「キャプテン⋯⋯」
「なにも今、そんなこと言わなくても」
周りの部員が庇ってくれますが、木竜君はそれを制しました。
「俺たちは試合前に練習で集まってる。その時間を割いて手伝うっていうなら、それ相応の頼み方ってもんがあるんじゃないのか」
彼のいう事は尤もでした。
(そうだ、こんな自分が困った時だけ、相手にすり寄って頼るなんて)
そう思って頭を下げようとした、その時でした。
「俺からも頼むよ。お願いします、一緒に探して下さい」
私より早く、水瀬君が深く頭を下げていました。
「水瀬、お前には関係ないだろ」
「関係なくないよ。東もノエルも俺の大切な友達だ。だから頼む、木竜」
木竜君が黙って水瀬君を見返します。
「お願いします! ノエルは大切な家族なんです。一緒に探して下さい⋯⋯!」
私はせめて膝をついて頼もうとしたところを木竜君は止めました。
「やめろ、もういい」
木竜君はため息をつくと、スマホを取り出しました。
「水瀬、お前のことだから犬の写真は持ってるな? 皆に回せ」
「おう!」
「東、駐在所には行ったか?」
「い、行ってないです。行った事なくて⋯⋯」
「じゃあ俺が行く。保護されてるかもしれないからな。斉藤、お前は誰がどこを探すか割り振れ」
「りょーかい!」
木竜君は手際よく指示を出すと、皆んなを見渡しました。
「サッカー部の連携を見せろよ、お前ら! 気合い入れて探せ!」
おおーっと活気のある声が校庭に響き渡ります。
「大丈夫だよ、絶対俺らが見つけてやるからさ」
水瀬君が私を元気づける様に肩を叩きました。




