12-6.ノート
(ああ、やっぱり友達なんかじゃなかった)
あれほど嫌と言ったのに。平気だと言ったのに。
何も何も何も理解されてなかった。
そもそもの考えが違った。善意かもしれない。でも、独りよがりだ。いや、もし木竜君の言った通り、先生に頼まれていたのなら、報告しただけだ。
最低だ。
ーーー誰が?
⋯⋯簡単に思い上がった自分が。
これは私が蒔いた種だ。だから私一人で何とかしなきゃいけない。
(そもそも、悲しがる必要なんてありません)
(⋯⋯だって、こんなこと、今までだって一人でちゃんと乗り越えてきたでしょう?)
そこからは一瞬でした。
「東さん?」
教室に突然入って教卓まで来た私に、美月先生と女生徒達は驚いています。
「え、な、何⋯⋯」
「貸して」
女生徒の一人が抱えていた未配布のノートの束を、無理矢理奪いました。
「な、何するの東さん! やめなさい!」
先生の静止の声と同時に、窓を開けてノートを思い切り外へ投げ捨てます。
しかし、思ったよりも力が足りず、ノートは遠くまで飛ばずに、コンクリートの上にばらばらと散らばるだけでした。
教室が、しんと静まり返ります。
美月先生は、私を叱るべきか迷っているのか、口を開きかけたまま固まっています。
女生徒たちも、まさかこんな形でやり返されるとは思っていなかったのか、呆然としていました。
私は短く息を吸いました。
「これで、あいこです。あなた達は私を嫌いかもしれないけど、私だってあなた達なんか大嫌い。最初から友達じゃないんだから、仲間外れも何もない⋯⋯!」
言い切って、教室を後にします。教室を出る間際、先生に小声で言いました。
「私はこの生活で満足してるんです。余計なこと、しないで」




