表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅月のクロスリーパー   作者: ルーツ
第四章 争いの果てに何を想うのか

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

98/124

27. 消されたリーパー

登場人物

<ディヴァインリーパー>

ジェシカ 

グラフ

アンディ 

アリス

アルス

クロード

ジェシカは着替えを済ませ、洗面所から出てアンディたちがいる庭へと足を運ぶが、そこには木陰で意識を失っているグラフと、その周りにアンディ、アルス、クロードの三人が立っていた。


「アンディ、グラフどうしたの?」

「来たか。心配するな、こいつはただ無理しただけだ」


「大丈夫なんだよね……」

「ああ、大丈夫だ」


アンディの言葉に胸を撫で下ろしたジェシカだったが、アルスが謝ってきた。


「すまねーなジェシカ」

「え、何が?」


「あ、いや。実はな、深夜にグラフから急に血の結晶を渡されて、錬成してくれって言われてさ」

「……そうだったんだ。でもなんでそんなにグラフは焦っているんだろう」


周りから見てもグラフは焦っているように見えている。だが、アンディだけは違ったようで、少し微笑みながら話し出す。


「お前の為なんだろうよ。ジェシカ」

「……私の為?」

「ああ、こいつはお前を一人で免罪符取りに行かせたくないんだろうよ」


首を傾げるジェシカ。


「一人だと、まだ色々不安だろ?ジェシカ」

「まあ、そうだね……」

「そういう事なんだよ。その不安を少しでも無くそうと、こいつは誰よりも頑張っている。そういう事なんだよ」


アンディの言葉に、倒れているグラフを見て近くに歩いていく。

気を失っているグラフの隣に座り、ジェシカはそっと肩に手を置く。


「グラフ……ありがとう。でも無理しないでよ……」

「……ふっ……ああ、分かったよ」

「え!! グラフ!?」


深く被っている帽子の奥から目を開け、口角を上げるグラフ。


「もう大丈夫だ。それに実際に対峙して分かった事がたくさんある」


グラフの言葉にアンディが応える。


「何か掴めたのか?」

「ああ、たがジェシカの話を進める方が先だ」


「そうだな。リビングに行くか」

「ああ」


二人の話を隣で聞いていたジェシカは、なぜか怒っていた。


「もう!心配したんだからね!!知らない!アルス、クロード行こう!!」


なぜかクロードの手を引っ張り、その様子を見てやれやれとした表情のアルス。


「え!? お、俺なの!? 引っ張らないでよジェシカ!」


ジェシカに引っ張られながら連れて行かれるクロードの二人と、後を歩いているアルスを見て、グラフとアンディは木陰から見て笑っていた。


「俺たちも行くかグラフ」

「分かった」


アンディが手を出し、グラフが握り立ち上がる。


─────────


ジェシカは恥ずかしかった事を隠すようにリビングに歩き、勢いよく扉を開ける。


「ちょ、ジェシカー。何を怒っているんだよ」

「別にいいでしょ!」


膨れた感じのジェシカはそのままリビングのソファーに腰を落とし、クロードとアルスは対面に腰を落とした。


「あらあら、朝からご機嫌斜めなのかしらジェシカは」


テーブルには既に茶器が人数分用意されていて、アリスがポットを持って歩いて来ていた。

そんな様子にクロードが話す。


「なぜかジェシカが怒ってて……訳わかんないっすよ」

「うふふ、年頃の女の子だもの、色々あるのよ」


「気にすんなアルス。それにお前、この話が終わったらアンディと一緒にギルドマスターの所にいくんだろ?」

「あ、はい。アンディが親父へ依頼報告しに行くとかなんとか……」

「そうか。なら早く済まそうぜ」


リビングで会話をしていると、遅れてアンディとグラフも入ってきて、アリスもソファーに腰を下ろした。

こうして、各自の思いを実行に移し、今後の話の方向とまとめの話が開始される事となる。


先に口火を切ったのはアリスだった。


「私から言わせてほしい事があるんだけどいいかしら?」


仲間を見渡し、話し出す。


「今回の件は相当厳しいと私は感じているわ。それでもジェシカの思いを果たす為に、このディヴァインリーパーは存在している。まずこれだけは忘れないでね」


アリスの言葉に全員が頷き、アンディがアリスの方を向いて話し出す。


「今日はリベリオンについて話をすると聞いたが?」

「ええ、既にジェシカにはアルカナンの事は話してあるから、あとはリベリオンの内情を知る必要があるわ」


「そうか、なら教えてくれ。夜に話してくれたリベリオンとクロスリーパーの因果を」

「ええ、分かったわ」


アンディ、グラフ、アルス、クロードの四人はアリスの話に耳を傾けていたが、ジェシカが話に割り込む。


「グラフは聞く必要ないって言ってなかった?」


不貞腐れたような態度のジェシカにグラフへと視線が集まる。


「ふっ、さっきは悪かったジェシカ。騙すつもりはなかった。だがお前の気持ちに応えたいと思っている事は本当だ。だからそんな不貞腐れるな」


横を向いて、ほっぺを膨らませているジェシカだったが、次第に表情も落ち着いてきた。


「わ、分かったよ。でも、もうあんな事するのやめてね」

「ああ、分かっている」


蟠りがなくなり、アリスは咳払いをして空気を変えた。


「……もういいかしらね。

聖王国リベリオンは一度、マリアとエルドレッドの手によって崩壊されているのよ」


アリスの言葉にジェシカの表情がピクリと動く。


「どういう事なの?」

「そうね、まずなぜマリアの血を絶やす事なくリーパー達は守ってきているのか、そしてマリアの前のリーパー達の存在がこの世に語られないのかを話す必要があるわ」


『マリア誕生前のクロスリーパーだと……』


アリスの言葉にジェシカとクロードの二人以外の三人は、驚きを隠せずにいたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ