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第176話 町の名前
夕方。
橋市。
井戸の近く。
人が集まっていた。
商人。
職人。
旅人。
飯屋の主人。
皆が笑っている。
若い商人。
二十六歳。
言った。
「いつまでも橋市って変じゃないか」
周囲が笑う。
確かにそうだった。
最初は橋しかなかった。
だから橋市。
だが。
今は違う。
井戸がある。
店がある。
宿がある。
役所まで出来た。
もうただの橋ではない。
飯屋の主人。
五十歳。
腕を組む。
「町の名前考えるか」
笑いが起きる。
旅人も混ざる。
職人も考える。
誰も決められない。
だが。
皆が楽しそうだった。
町の名前を考える。
それは。
ここに住み続ける気があるという事だった。
夕日が橋を照らす。
橋の下を川が流れる。
まだ小さな町。
だが。
人々は少しずつ。
ここを故郷にし始めていた。
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