第17話 学園編 (サラキアの森後編)
シオンとグランは約束の日の前日に、サラキアの森からエウリーの町に戻ってきた。
そして、グランは1度冒険者ギルドに報告があるというので、一緒について行くことにした。
まず受付にグレイトベアーの子供を捕獲したので、預かって貰うように連絡。
ギルドが雇用している冒険者が2名やってきて、タグをつけた後に運んで行った。
その後、討伐したときの報奨金がでる依頼を掲示板で確認している。
ざっと確認した後、3枚を掲示板からはがし、シオンが座って待っている、雑談ができるスペースに戻ってきた。
「待たせたな。これは魔物の討伐をしたときに貰える、クエストの報酬が書かれた依頼書だ。今回討伐してきたやつだと、マダラスパイダー、グリーンワーム、キラーマンチェスの3枚だな。今は残念ながらグレイトベアーの依頼書は無かった。もう取られていた可能性もあるな。依頼書が無い場合でも買い取っては貰えるが、相場よりも安くなるのは覚えておいた方がいい。依頼達成の報奨金も出ないしな」
そうグランは説明した後に討伐部位について、おさらいで教えてくれた。
「マダラスパイダーは頭部があれば認定される。グリーンワームは太い触覚を2本だ。最後にキラーマンチェスだが、両腕の大鎌が討伐部位になる」
シオンは倒した魔物をそのまま収納してきたので、忘れ物はない。
グリーンワームは討伐数が多すぎた為、討伐部分のみだ。
ちなみにマダラスパイダーは、黒と白の縞模様の大型の蜘蛛で、足を最大まで広げると1メートル近くになる。
グリーンワームは芋虫状の魔物で、口から消化液を吐く。直径1メートルはあるが目などはなく、大型の触覚で周囲を探り、外敵を補足してくる。
ちなみに消化液は毒性を含んでおり、長時間触れていると体が動かなくなる。シオンは状態異常無効化のLVが上がってきていたので無力化した。
キラーマンチェスはその名の通り、大型のカマキリ型の魔物である。大鎌を伸ばした状態だと2メートル近くにもなり、しかも大鎌は硬い。
また、大鎌は微細に振動していて、まさに動くチェーンソーのようであった。シオンは近接戦で戦ってみたが、回避に失敗して自動防御を3枚割られた。
一撃の攻撃力はグレイトベアー以上である。
討伐したのは他にもいたが、持ちきれない為その場に残してきた。
「取り合えずマダラスパイダーが8匹で金貨が16枚になる。これは討伐の報酬のみな。後はシオンが収納していた血液だが、大瓶4本分になった。こいつが1本につき金貨5枚だ」
「次にグリーンワームだが、132体だな。こいつは旨味が無いんで人気が無い。当然の事だが、冒険者から嫌がられる存在で、繁殖力も高い。そういう事情もあって、ますます繁殖しちまってな・・・今回はいい仕事ができたぜ。といってもこいつは報酬というよりは、ギルドへの貢献度が高い・・・まぁボランティア仕事みたいなものだ。なもんで1体につき銀貨5枚だ」
「最後にキラーマンチェスだが、こいつは討伐ランクB+の危険種でな、一体につき金貨5枚だ。倒したのは7体だったか?一応討伐部位は報告もできるし、武器屋に持ち込んで素材として使ってもらうこともできる。好きな方を選んでいい」
計算すると、マダラスパイダーで金貨36枚。グリーンワームで金貨6枚と銀貨60枚。キラーマンチェスは、全て報告すると金貨35枚になる。
今回は全て均等に分けましょうとグランに提案したところ、自分で倒したグレイトベアー1体分と、グリーンワームの貢献ポイントだけでいいと返された。本当にいいのだろうかとシオンは首を傾げた。
シオンはグランから換金したお金(金貨77枚と銀貨60枚)を受け取った。
グレイトベアーの子供は査定に少し時間がかかるらしく、あとでグランから連絡して貰うことになり、また何かあったら誘ってくれな!と言って酒場に消えていった。
さすがに連日戦闘を行っていた為、装備がボロボロになっていた。アルスから譲られたミスリルのショートソードも少し切れ味が落ちていた。
その為、武器と防具を新調しようと考えた。ただ場所が分からなかった為、ギルドのお姉さんに教えて貰うことにした。
「すいません。武器と防具の店でおすすめの場所はありますか?」
受付のお姉さんはシオンの事を見ると、以前来たことを覚えていてくれたようである。
「あらこんにちは。今日は魔物じゃなくて、武器と防具なのね」
なぜかクスクスと笑われた。その上でそうねぇ・・・と知っていることを精査した上で、
「中央広場から西に行った所に、アゼットという武具屋があるわ。少しわかりづらい場所にあるから人気はそこまで無いけど、かなり穴場だと思うわ」
ギルドの受付のお姉さんは詳しい地図を描いてくれたので、お礼を言って冒険者ギルドを後にした。
地図を見ながら歩いていく。おそらくここを左に曲がって・・・ここをさらに左か。さらに歩いて行くと、右側にアゼットという看板がかかった武具屋が見えてきた。
見た感じ良くも悪くも普通の武具屋である。店内に入ると・・・
「いらっしゃい。今日はどういったご用件かな?」
20代ぐらいのドワーフのお姉さんが話しかけてきた。ギルドの受付のお姉さんに紹介されたというと、
「ははぁ・・・それはおそらくシンディだね。後ろで髪をを束ねてる、ウサギの亜人じゃなかったかい?」
そう言われて、その通りだと答えると、それなら友人の紹介だし、サービスしくれるとのこと。
予算を取り合えず金貨50枚以内でお勧めはないかと尋ねたら、貴族の少年と勘違いされた。
「取り合えず、体と腕と足を守れるものでいいのかい?」
そう確認してきたので、それでお願いしますと返答する。そうすると、
「体は・・・アクアトータスの胸当てかな。硬度はミスリルに近く軽いのが特徴だね。腕と足はレッドリザードの外郭がお勧めよ。熱さに耐性があり、軽く柔軟性もあるため邪魔にならない。ただ・・・通常価格で胸当ては金貨40枚。腕と足は両方で金貨20枚するんだ。今回はシンディの紹介ということだけど・・・金貨55枚が限界だね」
予算をオーバーしてしまうがどうだい?と尋ねてきたので、それで構わないとお願いした。
ついでに武器の研ぎなおしが出来るか確認したら、可能だとのこと。刃こぼれしたミスリルのショートソードも修理してもらうことにした。
今回は友人の紹介であり、装備品も購入した為、サービスしてくれるらしい。有難いことである。
数日したら調整が終わるとのことなので、1週間後に取りに来ると約束して武具屋を後にする。学院に戻る前に町の銭湯に行き、さっぱりしてから学園に戻った。
学院の寮に戻るとレイルがいた。成果はどうだったと聞かれたので、それは明日のお楽しみだとシオンは焦らすのであった。




