表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜色のネコ  作者: 猫人鳥


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

354/358

外伝 ミオ視点 47

ミオ視点です。


※流血表現があります。苦手な方はご注意下さい。

※この話を飛ばしていただいても問題ありません。

 ハル姉さんが闇堕ちした際の段取りは決まった。

 死神様や女神様といった管理側の高位存在や姉さん達はもちろん、姉さん達の協力者の人達や、私の人脈で呼べる存在を集めた。

 私が呼べる存在は、これまで各世界で見つけた猛者達から、ハル姉さんを疎ましく思っていた戦神達の末端に至るまでの、呼べる限り全員を呼んでいる。


 これで私のコアをかける事なく、96.223%でハル姉さんを闇堕ちから救い出せる計算だ。

 散々皆から色々言われはしたけど、一応は姉さん達も死神様達も、ギンも……納得してくれている。


 それだけ準備万端にしているとはいえ、ハル姉さんがいつ闇堕ちするかはまだ分からない。

 そろそろだとは思うけど、だからと言ってハル姉さんの世界の時間だけを進める訳にはいかないので、これまでと変わらない時間の流れで日々を過ごしている。


 そして今日も、いつもと変わらず仕事だ。

 他の誰よりも、私に向いている仕事……


「きょぇぇえええっ!」

「うわ、耳が痛い奇声タイプじゃん。最悪……」


 久々にかなりやばそうなのが出てきた。

 閉じ込めるだけでもかなりの力を消費した。


「ぎょわっ! ぐぁっぎゃがぁぁあ!」

「うるさっ、どんな設定だよ……こんなんが最強の生物とか、本当にやめてほしい」


 最強殺し……それが私が一番担当している仕事だ。

 創造神様というのは厄介で、簡単に新しい世界を生み出してしまう。

 そして軽い思いつき程度で最強の存在を作るんだ。


 ちゃんと自分が世界の創造主だという自覚がある創造神様はまだいい。

 完全に世界を生み出してしまう前に、ちゃんと精査してくれるから。

 でも自覚のない創造神様は、変な世界を生み出して放置する。

 本当に迷惑だからやめてほしいけど、そんな創造神様ばかりだから、注意してもキリがない。


 そして放置された最強の存在として生み出されたものの中には、全知全能の力をもっていたりして、他の世界にまで影響を及ぼすものが多い。

 だから誰かがその放置された最強の存在を消さなければいけない。

 最強に勝てるのは、最強だけだ。


「さぁ、始めようか。どっちが最強か、はっきりさせるよ?」


 私は自他共に認める最強の存在、ミオだ。

 その辺のポッと出の最強に負ける程弱くない。


「ぎょわっ! ぎゃしゃっ!」

「うわぁ……気持ち悪い攻撃……」


 既に色々と打ち込みはしたけど、効いてないみたいだ。

 向こうの攻撃も私に効いてないからおあいこだけど。

 最強同士の戦いだから、こうなるのは仕方ない。

 いつもの事だ。


ザシャッ!


「っ、やばっ……」


 油断はしていない。

 それなのに、右手が弾き飛ばされた。

 腕毎飛んでいっちゃったから、ちょっと戦いにくくなったな。

 まぁ、左手がまだあるからいいんだけど。


「きゃわっ、きゃわっ、きゃわっ」

「それは、笑っているのかな? 知能は低そうだけど、速さが私以上なんだね。流石"何者よりも速い"設定だね」


 全知全能にプラスして、厄介な設定を組み込んでくれたものだ。

 大体の最強の化け物は、"全知全能"や"なんかめっちゃ強い"といった、単純な最強という要素だけで構成されているから、最強の齟齬が生じる。

 でもたまにいるんだ、最強の中でも何かに特化してる奴が。

 今回のは素早さらしい。


グサッ!


「ごふっ……」


 あーあ、ホント最悪……

 お腹、刺されちゃったなぁ……

 "復元の力"で直したいけど、この攻防の中では直してる余裕もない。

 これは久しぶりに負ける奴だ。


 私が負ける事はさして問題じゃない。

 私が消えると本体が目覚めて、また新しい私を生み出してくれるから。

 その新しい私には、当然今回の私の記憶もあるし、現状の私みたいにもうあまり力が残っていないなんて事もない。

 だから確実に次の私がこいつを倒せる。


 ただ、ギンが厄介だな。

 私が新しくなるのは、ギンにバレる。

 この間あれだけの事をしていたし、また私が消えたなんて事を知ったらと思うと……


「へ?」


 急に現れた召喚陣……

 そして、止まったこの世界の時間……

 これは……なんてラッキーなんだろう?

 日頃の行いがいいからかな?


「お呼びでしょーかー?」


ガシャンッ! ドタッ!


「わっ、冷たっ! 何これ、氷水!?」

「あー! えっと、ごめんなさいっ!」

「全く、なんというところへの呼び出しですか……」


パチンッ!


 召喚された場所にあった氷水が入った容器。

 それを踏んでしまったようで、全身に冷たい水がかかった。

 だからこれを好機として、"復元の力"を使った。

 ひっくり返った氷水の入った容器も、なくなっていた右腕も、刺されたお腹も、破れていた衣服も元通りだ。

 長めのローブを着ていたから、圭さん達にも呼ばれてすぐの私がどんな格好だったかは見えていない。

 本当に運がいい。


「な、なんだコレ……」

「ん? 初めましての方々がみえますね? どちら様ですか?」

「ハルさんのご家族の皆様です」

「……そうですか」


 ハル姉さんの家族と接触済か。

 必ずハル姉さんに家族絡みの話をして、困って私に相談するとは思っていたけど、まさか家族との対話まで終わらせてくれているとは……


「ミオさん? 急に氷水に呼び出してしまって本当にごめんなさい。でもこれ、割り方が分からなくて……」

「ん? 私、割り方を言いませんでした? それは割りたいと心から思いながら、割れろーっ! とか言ってもらえれば割れますよ」

「あ、そういう……」


 割り方は敢えて教えていなかったから、こうも申し訳なさそうな顔をされるとちょっと心が痛む。

 私は氷水に呼び出してもらえた事で、復元の力を使う不自然ささえも消してもらえて万々歳なんだけど、それは言えないからな……


 なにはともあれ、これでやっと作戦が開始出来るんだ。

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ