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桜色のネコ  作者: 猫人鳥


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外伝 ミオ視点 45

ミオ視点です。

 死神様の元を訪れたギンは、理解不能な事を言っている。

 いや、違うか……

 理解は出来る。

 ただ、私が理解したくないだけで……


「ハルが闇堕ちしたらまず、世界のバランス維持は女神のババアに託す。で、俺は闇堕ちしたハルを虚数空間に閉じ込めるから、その空間で死神のおっさんに戦ってもらう」

「そんなのダメ。死神様が殺される確率が94.358%。認められない」

「ならアキとフユも導入する」

「ダメ、長期戦になって全員消耗するだけ。加えてハル姉さんが死ぬ確率が75.381%」

「25%は高い方だな」

「絶対にダメだって! 言ったでしょ? 長期戦になるって。そんな長時間、空間を維持させられないでしょ?」

「なんとかなるだろ」

「なんともならない!」


 どれだけ危険なのか、どれだけ私が動いた方がいいのかを説明したところで、こいつが考えを改める訳はない。

 一体どうしたら……


「ちょっとギン! 勝手な事を言わないでよ。75%でハルが死ぬ可能性になんて、誰がかけると思っているの?」

「そうだぞ! ミオの策の方がハルが助かる可能性が高いのなら、ミオの策をベースに考えるべきだ」

「ミオの作戦からー、ミオの負担を減らせばいいじゃーん?」

「お前等……」


 何を言えばいいか悩んでいると、ナツ姉さん、アキ姉さん、フユ姉さんが部屋に入ってきた。

 動揺し過ぎて全然気配を追えていなかったから、3人が来た事には少し驚いた。

 でも改めて考えれば、ギンは私がここにいると分かっていて来たんだから、アキ姉さんの千里眼に頼って来た可能性が高い。

 となればアキ姉さんにもある程度の状況は伝わってしまっているという事になる。


「ミオ? あなた、随分な無茶をしようとしていたようね?」

「無茶なんてしてないです。私は私の出来る事を……」

「最悪の場合、自分のコアをかけるつもりだったのでしょう? それを無茶と言わずに何と言うのかしら?」

「私達がそんな事を認める訳がないだろう?」

「ユズリハ様の二の舞になんてさせないよー?」

「それは……」


 姉さん達がこの作戦を認めない事なんて分かってる。

 だから話してなかったのに……


「その、本当に最悪の場合だけですから……」

「何%だ?」

「い、今のところは78.993%ですけど……」

「ほぼじゃーん!」

「でも、コアも全部じゃないですよ? そうなったとしてもちょっとで済みます。ユズリハ様の時とは違って……」

「ちょっとでもなんでも! 俺がそんな事認めねぇっつってんだ!」


 私の発言は、ギンの怒る声に遮られた……

 恋愛感情はないのに、ギンに怒られるのは一番胸が苦しくなるから嫌だ……


「元のミオの作戦はどうなんだ? どうやってハルを救うつもりだった?」

「……ハル姉さんの恋人を守護しつつハル姉さんと戦って、ハル姉さんが正気に戻るのを待つ予定でした」

「あぁ、例の恋人君ね! 確かに効果ありそう!」

「問題は、その恋人君に戦闘能力が皆無だって事だよな?」

「多少戦闘能力があったところで、闇堕ちしたハルなんて相手に出来ないわよ。即死もいいところ」

「そうなれば闇ハルの闇は更に深まるだろうな……因みにその確率は何%だ?」

「私が守護すれば、0.006%です。それ以外だと全部90%超えの未来しかないですね」

「つまり、ハルの恋人へのミオの守護は絶対と言う事ね」


 姉さん達はギンと違って、私の作戦を完全に否定してる訳じゃない。

 それはやっぱり、ハル姉さんを絶対に助けたいと思っているからだろう。

 ギンもハル姉さんを助けたいとは思っているはずだけど、それ以上に少しでも私が犠牲になるの嫌がるから……


「アイツはこの策に組み込んでいるのか?」

「アイツって、元凶の事ですか?」

「そうだ。アイツの力も加えれば……」

「あんな搾り滓に出来る事なんてありませんよ」

「そんな事はないわ。滓には滓の使用用途があるもの。この間の大会然りね」

「え……」

「あれあれー? ミオ、私達にバレてないと思ってたー? 私達を出し抜こうだなんて、100年早いんだよー?」

「おい、フユ。100年なんてわりとすぐだぞ」

「あ、じゃあ10000年!」

「あなた達は気付いていなかったじゃない」

「「……」」


 何でバレていたのかと思ったけど、アキ姉さんか……

 やっぱりアキ姉さんの千里眼は厄介だな。

 特に今は、昔みたいに自分の力を疎ましく思っていないみたいだし。


「おい、お前等! さっきから勝手な事ばかり言ってるが、そもそも俺はミオが動くのを認めないって言ってるんだぞ?」

「そこは折れてよ。やっぱりギンや死神様が動くより、ミオが動いた方が確実なんだから」

「そうそう! 絶対にミオに無理させないから!」

「お前は最悪ハルが死んでも仕方ないと思えるだろうが、私達は無理なんだ!」

「俺だって別にハルが死んでいいと思ってる訳じゃない。だがミオにこれ以上無理をさせるってんなら……」


 ギンと姉さん達が、互いに意見を譲り合わない言い合いを繰り広げていたところで、


「だったら、ミオに休暇を与えるっていうのはどうですか?」


と、言い合いを割くようにカナが入ってきた。

 今度は気配でカナが来た事もちゃんと分かっていたし、こんな状況だというのに、私は落ち着きを取り戻せているみたいだ。

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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