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桜色のネコ  作者: 猫人鳥


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外伝 ミオ視点 44

ミオ視点です。

 ハル姉さんの世界の残しておいた分身体が消え、その経験が私の中に戻ってきた。

 ただハル姉さんを連れてくるだけのはずが、夕食をご馳走になった上に随分と遊んで……全く、私は何をやっているんだか。

 まぁ楽しかったようで何よりだけど。


「ミオ、何をしている?」

「ちょっと未来の確認」

「少しは改善されたか?」

「ぼちぼちだね。変数次第」


 私が目を閉じていたからか、死神様が聞いてきた。

 ハル姉さんに違和感を持たれる事なく、圭さんに召喚石を渡す事には成功した。

 加えて圭さんに、ハル姉さんの家族に対する疑念も抱かせた。

 概ね順調といえる。


 それでも、どれだけ未来を見ても、ハル姉さんが闇堕ちする未来ばかりが見える。

 一応微量ずつとはいえ、闇堕ちしない未来も増えてはいるけど……


「あまり根を詰め過ぎるな」

「そうは言っても……あっ」

「どうした? ん? あぁ……」


 私が慌てて姿を消したので、死神様も不思議には思ったみたいだけど、理由は察してくれたみたいだ。

 アイツが来るって……


「邪魔しますよ」

「ギンか。何用だ?」

「メインのミオ、いません?」

「少し前まではいたが、未来の確認をしてから何処かへ行ったな」

「そうか……」


 ありがとう死神様。

 嘘を言わずに匿ってくれて。

 別にアイツを避けたい訳じゃないけど、どう接したらいいのかが分からなくなるんだ。

 この間ハル姉さんに指摘されてから余計に……


 だから本当に申し訳ないとは思うけど、最近は完全に会わないように避けさせてもらっている。

 特に今みたいな、未来への変数の計算をしている時とかに、心を乱されたくはないし。


「何用だった?」

「あぁ、今度のハルの件。俺も参加しようと思いまして」

「それはならん。ミオが抜けるのだぞ? お前以外の誰にミオの代わりが務まるというのだ?」

「メインのミオ」

「何?」

「だから俺が代わりに行って、メインのミオを待機にするって話ですよ。頭の悪い奴だな」

「誰に向かって言っておる!」

「おっと、失礼。思わず本音が」

「……」


 え、え?

 アイツ、何言ってんの?


「そのような事を認める訳がないだろう?」

「死神様に認めていただく必要はありませんよ。俺が勝手に動くだけですから」

「ミオのこれまでの努力を無駄にするつもりか?」

「ミオの努力だぁ? はっ、美談にして誤魔化そうってか?」

「そうではないが……」

「お前達はいつもそうだ。何でもかんでもミオに頼って解決する。自分達は動こうともせずにミオばかりを……」

「ちょっと!」


 あまりに理解出来ない状況過ぎて、思わず出てきてしまった。

 別に私が動いた事を美談になんてされていないし、死神様達が直接動けないのも仕方のない事だ。

 それをこんな風に言うのは間違ってる!


 私が出てきた事に、ギンは驚いて……いないな。


 はぁ、だから嫌なんだ。

 コイツの前では、私の感覚が鈍るから。


「久しぶりだな」

「……何、今の。演技?」

「いや、本心」

「そう……」


 カツカツと、革靴を履いた存在が私のほうに近づいて来る音が響く。

 上手く顔を見られないから、視界の端に綺麗な革靴が見えるだけだけど。


「お前は働き過ぎなんだよ。俺が代わるから休め」

「バカな事を言わないで。あなたに私の代わりは務まらない」

「俺1人なら確かに厳しいだろうが、コイツとセットならどうだ?」

「コイツって……死神様と?」

「あぁ」


 死神様に動いてもらう事で起こる問題を分かっていないのか?

 ……そんな訳はない。

 つまりコイツは、その問題が起きる方がまだマシだと考えているんだ。

 私を休ませる為に……


「お前の事だから、ハルが助かる未来に少しでも近づけてるんだろうが、それは完全じゃないはずだ。なんなら闇堕ちする確率の方が高いままだろ?」

「……」

「だからこそ、闇堕ちする事を前提として、その後で助ける策でも考えていたんだよな?」

「……」

「ハルが闇堕ちした時点で、世界のバランス維持を引き継ぎ、他の世界の問題地点で時間を止め、ハルが助かるまでの時間を作るつもりだった」

「……よく、分かったね」

「そら分かるだろ。俺だぞ?」


 死神様を初めとする高位の存在達。

 ハル姉さんを助ける為にとずっと備えてくれている姉さん達。

 メモリアやリリーといった、ある程度の近況を説明している人達。

 その全員に、私はこの計画の全貌を打ち明けてはいなかったのに……


「ミオ、どういう事だ?」

「どういう事も何もないでしょ? こいつがそういう奴だって話ですよ。だから死神様、俺に協力してくれますね?」

「……分かった」

「待って!」

「待たない」

「聞いて? 私今、美味しい夜ご飯をご馳走になってきたの!」

「は?」

「テレビゲームっていう玩具でも遊んできた」

「……それで? 十分に休んでるとか言いたいのか?」

「うん」


 私に休みがなくて、私が自分を犠牲にしている事が気に入らないんだったら、私は休んでるし遊んでる事を伝えればいい。

 コイツや死神様が動いて危ない事をするより、私が動いた方が絶対にいいんだから。

 確率的にも……


「確率的にどうだろうと関係ない」

「……」

「言ったろ? お前の考えてる事なんてな、全部分かるんだよ」

「……だから嫌なんだよ」


 あぁ、本当に嫌だ。

 どれだけ計算したって、コイツが考えを改めない確率が99.999%だなんて……

 これがずっとギンと向き合わずに逃げ続けてきた報いって奴なんだろうか……?

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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