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森の聖雫 五話 元気になって!

―― side you ――


 もう、チュウとクーリクの身体で触っ……拭いていないのは、烙印と内側くらいだろう。

 それくらい隅々まで拭いたよ! がんばったよ!


 かなりキワドいΦライン(・・・)の上まで拭いたけど、流石にΦラインの()までは拭いてない。

 いや、でも魔種の位置からして、拭いた方がいいのか? でも、そんな事を誰にどうやって聞くよ?

 それにまだ自分の(・・・)でさえ、どうすれば良いのか解らないのに……。

 マイにでも聞くか? 腐りきっても元女子だしな。


 しかし、タオルが薄いから全体的に()が分かっちまうんだよな。 特にぽっちとか。

 二人とも10個もあるから、ぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちって拭いちまったけど。

 まぁ平たいから拭きやすかったからな!


 あれ?川で見たときよりも烙印の色が濃くなってる気がするな。焼印かと思ったけど、違うのか?

 いや、顔が青白いから濃くなったように見えるだけか? まぁどっちでもいいか。


 さて、これからどうするんだっけ……。

 部屋の温度がかなり高くなってきたな。 オレは自分の汗で濡れてきたぜ。 冷たいジュースが飲みたいな。


 他の三人はタオルを持ったまま寝てしまったようだ。 身体はちゃんと拭けたのかな……。


 三人はちょっと汗をかいてる。 でも、本当に汗なのか? ちゃんと拭けてないとか?

 わ、分からないけど……。 一応拭いといてあげた方がいいのか?

 いや、雨水が危険だから拭いといた方が良いよな……他意は……ない!


 オレはチュウとクーリクに毛布というか薄い布を掛けて、三人の雨水(・・)を拭いてあげることにした。



  コンコンッ。 ドアのノックがした。


「入るよー」 モルッタが入ってきた。


 オレはシュフィの14個の小丘の凸凹と悪戦苦闘していた時だった!他意はない!

「いや、これは!」

「獣人達をちゃんと拭いてやってるのか、偉いじゃねぇか。」

 褒められてしまった。


「暖炉の暑さで汗が凄くてな。」

「あぁ……一応水と水差しを持って来たんだが。 この台の上に置いておくよ。無くなったらアーズに言ってくれ。」

 モルッタは壺を床に、看病用の水差しを、オレのダガーの横に置いた。


「わかった。」

 水ってオレの分……って訳じゃねぇよな。

「どうやって飲ませればいいんだ?」


「ここから水を入れて、口元で傾けたら自然とでるさね。 ゆっくり少しずつな。」

「やってみる……」

 意識があれば飲ませれるけど、無い奴はどうすりゃいいんだ?



「あと室内用の物干し竿も持って来たから、服を乾かすのに使ってくれ。」


 廊下のドワーフから木の棒を受け取ると、組み上げていくモルッタ。

 木製の棒を、金具で固定した、簡単な物だ。

 足が2本ずつ、計4本あって倒れないようになってる。


 物干し竿?を2セットくみ上げるとモルッタは満足したように言った。

「ここで濡れた服やら下着やら、タオルを干すといいさね。 燃えないように暖炉に近づけすぎないようにな」

「わかった。」


「あと、アーズが精の付く料理を作るはずだから、それも食べさせてくれ。」

「分かったけど、オレ一人でやるのか?」


「アタイはなんでか(・・・・)手伝うなって言われてるしねぇ……」

「フェリーフは?」


「見かけたら言っとくよ。 でもフェリーフには期待しない方がいいさね。」

「なんで?」


「基本的に何もしないエルフだからねぇ……。」

「そうなのか? でもさっきは手伝ってくれたけどな? それに従業員なんだろ?」


「従業員? アーズはそう言ってるけどね……どうなのかねぇ? まぁまた後で食事を持ってくるさね。」

 そう言って、モルッタは出て行った。


 オレは何か納得できないから水を飲んだ。 まぁ少しくらい飲んでも良いだろう。 試験も兼ねてな!

 水差しを傾ける。 口に入ってくる水は……ぬるい。

「これは……アーズの水だな。」

 別にアーズの味がする訳じゃないけど、そんな感じがした。






―― side us ――


 カメの血はドワーフに血抜きされていた…んだが、強力な回復力があるから、何かに使えるかもしれないと、保存していたようだ。 商魂逞しいな。


 しかし、青い血は凝固しかけていた。 しかもちょっと黒ずんで。


 大丈夫なのか?


 俺は青黒い塊を水にいれて、溶かしてみた。 溶けにくいが元がキツイから少し解けるだけでも効果が期待できる。


 そして、一口……


 当然、強力な回復効果は期待していない。

 ふむ……マナの回復は微妙だが、体力の回復は見込めそうだな。


 若干生臭い気もするが、まぁ許容範囲だろう。 原液よりは、かなり飲みやすいしな。


 しかし、コレをどうやって飲ませるかだな……。


 意識がある者は良いとして、意識の無い者に……しかも相当体力が弱っているだろうからな。

 なるべく早く。確実に…となると…アレしかないか……ふむ……ユウに頑張ってもらうか。


 あとは、カメの肉でスープを作るか。 これはドワーフからの注文でもある。

 モルッタには悪い気もするが、兄妹仲が良いのは良いことだよな。 多分……。


 まぁ流石に俺は食べたいとは思わないがな。 俺には強力すぎそうだ。


 マイン叔母さんとアイル叔母さんにも止めといた方がよさそうだが……。また酔っ払われると困るしな。

 マイには食べさせた方が良いのか?食べさせた方が早く従弟の顔が見れそうだな。よし食わそう。

 ユウはまた倒れられると困るが……獣人娘達の食事が上手くいってから……様子を見るか。

 ウイには……よく分からないな。 普通の熊肉の燻製でいいか。


 そうだ! マイ達三人(・・・・・)には、キングサイズベッドのある部屋に移動して貰わねば。



 後はフェリーフか……。


 自分で自分の事をダークエルフと言う分には慣れたかも知れないが、あの顔のマインとアイルに言われて、かなりショックだったのだろう。 しかも、ダークエルフなど興味が無いと……。


 俺としては、どちらの気持ちも分からんでもないのだが……。


 エルフ族はダークエルフを忌み嫌う。 それは本人(フェリーフ)とて同じ事。 だからこそ彼女(フェリーフ)達でさえレヴィ様の事をダークエルフと罵ったのだ。 それを自分がダークエルフになったからと言って、そう割り切れるものではないだろう。 二千年経っても心は(ウッド)エルフなんだから。


 むしろフェリーフは、今も森に住んでいる昔の仲間の元へ戻った方が良いと思うのだが。


 元(ウッド)エルフのダークエルフ。 堕ちてなお森を守る者達。

 彼らは何を守っているのか? 守るべき物などとっくの昔に消えて無くなったと言うのに。


 とは言え、それもこれも、そう簡単な事でもないのだろうな。

 流石に二千年続いた関係を今更、小僧の俺がどうこう言った所で改善される事でもないしな。


 とりあえず、獣人娘達の回復方法を知っているようだし。元気を出して貰わないとな。

 元気をだす? よし……カメの肉を食わそう。



解説しよう!「Φ(ファイ)ライン」とは! WIワイ-FIファイLINEラインをやる。そんな感じのあれである。変なとこを想像しないでよね!まったくもう。


やっぱりモルッタの姉御口調が超ムズい。


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