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森の聖雫 ニ話 スタートに戻る

―― side my ――


 行きは一日掛からなかったけど、帰りは二日以上掛かっているわね。

 原因は、獣人娘達の容態が悪いから、休憩が増えているのだけど。

 まぁ行きは猛スピードだったし、 正直このくらいのペースが疲れなくていいわ。 胃にも優しいし。


 獣耳娘達の容態は芳しくないみたい。 休憩の度にあのマントに包まって呻きながら震えている。

 水分に体温を持っていかれているのも、悪化に拍車を掛けているのかも。 マントは水を弾いてくれるけど、体温までは守ってくれないみたい。

 川で拾った薪がなくなったから、ユウとウイ兄がまた薪拾いに行った。 枯葉は良く燃えるけど煙が凄いから止めといたほうがいいんだって。



「マイ様、あの白い場所はなんじゃと思う?」

 アイルの指差す方には見たことのある物があった。

「こ……これは」

 最初にこの森で気が付いた時に、『パラチョコ剣』が刺さっていた場所。 あ『パラチョコ槍』か……どっちでもいいか。

「なんだろうね。」

 説明が面倒なのでスルーする事にした。

「なんかヌメヌメするのじゃ」

 マインが親指と人差し指で触ってる……っていうか、コンクリートまだ乾いてなかったんだ。 この雨で乾きにくかったのかな?そんな素材で剣を固定しないでほしいわ。って誰に文句言ってるのやら?


 という事は、こっちには川があって……増水したせいか川幅が広くなってるわ。


 イノシシの死体は無くなってるわね。 オオカミが食べたのかも……?。 でも血の跡とか、焼け跡とかは残ってる。


「ここはユウ達と初めて会った場所じゃの。」 ドワーフの誰かが笑いながら言った。

「そうじゃったな。……ちゅうことは、もう城は近くじゃて……一気に戻るとするか?」

「その方が良いかもしれんのぅ。 どうする?アーズ。」

「彼女達の容態がいいなら、一気にいくか。」

「そうじゃな。」


 そうだ!

 と、いうことはよ! この近くにキノコが生えているのでは?!

 ウイ兄にどこにあったか聞かなければ!! 丁度戻って来た!


「ウイ兄! キノコがどこに生えてたか教えて!」

「キノコ? あぁ……そうだね。 教えといたほうが良いね。 アイルとマインのゲッコー(とかげ)に乗せていってもらおうか。」

「トカゲで? そんなに遠いの?」

「まぁね。 遠いし、生息地がバラけてるしね。」


「でも、甘いキノコだけでいいんだけど?」

「う~ん。 甘いのは何処だったかなぁ。 順番に行って見ないと……忘れちゃったな。」

「そ、そうなんだ。」


「オレも行こうかな。 キノコをモギに。」

「城が近いから獣耳っ娘の容態しだいで、移動するみたいだから……ユウはアーズと離れないほうがいいんじゃない?」


「そ、そうか……そうだな。 でも、オレもキノコをモギたかったぜ。」


 そうは言ってもね、ユウ……アナタはもうキノコはモゲない身体なのよ……。






―― side you ――


「モルッタ!帰ったぞぃ!!」

 ドワーフ達の大声が城のエントランスホールに響く。 背中には獣耳っ娘が背負われてる。 顔色とか真っ青で、本当にヤバイんじゃないか?


「一階の暖炉がある大部屋が空いてただろう。 そこに五人寝かせよう。」

「分かったわぃ」


 そしてアーズがオレに向かって言った。

「ユウ、少しの間、彼女達が落ち着くまで看病してくれないか?」 


「え? オレが?」

「同じ獣人種のメスの方が安心できるだろうからな。」


「え……でも……」

「モルッタもメスだが、見た目がアレだからな……」 アーズの視線は泳いでいる。


 確かにモルッタの容姿は、男性のドワーフと変わりない。


「モルッタの可愛さには、獣人娘達もメロメロじゃて。」 ドワーフ1は真剣のようだ。

「メロメロになって、これ以上容態が悪くなってもいかんからのぅ。」 ドワーフ2は本気のようだ。


「……そういうことだ……」 やっぱりアーズの視線は泳いでいる。


「わかった……でも、何をすればいい?」

「とりあえず、五人を部屋に運ぶから、 鎧と服を全部脱がせて、身体の水を拭いてやってくれ。」


「オ、オレが服を脱がしたり、身体を拭くのか?!」

「そうしてくれ。 彼女達は、オスに触れられるのを嫌がるからな。 看病の代金はあとで請求すればいい。」


「いや、カネの話じゃなくって!」

「まぁダメ(・・)だったら、装備とか貰えばいいしな。」

 アーズってたまにドライだな。


「とりあえず看病できる者が、ユウしかいないから、よろしく頼むよ。 オレは薪の準備とかメシの用意とかやる事が山済みだしな。」

 アーズはアーズでやる事は沢山ありそうだな……。

 それに比べてオレは特になにもない。


「あとで薪を持って行くから、火の番も頼む。 あと身体を拭く時はちゃんと隅々まで拭いてやってくれ。 水が悪化の原因だといけないからな」

「わかった……」

 オレは獣耳娘達が運ばれた部屋に向かう。


 えぇっと、隅々ってどこまでだろう……?。


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